株式投資に興味があっても「株ってなんか怖そう……」というイメージがあり、なかなか最初の一歩を踏み出せない人は多いのではないでしょうか。本記事では、株式投資が怖いと思われる理由や具体的なリスク対策、株式投資の手堅い始め方などについて解説します。
- 正しい方法でリスク対策を行うことで、リターンを得る可能性を高められる
- 金額は適正に、分散を心掛け、少額から始める。経営陣の人柄もチェック
- 少額投資から始めることで、リスクを低くおさえて手堅く最初の一歩を踏み出せる
なぜ「株は怖い」のか
最近では高校で金融教育が始まるなど、日本人の投資に対するイメージは大きく改善され、投資は身近なものになりました。それでもなお、株式の個別銘柄への投資については「怖い」「難しい」と考えている人が多いようです。
なぜ「株は怖い」というイメージで語られることが多いのでしょうか。株式投資が怖いと思われる理由は、成功したときのリターンが大きい半面、個別銘柄特有のいくつかのリスクがあるからです。
株式投資のリスクには、主に以下のようなものがあります。
- 株価の値下がりによる元本割れのリスク
- 株式発行会社の倒産によって株式に価値が無くなるリスク
- 売りたい時に売れないという流動性のリスク(特に売買の少ない銘柄の場合)
これらのリスクがあるため、株式投資はやり方を間違えると大きな損失を出してしまう可能性があります。しかし、正しい方法でリスク対策を行うことで、損失を回避してリターンを得る可能性を高めることができます。それでは、どのようにリスク対策をすればいいのか見ていきましょう。
値下がりリスクや倒産リスクへの対策
株価の値下がりや企業の倒産リスクへの対策には、主に以下の4つがあります。
- 投資金額を適正に保つ
- 投資先を分散する
- 単元未満株で少額から始める
- 社長など経営陣の人柄を確認する
それぞれのリスク対策について解説していきます。
1. 投資金額を適正に保つ
株式投資のリスク対策の1つ目は、投資金額を適正に保つことです。株式投資でより大きなリターンを得ようと、資産の全額を株式に投じてしまう人もいます。しかしこのやりかたでは、急な出費が必要になったときなどにお金が用意できず、保有する株式の「損切り」を余儀なくされてしまう恐れがあります。
そのため、自己資産の中で何割を株式投資へ使えるのか、投資する前に具体的な金額を計算しておくと安心です。生活に必要な資金と投資用の資金を明確に分け、あくまでも余裕資金で投資するように心がけましょう。
2. 投資先を分散する
株式投資のリスク対策の2つ目は、投資先を分散することです。投資する銘柄を複数にすることで、値下がりや倒産のリスクを分散できます。
例えば、100万円の資金でAという銘柄だけに全額を投資した場合、Aの株価が暴落したときに大きな損失を出してしまいます。しかし、100万円の資金をAに50万円、Bに30万円、Cに20万円と分散投資することで、仮にAが損失を出しても、BとCの値上がりによってトータルで利益が得られるなど、リスクを分散することが可能です。
3. 単元未満株で少額から始める
株式投資のリスク対策の3つ目は、「単元未満株」で少額から始めることです。日本には「単元株制度」という制度があるため、通常は1単元(100株)ごとの取引しかできません。多くの銘柄で最低購入金額は数万円から数十万円なので、株価が暴落すればいきなり万単位での損失もありえます。単元未満株のサービスを提供している証券会社を利用すれば、1株単位などで少額から株式投資を始められるので、たとえ失敗しても損失は数百円程度ですみます。
少額での投資は、利益は小さいですがリスクを小さくすることが可能なので、株式投資の初心者でも安心して、個別銘柄の投資に慣れることができます。
4. 社長など経営陣の人柄を確認する
株式投資のリスク対策の4つ目は、社長など企業のキーパーソンの人柄を確認することです。
株価は発行会社の経営状況の変化に加え、不祥事などの信用問題によって下がることもあります。そのため、保有銘柄の経営状況・財務状況を把握しておくことはもちろん、ネットなどで経営者の評判を調べることや、株主総会などに参加して会社の雰囲気や経営陣の人柄を把握することも大切です。
最初の一歩は少額で手堅く
金銭的なリターンが期待できるだけでなく、自身の資金を投じながら会社の成長を応援できることも株式投資の醍醐味といえます。とはいえ、最初は誰でも株価の値下がりや会社の倒産などのリスクが心配なので、単元未満株などの少額投資から始めることで、リスクを低くおさえて手堅く最初の一歩を踏み出しましょう。
株式投資の前に、まずは投資信託やETF(上場している投資信託)の投資にチャレンジし、元本保証でない金融商品の値動きに慣れるのも良いでしょう。