宮崎県延岡市で保険業や資産運用のアドバイスに携わる小田初光さんが、地方で暮らす生活者のリアルな視点で、お金に関するさまざまな疑問に答えます。今回は、バランス型の投資信託を購入後、お金があまり思うように増えないと悩む方に向けて、「株式型」を軸としたつみたてNISAのポートフォリオ(資産配分)を考えていきます。

  • つみたてNISAでは分かりやすい国内株式型だけでなく、海外型も選びたい
  • 例としては「国内株アクティブ型と米国株式」。無理して商品を増やさなくてもいい
  • つみたてNISAとスポット投資を組み合わせて、下落相場に備えるのもあり

国内株式と海外株式の混合でリスクを軽減

【質問】
数年前に銀行窓口で勧められて、投資信託を購入しています。バランス型といわれる商品で、報告書は運用会社から送られてきますが、銀行担当者に聞いてもいまいちわかりません。利益もあまり増えていないようなので、ここは「つみたてNISA」で、株式型の投資信託でチャレンジした方がいいのでしょうか?

今回はつみたてNISAで投資できる投資信託のうち、「株式型」を軸にポートフォリオ(資産配分)を考えていきます。

株式に投資する投資信託には、日本国内の株式に投資するもの、他国の株式に投資するもの、他国の中でも先進国と新興国の株式に投資するものなど、タイプが分かれています。
株式は投資の王道、大本命ともいわれる一方で、リスクが大きいと思われがちですが、考え方を少し変えることで、そうでもないことに気づくと思います。

つみたてNISAの運用商品は、長期・積立・分散投資に適した投資信託が対象になっています。まずは、現時点でつみたてNISAで購入できる、金融庁が指定した株式型商品についておさらいをしておきましょう。

国内株式・インデックス型商品(35本)
TOPIX連動……13本
日経平均株価連動……17本
JPX日経インデックス400連動……5本

海外株式・インデックス型商品(50本)
全世界株式インデックス連動……10本
先進国株式インデックス連動……18本
米国株式インデックス連動……10本
新興国株式インデックス連動……12本

株式・アクティブ型商品(10本)
国内型……6本
海外型……4本

上場株式投資信託(ETF)(7本)
国内株式型……3本
海外株式型……4本

以上、102本もあるわけです。
これだけの商品の中から選別となると、やっぱり「分かりやすい」が基準となってくるのはしょうがありません。そうなると「国内株式型」で「インデックス型」となり、この35本の中から選ぶことが多くなるのではないでしょうか。

私も最初の投資信託は国内株式型でスタートしました。違いはアクティブ型商品(市場平均を上回ることを目指して運用する商品)であったことだけです。ただ、「世界がくしゃみすれば、日本はそれ以上にくしゃみをする」という、米国などで何か悪いことが起きれば、日本経済へのダメージは計り知れないという例えがあります。このコロナ禍の時代に、海外株式の戻りが日本株式よりも圧倒的に速いのも根拠の一つですね。

日本の成長性が諸外国に比べて低いのは確かなので、つみたてNISAで株式型商品を運用するのであれば、国内だけでなく、海外の株式にも投資したほうが効率がいいのではないかと考えています。株式型の混合が、最もリスクを軽減できる方法なのかなと思っています。

投資信託の点数は絞る。預貯金も含めたバランスが大切

それでは具体的に考えていきます。

例えば、つみたてNISAで月2万円ずつ投資をしようとするのであれば、その2万円を、国内株式と海外株式に分けて投資をする。国内株式に1万円、海外株式に1万円というバランスで、年間24万円の投資でポートフォリオを組むことを考えます。

国内株式であれば、ファンドマネージャーの力量で運用に差が出る①アクティブ型商品か、より多くの株式に分散でき、リスクを軽減できる②TOPIX連動型商品にするか。海外株式の場合は、先進国と新興国を含めた③全世界株式インデックスに連動する商品か、リスクを取って④米国中心の株式インデックス商品に絞り込みます。
最大のリスクを取れるのであれば、①と④がベストとなるでしょうか。

今回の相談者はバランス型の投資信託を保有しているということですが、人によってはバランスを重視するあまりにいろいろな商品を購入して、ポートフォリオが分散しすぎたために、投資の効果が逆になくなっているのを見かけます。ポートフォリオは、多くても3種類の商品で構成されれば充分だと思います。

つみたてNISAでも、株式の運用リスクを抑えるために、株式と対比的な動きをする債券型の投資信託の購入に動きがちですが、いくつも商品を買わなくても、つみたてNISAにはバランス型の投資信託が多数用意されています。また、自身の預貯金も含めて資産全体でバランスをとっていけば、無理して投資信託だけでポートフォリオを組む必要はないのかなと思っています。

アイスクリーム
積立投資は資産のバランスが大切ですが、商品が多すぎても運用が難しいので、2~3種類にとどめたいもの

つみたてNISAとスポット投資の併用も考える

もう一つの方法としては、年間24万円の運用として、つみたてNISAで国内株式に1万円、年間12万円の積立をしながら、情勢の変化に合わせて下落相場の時に海外株式をスポット(一度にまとめて投資)で、年間投資枠12万円の中で購入するというリスク調整法があります。
この場合気をつけることは、あくまで下落時に購入していくことです。上昇相場の時にも購入したくなりがちですが、そこはぐっと我慢して、あくまで下落時に購入することを肝に銘じておくこと。値上がり時に購入していくと、暴落時のリスクが増大するだけです。

どちらにしても、つみたてNISAなどでポートフォリオを組むにあたって、「何が何でもリスク軽減のためにたくさんの商品を揃える」などと考えなくとも、リスクの軽減はできます。投資信託の商品数が増えるほど、リスクを増大させることにもなりがちです。投資商品は「少数精鋭」で望むのもありですね。

補足ですが、今回の相談者が言っていた「運用会社から送られてくる報告書」は、投資信託の購入先である銀行に問い合わせても答えはありません。当然のことながら、投資商品は購入した時点で、自己責任が原則です。
投資信託を購入する前に、悩みましたか? 吟味しましたか? 聞きましたか? 再確認してください。

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