2022年12月13日付の日経新聞朝刊にNISA(少額投資非課税制度)の制度変更の記事がありました。記事の見出しは「つみたてNISA3倍 年120万円上限 一般型は倍増 生涯投資枠1800万円」でした。まだ方針を固めた段階で、今後政府・与党内で議論して最終決定をするそうです。NISAに関しては、2023年度税制改正の法案が成立した時点で取り上げたいと思います。今回は、老後のための資産形成のもう一つの制度である、iDeCoなど確定拠出年金についてみていきます。

  • 確定拠出年金では、預金や保険といった元本確保型商品の運用ができる
  • 確定拠出年金は掛金拠出時、運用時、受取時に税制上のメリット
  • NISAはいつでも換金できるが、確定拠出年金は原則60歳まで引き出しできない

確定拠出年金は企業型と個人型(iDeCo)の2種類

確定拠出年金(DC:Defined Contribution Plan)は、資産運用する資金を企業や個人が負担(拠出)して、その企業の従業員や個人(DC加入者)が運用成果に応じて将来の年金を受け取る制度です。

一般的に企業が運用資金(掛金)を負担するのが企業型確定拠出年金。個人が掛金を負担するのが個人型確定拠出年金(iDeCo)になります。

確定拠出年金の特徴と注意点

ここでは、現行(2022年12月時点)のNISAと比べながら主な確定拠出年金の特徴と注意点についてみていきます。

1.確定拠出年金には元本確保型商品がラインアップされている

NISAは、投資信託や上場株式など投資型商品のみが運用対象商品になりますが、確定拠出年金では、預金や保険といった元本確保型商品の運用ができます

この点、投資型商品のみでの運用に不安がある方には適した制度と言えます。

2.NISAより確定拠出年金のほうが加入条件が限られる

NISAは、日本に住む20歳以上(2023年1月1日以降は18歳以上)の成人の方でしたら利用することができます。

iDeCo(個人型確定拠出年金)の場合は、国民年金保険料を免除されていないことが加入条件になりますので、国民年金第1号被保険者(自営業者やフリーランスなど)の方はその点に注意が必要です。

厚生年金に加入している第2号被保険者(会社員や公務員)の方や第2号被保険者に扶養されている第3号被保険者(専業主婦・専業主夫)の方は、免除制度がありませんので加入することが可能です。

ただし、勤めている企業がマッチング拠出(企業の掛金に上乗せして従業員が掛金を上乗せできる制度)を利用できるようにしている場合、iDeCoへ加入できるかどうか確認する必要があります。

また、国民年金保険料の支払い終了や厚生年金加入資格を失った時点で、掛金の拠出はできなくなります。

3.確定拠出年金は掛金拠出時、運用時、受取時に税制上のメリット

NISAでは、売却益や配当などの利益が非課税になる点が税制上のメリットになります。

一方、確定拠出年金は掛金拠出時、運用時、受取時にそれぞれ税制上のメリットがあります。以下、順にみていきます。

①確定拠出年金の掛金拠出時のメリット

掛金拠出時では、加入者が拠出した分の掛金が全額所得控除の対象になります。そのため、所得税や住民税が軽減されます。また、会社が拠出した掛金は、全額損金算入することができます。

②確定拠出年金の運用時のメリット

運用時では、利息や配当(分配金)、売却益など運用益が非課税になります。例えば、投資信託の分配金を再投資する場合や、運用している投資信託を売却した場合にかかる約20%の税金かかりません。

③確定拠出年金の受取時のメリット

受取時には、収入金額に対して税金がかかりますが、各種控除があります。受取方法(年金、一時金)により所得区分が異なります。

年金で受け取った場合は、雑所得に区分され、公的年金控除が受けられます。計算式は以下の通りです。

雑所得の金額 = 収入金額 - 公的年金等控除額

一時金で受け取った場合は、退職所得に区分され、退職所得控除が受けられます。計算式は以下の通りです。

退職所得金額 =(収入金額-退職所得控除額)× 1/2

4.確定拠出年金は原則60歳まで引き出しができない

NISAの場合は、いつでも換金(売却)でき、投資資金を引き出すことができます。

確定拠出年金も運用資産を売却することはできますが、売却したお金は運用資産としてプールされ原則60歳まで中途換金(引き出し)ができない制度になっています。ここは、iDeCoを利用する際に最も注意しなければならない点です。

  確定拠出年金 NISA(一般/つみたて)
運用対象商品 預金・保険・投資信託など 一般:上場株式、株式投資信託など
つみたて:一定の要件を満たした株式投資信託
加入要件 国民年金第1号被保険者で国民年金保険料を免除されていない方
厚生年金加入者
国民年金第3号被保険者
日本在住の成人の方
2022年まで 20歳以上
2023年以降 18歳以上
税制上のメリット 拠出時:加入者が拠出した掛金は全額所得控除
運用時:運用益は非課税
受取時:年金受取の場合は公的年金等控除
    一時金受取の場合は退職所得控除
売却益など利益が非課税
中途換金 原則60歳まで中途換金不可 いつでも換金可能

以上、現行のNISAと比較しながら確定拠出年金の特徴と注意点についてみてきました。

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