「流動性リスク」という言葉をご存知でしょうか? 株式市場の急落時には買い手がいなくなり、売りたくても売れない事態が起こることがあります。ゴールデンウィーク期間中に、日本の投資家に流動性リスクをもたらす可能性のある米国の主要3指数を見ていきます。

  • 流動性リスクとは、売りたい時に売れない、買いたい時に買えない機会損失のリスク
  • GW期間中も海外マーケットは動き続ける。日本市場の休場明けの値動きに注意
  • GW明けに備え、海外マーケット動向や米国主要3指数などを要チェック

GW期間中も海外マーケットは動き続ける

この記事はゴールデンウィーク(以下:GW)前に書いています。2021年のGWは5/1(土)~5(水)までの5連休となります。この間、日本の株式市場や債券市場は休場しています。また、金融機関も休みのため、投資信託の基準価額も算出されません。これは、海外の株式などで運用している投資信託も例外ではありません。

ただし、その間も海外マーケットは5/1~2の土日以外は開場して取引を行っています。

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また、日本のGW期間中も、米国ではIMS製造業景況感指数(5/3)、IMS非製造業景況感指数(5/5)などマーケットに影響を与える主要経済指標の発表があります。米国雇用統計もGW明けの5/7に発表されます

今回は取引が成立しないことで起こる流動性リスクとマーケットに対する影響の大きい上記の3指数について見ていきます。

売りたい時に売れない「流動性リスク」に注意

流動性リスクとは、売りたい時に売れない、買いたい時に買えないといった機会損失に関わるリスクです。個人投資家にとっては、売りたい時に売れないリスクの方が買いたい時に買えないリスクに比べ投資資産に対する影響が大きくなります。

流動性リスクは、株式市場などのマーケットが一方向に極端に動くときに起こります。例えば、バブル崩壊やリーマンショックなどで投資家が売り一辺倒になり買い手が不在になった時に流動性リスクが大きくなり、取引を伴わず価額が大きく下落しました。売り手と買い手がバランスよく存在していれば、起こりづらいリスクになります。

また、GWのように日本のマーケットが休場し、海外のマーケットが開いている時に海外で大きなイベントが起きても、日本は休場期間中で取引ができないため、休場明けに株価などが大きな値動きをする場合があります。バブル崩壊などによるパニック売りに比べ変動幅は小さいですが、これも流動性リスクの影響と言えます。

それでは、今回のGW中または後に発表され、日本の流動性リスクにも影響を及ぼす可能性のある米国の主要3指数について以下で見ていきます。

月初に発表される米国の主要3指数

2021年5月の発表日順に、主要3指数の内容と1月~3月までの推移を見ていきます。

ISM製造業景況感指数(毎月第1営業日に発表)今回は5/3に発表予定

米供給管理協会が毎月発表します。ISMは米供給管理協会の略称です。製造業約350社の購買担当役員にアンケートを実施して集計した指数です。指数が50%を超えれば景気拡大、下回れば景気後退と判断され、指数の性格は先行指数です。直近の数値は下表の通りです。

  1月 2月 3月 4月
2021年 58.7 60.8 64.7 5/3発表

ISM非製造業景況感指数(毎月第3営業日に発表)今回は5/5に発表予定

米供給管理協会が毎月発表します。非製造業約370社の購買担当役員にアンケートを実施して集計した指数です。指数が50%を超えれば景気拡大、下回れば景気後退と判断されます。指標の性格は先行指数です。直近の数値は下表の通りです。

  1月 2月 3月 4月
2021年 58.7 55.3 63.7 5/5発表

米国雇用統計(毎月第一金曜日に発表)今回は5/7に発表予定

米国労働省が毎月発表します。統計の発表項目は10項目以上ありますが、注目度が高いのは「失業率」「非農業部門就業数」になります。FRB(米連邦準備理事会)の金融政策へも影響を与える指数です。指数の性格としては過去の状況を確認する指数になります。直近の数値は下表の通りです。

<失業率>
  1月 2月 3月 4月
2021年 6.3% 6.2% 6.0% 5/7発表
<非農業部門雇用者数(前月比)>
  1月 2月 3月 4月
2021年 4.9万人増 37.9万人増 91.6万人増 5/7発表

GW中も海外マーケット動向や経済指標をチェック

上記3指数とも米国の新型コロナワクチン接種数が加速するのに伴い、急速に改善されてきています。ISM景況感指数は製造/非製造業とも50%を大きく超え、一部で過熱状態と言われ始めています。

最後に、GW明けの日本の株式市場や投資信託の基準価額などに大きな変動があっても驚かないよう、GW中も海外マーケット動向や上記の経済指標などをチェックしておきましょう

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