「iDeCo(個人型確定拠出年金)では、インデックスファンドを選ぶのが基本」──。そんな話を聞いたことがあるかもしれません。確かにインデックスファンドを選べば比較的低リスクで安定的な運用が可能です。しかし、それでは途中解約できず、否が応でも長期投資を実践せざるを得ないiDeCoの強みを十分に生かしきれない可能性も。この記事では、iDeCoでは、アクティブファンドを選んだほうがいいかもしれない理由について考えてみます。

  • iDeCoは長期投資が原則。長期保有で高いリターンが期待できる銘柄を選びたい
  • アクティブファンドなら長期保有でインデックスを上回る可能性も
  • アクティブファンドにも魅力的な商品がたくさんある

iDeCoは長期運用が原則

iDeCoとは、「個人型確定拠出年金」のことです。年金を自分でつくることを目的としており、iDeCoで積立投資をすれば、税制優遇などのメリットを受けながら有利に運用できます。具体的な運用商品は、預金・保険・投資信託から選ぶようになっており、高いリスクを取って、大きなリターンを追求するような商品は投資対象になっていません。

iDeCoの注意点は、「60歳になるまで原則解約できない」ことです。そのため、否応なしに長期運用を行うことになります。投資資金が拘束されるからこそ、老後に必要なまとまった資金を作ることができると考えれば、解約できないことはむしろメリットといえるかもしれません。

新しいNISAの“裏技”教えます! ニッセイアセットマネジメントの情報発信&資産運用アプリ

長期投資には、大きなメリットがあります。iDeCoは、運用益が非課税なので、課税口座で運用するより利回りが高くなる傾向にあります(さらに拠出額の所得控除も受けられます)。長期間非課税で運用すると雪だるま式に資産が増える複利効果が期待できるため、iDeCoは老後資金を形成するのに最適な選択肢だといえるでしょう。

iDeCoの複利効果を最大限に生かすなら、ある程度リスクを取って、長期で保有してこそ高いリターンが期待できる商品を運用するのがいいのではないでしょうか。

iDeCoの選択肢その1~インデックスファンド

長期保有で高いリターンを期待するなら、株式100%の投資信託を選ぶのが基本です。株式投資信託は大きく分けて「インデックスファンド」「アクティブファンド」の2つに分類されます。まずは、インデックスファンドの基礎知識を確認していきましょう。

インデックスファンドとは、特定の指数(ベンチマーク)に連動するように作られた投資信託のことです。ベンチマークに用いられる指数には、株式指数や債券指数があります。指数に連動することを目標に運用するため、運用コストが安いことや、値動きを追いかけやすいことなどがインデックスファンドのメリットです。

代表的な株価指数には以下のようなものがあります。

インデックスファンドのイメージ
運用コストが安いことや、値動きを追いかけやすいことなどがインデックスファンドのメリット

上記インデックスに連動するインデックスファンドには「eMAXIS Slim国内株式(日経平均)」、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」などがあり、こうしたファンドをすでにつみたてNISAで運用している人も多いのではないでしょうか。

つみたてNISAをインデックスファンド中心にしている人は、iDeCoでは、あえてアクティブファンドで運用する選択肢もおすすめです。

iDeCoの選択肢その2~アクティブファンド

アクティブファンドとは、運用会社やファンドマネージャーが独自の判断で運用するファンドのことです。ベンチマークを上回る運用成績を目指すため、インデックスファンドを上回るリターンが期待できる半面、コストが高くつきがちな点がデメリットです。

iDeCoは、節税と複利効果が大きいため、コストが高めのアクティブファンドでもある程度のマイナスは、運用益でカバーすることが期待できます。長期間保有することが前提になるiDeCoでは、最終的にインデックスファンド以上のリターンも期待できるかもしれません。

iDeCoで投資できるアクティブファンドの代表的なものには、『ひふみプラス』『セゾン資産形成の達人ファンド』、『フィデリティ・日本成長株・ファンド』などがあります。アクティブファンドの中にはテーマに基づいて運用される「テーマ型投資信託」が多数ありますので、例えば日本の成長株に投資するなど、自分の興味のある分野を軸にファンドを選べるのも楽しみです。

アクティブファンドのイメージ
アクティブファンドは、長期で保有してこそ高いリターンが期待できる可能性が高い

アクティブファンドの注意点としては、インデックスファンドに比べると値動きが大きいことが挙げられます。近いうちにまとまったお金を使う予定があるなど、運用のゴールが間近になったときには安定運用に切り替えていきましょう。こうすることで、ゴール直前での暴落を避けることが可能になります。

iDeCoこそアクティブファンドで!

iDeCoは60歳になるまで解約できないので、長期にわたって運用するのが前提になります。長期投資の強みを最大限に生かすなら、あえてアクティブファンドを選ぶのも魅力的な選択肢であることがおわかりいただけたでしょうか。iDeCoは好きな時に解約はできませんが、銘柄の変更は可能です。iDeCoで選べる銘柄も種類が増えてきているので、ぜひ自分好みの銘柄探しを楽しんでください。

最後に! iDeCoでは、元本確保型の商品や保険は絶対NGです。その理由は、下記記事をぜひご確認ください。

iDeCoで保険商品は、ダメ。ゼッタイ。

メルマガ会員募集中

ESG特集