認定テクニカルアナリストの資格を持ち、裁量(手動)トレーダーとして多角的に活動するゆかてぃんさん。そんな彼女が、自動的にトレードを繰り返してくれるリピート系FXの「トラリピ」(提供:マネースクエア)の運用を開始したという情報をキャッチ! 日本一トラリピに詳しいFXライターの異名がある、FX雑誌『外国為替』編集長の鹿内武蔵さんが、ゆかてぃんさんにいろいろお話をうかがいました。(インタビュー実施日:2024年9月3日)
ゆかてぃんさん
日本テクニカルアナリスト協会、認定テクニカルアナリスト。2019年からFXを開始。 過去にラジオNIKKEIに出演。人気FXYouTubeチャンネル「FXトレードルーム」にてMCを務める。
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裁量トレーダーゆかてぃんがトラリピ始めてみた
FXトレーダーのゆかてぃんさんが「トラリピ」にチャレンジされていると聞きました! 詳細をお聞きする前に、MonJa読者の皆さんに、FXという金融商品の特徴を簡単に解説していただけますか。
ゆかてぃんさん かしこまりました。FXの正式名称は外国為替証拠金取引で、米ドル、円、ユーロといった通貨と通貨の交換レートに投資をして利益を狙うものです。平日なら24時間動いており、レバレッジ取引(※1)であるため買いだけでなく、売りからでもトレードを始められるメリットがあります。
また、FXは危険というイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、個別株や暗号資産と比べれば一般的に変動幅は小さく、ミドルリスク・ミドルリターンの金融商品だと思っています。
※1 レバレッジ取引……口座に預け入れた証拠金を担保にして、証拠金の何倍もの金額を取引できる仕組みのこと。FXにおいては投資家は通貨を保有するわけではなく、為替レートの値動きそのものを投資対象とするため、「売り」から取引を始めることで、値下がり時に利益を狙えることもレバレッジ取引の大きな特徴。
ゆかてぃんさんは、どういうスタイルでFXをされているんですか?
ゆかてぃんさん 私はこれまでは、相場を分析して手動で売買する裁量トレードをしてきました。しかし、一度ちゃんと設定すれば自動的にトレードを繰り返してくれると聞いて興味を持ち、2024年6月からトラリピをスタートしました。
トラリピの基本的な特徴についても教えてください。
ゆかてぃんさん はい。トラリピ®は「トラップリピートイフダン®」というマネースクエアが提供する独自のリピート注文ツールの略称です。マネースクエアが特許を取っているので、マネースクエアでのみ利用可能です。具体的には、為替レートが動く幅(レンジ)を想定し、そこにイフダン注文を複数仕掛けるというもの。
イフダン注文は「ドル/円が140円になったら買い、141円になったら売り」といった具合に、新規と決済の注文を同時にセットする注文方法です。通常、イフダン注文は新規注文が成立し、決済出来た場合は完了となり消えてしまいますが、トラリピで仕掛けた注文設定は決済後も残り、リピートされます。先ほどのドル/円の例でいえば、一晩の間にドル/円が140~141円の間を5往復した場合、通常のイフダン注文では1回利食いして注文が消えてしまいますが、トラリピなら5回利食えることになります。
イフダンを自動的に繰り返してくれる(リピート)ということですね。
ゆかてぃんさん そうです。ドル/円はざっくり130円から150円の間で動くのではないか、という大雑把な範囲を想定できれば、その間にトラリピ注文を罠のように複数仕掛ける、という感じです。相場の上がる・下がるをピンポイントで当てる必要がないので、チャート分析や相場予想が苦手なFX初心者でも無理なく取引できると思います。
トラリピを仕掛けておけば、基本的には取引を自動で任せられるのも楽でいいですね。
ゆかてぃんさん 投資に時間をとられずに、仕事や生活に集中できるというのはトラリピの最大のメリットですね。為替相場は平日24時間動いていますが、トラリピなら寝ている間も設定通りトレードを続けてくれるので安心です。つい為替の値動きが気になってチャートを見てしまう、といった人にもトラリピは精神的に楽で良いかもしれません。
ゆかてぃんさんはどんなトラリピ設定で運用していますか?
ゆかてぃんさん 私はマネースクエアさんが推しているAUDNZD(オーストラリアドル/ニュージーランドドル)の「ダイヤモンド戦略」を、資金30万円で運用しています。公式サイトの設定より資金が少ない分、強制ロスカットが怖いので注文の本数も抑えています。
また、4か所ある注文の帯のうち、外側の①と④は未設定です。今より運用に慣れて、利益が貯まっていったら、これらも発注しようと思っています。
ゆかてぃんさん 最初の2か月は仕込みという感じで利益は出ませんでしたが、8月にたくさん利益確定して4000円のプラスとなりました。
資金30万円であることを考えると、単月で見て1%以上のリターンなので上々のスタートですね。現在動かされている設定のリスクを計算させてもらっていいですか?
