資産形成の近道は小型株にあり──。「小型株集中投資」を実践する気鋭の投資家・遠藤洋さんに、今からでも始められる小型株投資の極意を教えていただく連載。第3回は、投資初心者がどのようにして有望な小型株を見つければいいのか、自身の経験をもとに語ります。

  • 株価が高いか安いかではなく、商品やサービスが世の中の流れに沿っているか
  • ペッパーフードサービスやガンホーなどを「身の回りの変化」から発見
  • 株価ではなく時価総額に注目。まだ時価総額が小さければ伸びしろがある

上がる株を見つけたかったら、株を見るな

遠藤洋
遠藤 洋
投資家
投資コミュニティixi主宰

前回は、「なぜ小型株集中投資なのか」というお話をしました。今回は、有望な小型株をどうやって見つけるかについて、僕自身の経験をもとに話していきたいと思います。

前回もお伝えしたように、株式投資を始めたての方は雑誌やネットなどの情報を参考にして「なんとなく良さそうな株」を選んだり、そうやって選んだ株を、株価や相場を見てタイミングを狙って買ったりしがちです。慣れた投資家なら、「会社四季報」などで企業の財務情報を見たりすることもあるでしょう。

僕はよく「上がる株を見つけたかったら、株を見るな」と言います。
株でお金を増やしたいのに、株を見るなとはどういうことかと思われるかもしれませんが、要は株価が高いか安いかではなく、その会社の商品やサービスが世の中の流れに沿っているかどうかを見ましょうということです。

投資初心者の方や、普段働きながら株式投資をしている方にとっては、自分の仕事や生活など「身の回り」から銘柄を発見するのが、最も手堅く成長株に出会える方法だと思います。

「身の回り」で見つけた、短期間で急騰した銘柄

過去に僕自身が見つけた、身の回りの変化をきっかけに株価が上がった例をいくつか紹介します。

①ペッパーフードサービス(3053)

ある日、新しくできた立ち食いのステーキ屋さんに行列ができているのを見つけました。「いきなり!ステーキ」です。運営会社は、もともと「ペッパーランチ」をチェーン展開していたペッパーフードサービスですが、当時はまだ株価はほとんど動いていませんでした。

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その後しばらくして、「いきなり!ステーキ」が全国に店舗を増やしていって、株価はそこから大きく上がりました。1年で10倍を超える上昇でした。

ペッパーフードサービス(3053)2017年1月4日~12月25日、週足
ペッパーフードサービス(3053) 2017年1月4日~12月25日、週足
※株価は2021年8月20日時点での分割による調整後

②RIZAPグループ(2928)

僕がRIZAPを初めて見たのは、「たった2ヶ月で、このカラダ」というコピーが印象的な広告かテレビCMでした。
僕も気になって店舗へ行って、店から出てきたサラリーマンの方に話を聞いたりもしました。そこからの株価の上がり方は速かったですね。

RIZAPグループ(2928)2014年1月6日~12月29日、週足
(2014年当時は健康コーポレーション)
RIZAPグループ(2928) 2014年1月6日~12月29日、週足
※株価は2021年8月20日時点での分割による調整後

③ソースネクスト(4344)

「ポケトーク」という翻訳機の新商品をリリースするという告知を見て、その日に先行販売をしたところ、即座に売り切れたことがありました。
「ポケトーク」はおたがいの言葉をその場で日本語や英語、中国語などに翻訳してくれる機械で、商品の情報を見ても「これは確かに売れそうだ」と思いました。株価も半年ほどで2~3倍に上がったと思います。

ソースネクスト(4344)2017年7月3日~2015年6月25日、週足
ソースネクスト(4344) 2017年7月3日~2015年6月25日、週足
※株価は2021年8月20日時点での分割による調整後

④ファンコミュニケーションズ(2461)

僕は会社員時代にスマホ向けアプリの運営をしていて、その一環で広告も担当していたのですが、ファンコミュニケーションズの「nend」というサービスを通じて出した広告が、他の大手企業より安定して高い数字を出していました。これを見て、この会社は伸びそうだと思っていたら、株価は1年でなんと7倍にもなりました。

ファンコミュニケーションズ(2461)2013年1月4日~12月30日、週足
ファンコミュニケーションズ(2461) 2013年1月4日~12月30日、週足
※株価は2021年8月20日時点での分割による調整後

⑤ガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)

仕事柄、ゲームアプリの動向もずっと見ていたのですが、ある日電車に乗っていて、右の人も左の人も同じゲームをやっているという光景がありました。それがあのパズドラ(パズル&ドラゴンズ)でした。
運営会社のガンホーの株価は1年で90倍を超える成長を遂げました。

ガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)2012年7月2日~2013年6月24日、週足
ガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765) 2012年7月2日~2013年6月24日、週足
※株価は2021年8月20日時点での分割による調整後

株価ではなく、時価総額で判断する

やはり、株は世の中の変化に連動して動くものだと思います。最近だと、コロナに関連してマスクを作っている会社や、リモートワークが広まってオンライン業務に関連するサービスを提供している会社の株が上がったことがありました。あとはワクチンの副反応で解熱剤が売れて、その関連株も買われました。

そうした身の回りのできごとの変化に注目して、銘柄を見つけて投資につなげるのが、最も硬いやり方ではないかと考えています。僕の友人も、勉強嫌いの子どもを塾に入れたら「塾に行きたい」と言うようになって、調べたらその塾の運営会社が上場していて、株価が上がっていたこともありました。

最初に「上がる株を見つけたかったら、株を見るな」と言いました。前回もお伝えしたとおり、注目すべきなのは株価ではなく、時価総額です。時価総額が小さい小型株は伸びしろがあり、投資対象として有望といえます。

小型株を推す理由は「短期間で大きく増やしやすい」

とはいえ、株価はいつまでも上がり続けるわけではありません。「いきなり!ステーキ」のペッパーフードサービスも一時の勢いはなくなり、業績も株価も落ち込んでいます。たとえ一時的に株価が100倍に上がったとしても、その株をずっと持ち続けた結果、もとの価格より下がってしまっては意味がありません。買った株をいつ手放すかを見極めることも大切です。

次回も、小型株の見つけ方や売り時についてさらに詳しく見ていきたいと思います。