現役証券アナリストの佐々木達也さんが、株式市場で注目度が高い銘柄の強みや業績、将来性を解説する本連載。第26回は、食品用トレイの国内最大手メーカー、エフピコ(7947)を取り上げます。

  • 食品用トレイ専業の国内最大手メーカー。国内シェアは約30%
  • ニーズを捉えた製品開発力でオリジナルトレイ・容器を数多く生み出してきた
  • 創業以来赤字になったことがない。12期連続で過去最高を更新中

エフピコはどんな会社?

エフピコはスーパーなどで使用される食品用トレイの専業メーカーで国内最大手です。国内シェアは約30%であなたが使っているトレイの3つに1つはエフピコ製です。

創業は1962年(昭和37年)で広島県福山市に福山パール紙工として設立されました。設立後は事業を全国規模へと拡大し、自社の物流網の整備や使用済み製品のリサイクルなども手がけるようになりました。1989年(平成元年)に現在の社名のエフピコに商号を変更しています。エフピコの社名は設立時の社名の「福山のfとパール紙工のp、コーポレーションのco」 に由来しています。

パール紙は食品用のトレイの素材である白色の発泡スチロールのことです。発泡スチロール製のトレイは5~10%のポリスチレン樹脂が原料で残りの9割以上は空気で出来ています。ポリスチレンは石油に由来しますが、その使用量は非常に少なく、石油全体の使用量のわずか0.04%程度です。

また、発泡スチロールはプラスチックの中でも分別が容易です。リサイクルに必要なエネルギーも少なくすみ、有害物質も発生しないことから環境に非常に優しい素材となっています。

エフピコの強みは?

エフピコの強みはニーズを捉えた製品力でオリジナル製品を数多く生み出してきた点にあります。

かつてはスーパーの食品トレイは白トレイが主流でしたが、エフピコは色とりどりのカラートレイを開発しました。カラートレイは高級食材を引き立て、食欲を刺激することから現在のスーパー、コンビ二で幅広く使われています。

1983年(昭和58年)には、現在コンビニなどで幅広く使われている電子レンジで加熱しても変形しない食品用トレイを生み出しました。同社が開発した「マルチFP」シリーズのトレイはマイナス40℃から110℃まで使用できる耐寒耐熱製を持ち、レンジで加熱しても熱が伝わりにくく持ちやすい特性をもっています。


電子レンジで加熱しても変形しない食品用トレイを生み出したのもエフピコ
AlmostViralDesign / Shutterstock.com

その後もトレイや容器の改善を続け、使用するプラスチック量の削減、汁漏れしにくい、外れにくい、盛り付けの作業者が作業しやすいなど、食に関わるあらゆる人に優しい製品を手がけています。

エフピコの業績や株価は?

エフピコは製品力や経営力に加えて食品用トレイは景気の影響を受けにくく、安定した業績で創業以来赤字になったことがありません

今期2023年3月期は売上高が前期比8%増の2120億円、営業利益が3%増の164億円を見込んでいます。売上高は前期まで12期連続で過去最高を更新しており、成長が続いています。

売上高はコロナ禍によるテイクアウト・デリバリー需要の増加で宅配、冷凍向けの高機能製品やエコ製品の拡販を見込んでいます。原油価格や電力料金の上昇が利益を押し下げる見込みですが、値上げや高付加価値製品の強化でカバーし、増益を予想しています。

また新たな販路の拡大策として包装資材のECサイトによる販売、WEBマーケティング広告にも取り組んでいます。認知度向上の施策としてLINEやInstagramによるマーケティングも推進し、登録者数も着実に伸びています。

9月9日の終値は3445円で投資単位は100株単位となり最低投資金額は約35万円です。

エフピコ(7947)の株価(2018年1月~、月足、終値)

業績の安定成長に連れ高して長期では右肩上がりの株価チャートとなっています。ただし、中期では2021年の3月の高値の4850円から調整局面となっていましたが、最近では下値を固めて戻りを試す展開となっています。

新型コロナウイルス感染第7波のピークアウトや海外からの渡航制限が緩和すれば経済活動の一段の回復でエフピコの製品の需要もさらに伸びると期待しており、一段高を予想しています。

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