同じ投資信託でもインデックスファンドと比べて、アクティブファンドは商品が多様で選ぶのがたいへんです。単純に数値だけで比較できないのがアクティブファンドの難しさでもあり、おもしろさでもあります。本記事では、そんななかでもここだけはチェックしたい4つのポイントを紹介します。アクティブファンドを選ぶ際に参考にしてください。

  • アクティブファンドを選ぶ最重要ポイントは過去の騰落率と値動き
  • 投資信託の運用方針もウェブサイトなどで確認。賛同できるかが重要
  • 手数料も重要だが運用実績とあわせて検討する。純資産総額にも注意

アクティブファンドの成功を決めるのは銘柄選択

アクティブファンドは市場平均を上回る運用成果を目指すファンドです。日経平均株価やTOPIXなど、市場平均を示す指数への連動を目指すインデックスファンドは組み入れ銘柄がほぼ自動的に選ばれるのに対し、アクティブファンドはファンドそれぞれの観点で銘柄選びが行われます。

どっちがいいの? アクティブorインデックス比較

アクティブファンドの運用成績は、ファンドによって千差万別です。銘柄選びの良し悪しで成績が決まるため、どういう基準のもとに、どの個別銘柄を選ぶかが資産運用会社やファンドマネージャーの腕の見せどころだといえます。

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残念なことに、長期的にみれば市場平均を下回る(=インデックスファンドに負ける)アクティブファンドの方が多いのは事実ですが、ファンドによっては指数以上の成果を出し続けているものもあります。ここからは、投資家の夢である超過収益を狙うために、優れたアクティブファンドを選ぶポイントを紹介します。ぜひ参考にしてください。

優れたアクティブファンドを選ぶポイント

優れたアクティブファンドを選ぶためには、どんな運用がなされているか中身を確認することが大切です。具体的には次の4点に注目して分析します。

ポイント① 騰落率と値動き

アクティブファンドを選ぶうえで何よりも重要なのが運用実績です。まずはファンドのウェブサイトなどに掲載されている最新の運用報告書で騰落率を確認しましょう。騰落率とは、一定期間にどれくらい値上がり(値下がり)したかを表したものです。

多くのアクティブファンドは、日本株ならTOPIX、米国株ならS&P500指数のように指数と比較して騰落率が上回っているかどうかが記載されています。直近だけでなく、3年、5年と中長期の運用実績も比較することが大切です。

また、騰落率だけでなく値動きの大きさ(リスクの大きさ)も確認が必要です。たとえ騰落率が低い商品でも、基準価額のチャートを指数と比べたときに値動きの幅が小さいのであれば、「値動きが堅実で、大きく値下がりしにくい低リスクなファンド」としてとらえることもできるからです。

投資信託選びは「騰落率」の確認を忘れずに!

ポイント② 運用方針

アクティブファンドは、ファンドの運用方針によってその性格が千差万別です。日本株の全銘柄から100銘柄以上を選んで投資しているものもあれば、銘柄の候補を特定の業種に絞ったもの、組み入れ銘柄を20~30銘柄に絞り込んでいるものなどもあります。

ファンドの運用方針は、運用報告書や目論見書、ウェブサイトに必ず記載されています。なぜこのような運用方針なのか、銘柄はどんな基準で選んでいるのかなど、ファンドマネージャーのコメントが掲載されている場合もあります。

ファンドの運用方針に賛同できるかどうかは、大切なお金を投資する際には重要なポイントになります。自分の価値観とも照らし合わせながら、運用方針を確認するようにしましょう。

船の針路
アクティブファンドの運用方針は資産運用会社のファンドマネージャーが決める。方針の違いによって運用成績は大きく左右される

ポイント③ 手数料

販売手数料や信託報酬などの手数料は、投資で得られる利益に直接影響を与えます。ほかの商品と比べて手数料が高いファンドは、運用の中身と比べて手数料が妥当かどうか、購入前によく検討することが必要です。

ただし、手数料は安いに越したことはないのは事実ですが、それを補うほどの運用実績をあげているなら問題はありません。アクティブファンドは「手数料がかかっても超過収益を狙いにいく」という性質の投資信託です。必要以上に手数料にこだわりすぎないようにしましょう。

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ポイント④ 純資産総額

アクティブファンドに限ったことではありませんが、純資産総額が少ないとファンド全体の運用効率が悪くなってコストは高くなりがちです。純資産総額が増えないまま運用成績が極端に悪化した場合は、運用会社が運用の継続は難しいと判断し、繰り上げ償還となってしまう可能性も出てきます。あまりに純資産総額が少ないファンドは避けた方が賢明です。

そうはいっても純資産総額は大きければ大きいほどよいというものでもありません。例えば少数の銘柄を厳選してピンポイントで利益を狙うタイプのファンドや、時価総額が少ない小型株を対象にしたファンドは、純資産総額が多くなりすぎるとかえって運用効率が悪化するケースがあります。

純資産総額については、最低限「少なすぎるファンドは避ける」という感覚を持っておくのがいいでしょう。

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