住宅を購入する時には、団体信用生命保険や火災保険など、将来に備えて保険に入ることになります。その中で、加入が必須ではない地震保険については、見送ろうと考える人もいるかもしれません。しかし、火災の原因によっては、火災保険ではなく地震保険でないと補償が受けられないケースもあります。地震保険の概要と、補償内容を確認して、改めて検討してみましょう。

  • 地震保険は、地震や噴火、津波などで家や家財に損害があったら保険金を受け取れる
  • 地震が原因で発生した火災を補償するには、火災保険ではなく、地震保険が必要
  • 地震保険の普及のため、税金負担が軽減される、地震保険料控除制度がある

火災保険とセットで加入する地震保険とは?

地震保険は、被災者の生活の安定という公共性の高い役割を持つことから、民間の損害保険会社と政府が「地震保険に関する法律」に基づいて共同で運営している、特殊な保険です。

地震や噴火、津波により家や家財に損害があった場合、保険金を受け取れるのが一般的な補償内容です。保険金の支払い割合は、建物または家財の損害程度によって変わります。2017年以降に地震保険へ加入した場合、全損・大半損・小半損・一部損の4つの区分が適用されます。

新しいNISAの“裏技”教えます! ニッセイアセットマネジメントの情報発信&資産運用アプリ

【図表1】損害の程度ごとの地震保険の支払い額(平成29年以降保険始期)
損害 支払い額
全損 地震保険の保険金額の100%
(時価額が限度)
大半損 地震保険の保険金額の60%
(時価額の60%が限度)
小半損 地震保険の保険金額の30%
(時価額の30%が限度)
一部損 地震保険の保険金額の5%
(時価額の5%が限度)

原則として、地震保険に加入する場合は、火災保険に付帯する形で加入することになります。損害保険料率算出機構「グラフで見る!地震保険統計速報」内の地震保険付帯率を見てみると、2011年度には53.7%でしたが、2020年度には68.3%へ増加。徐々にではありますが地震保険への加入を選択する人が多くなっていることが分かります。

地震保険の保険料はその物件の所在地や構造などで決まるため、条件によっては思っていたより大きい出費になり、加入を躊躇する人もいるかもしれません。しかし、地震保険に入らないことで、さらに大きな出費が必要となる可能性もあります。

地震が原因の火災は火災保険では補償されない!?

その理由は、火災保険の補償範囲にあります。

火災保険では、幅広い損害が補償されます。名前の通り火災を始め、落雷や風災、ガス爆発などが基本的に補償され、種類によっては水災や自動車の衝突なども対象となります。

一方、地震が原因となる損害については、原則、火災保険では補償されません。例えば地震が原因で火災が起きた場合、その火災で建物に損害があったり家財が焼失したりしても、火災保険からは保険金を受け取ることができません。また、地震で家が倒壊する・津波で家屋が流されるなどの被害にあった時も、地震保険でなくては補償されません。

大きな地震の場合、被災者生活再建支援法に基づき、公的な支援金を最大300万円受け取れる場合もあります。しかし、住宅を再建するためには、それ以上の金額が必要となることもあるでしょう。もしもの時にスムーズに生活を立て直すためにも、保険で自助の備えをしておけると安心です。

地震のイメージ
地震が原因の火災は、火災保険では補償されない。地震保険に加入しておく必要がある

地震保険で保険料を支払っている場合、保険料控除を受けられる

地震保険による自助の促進のため、税金負担が軽減される、地震保険料控除制度も設けられています

地震保険に加入している場合、支払った保険料の金額に応じて、地震保険料控除を受けられます。控除対象となっているのは所得税と住民税で、控除の限度額は次のように設定されています。

【図表2】地震保険料控除の控除限度額
税金の種類 年間の支払い保険料
5万円以下 5万円以上
所得税 支払った保険料の全額が控除 一律5万円が控除
住民税 支払った保険料の2分の1が控除 一律2万5千円が控除

日本は地震の多い国です。支払う保険料は大きいものになるかもしれませんが、控除で税金の軽減も受けられますので、安心して過ごすためにも今一度検討してみてはいかがでしょうか。

※このページでは地震保険と地震保険料控除の概要について説明しています。詳細は各保険会社や国税庁のホームページなどを必ずご確認ください。

メルマガ会員募集中

インデックスファンドの次の一手