ゆかてぃんさん もちろんです。(トラリピ管理表を見せながら)、今はこういう設定でやっています。
資金が30万円、売りが1.07~1.1、買いが1.04~1.07の範囲に、それぞれ1000通貨のトラリピが10本ずつ入っていますね。この運用をトラリピ運用試算表で計算すると、上昇した場合には1.36985で強制ロスカットになります。
現在の価格(2024年9月18日時点では、1AUD=1.09NZD)を考えると、1.36985はかなり遠いですね。
ゆかてぃんさん はい。売りトラリピでは、まだ①の注文を入れていないのでトラリピの本数が少なく、強制ロスカット発生価格は現在の価格よりかなり遠くにあります。
どの水準が安全か、危険かというのは人それぞれですが、月足チャートを見て、自分の相場観で納得できる位置に強制ロスカット水準を置くのが、トラリピ設定のポイントです。
なるほど……。そう考えるんですね。①や④のゾーンに注文を追加した場合、トラリピ本数が増えて逆行時のリスクも増えますから、その分強制ロスカットの位置が近づくと。
初めてのリピート系FXでも振り回されない安心感
ゆかてぃんさんは、しっかりとしたファンダメンタルズ分析を行いつつ、テクニカル分析を駆使して売買する、王道の裁量トレーダーという印象です。そういったお立場から見て、トラリピはどういった運用だと解釈していますか?
ゆかてぃんさん 私にとっては初めてのリピート系FXですが、ちゃんとした国内FX会社が提供しているサービスということで安心感があります。また、AUDNZDなどのレンジ通貨(※2)が主流と聞いて、その部分にも興味がありました。こういった通貨ペアのチャートを見て、ボロボロに負けることはあまりないだろうというイメージも持てたのでスタートしました。
トラリピは目先のチャートを追わなくていいので、プロスペクト理論(※3)に振り回されなくて済みますね。あと、ロジック自体はシンプルなので、取引のルールをこちらが分かった上でのリピート系FXですから安心です。そして何より、ラクです。
あと、画面が分かりやすく、トラリピくんがかわいいのもお気に入り(笑)。さらに成立カレンダーが分かりやすく、モチベーションが上がります。
※2 レンジ通貨……為替レートが一定の値幅で推移する「レンジ相場」を形成しやすいとされる通貨ペア。オーストラリアドル/ニュージーランドドルのほかに、ユーロ/ポンドなどが挙げられる。
※3 プロスペクト理論……1979年に行動経済学者のダニエル・カーネマン氏とエイモス・トベルスキー氏によって提唱された行動経済学の理論。人は利益より損失を大きく感じる傾向にあり、損失を回避しようとして合理性を欠いた行動をとることがあるとされ、投資においては、正しい損切りや利確を妨げる影響がある。
分かります! 楽しく取り組めることも、長く投資を続けるためには大切ですよね。ゆかてぃんさんは、どういう目線でトラリピ向けのチャート分析をしていますか?
ゆかてぃんさん AUDNZDはふだんトレードをしない通貨ペアなので、情報や知識はほぼなく、チャート分析だけしかしていません。2013年以降はレンジ相場で安定しているので、この幅を狙う戦略で問題ないと思います。レンジ抜けの判断は、余裕をもたせて100pips(※4)、200pipsまで離れたら、そう判断しても良いでしょう。
※4 pips……FXにおいて値幅の大きさを示す共通単位。マネースクエアでは、ドル/円では1pip=0.01円、ユーロ/米ドルでは1pip=0.0001ドル。
あと、この通貨ペアは、これまでの歴史で一度も1.0を大きく下回ってないのも頼もしいですね。
ゆかてぃんさん たしかにそうですね。下が固いのでレンジの判断もしやすいです。
トラリピはFXデビューの選択肢にも
今後、トラリピの運用を拡張する予定はありますか?
ゆかてぃんさん まだ3か月ですから、ゆっくり慣れていきたいと思います。ゆくゆくは通貨ペアを増やすのもありかもしれません。
マネースクエアがプッシュしている世界戦略の2つ目、3つ目の通貨ペア、EURGBP(ユーロ/ポンド)、USDCAD(米ドル/カナダドル)をポートフォリオに加えると、運用の安定感が増しますので、ぜひ検討してみてください。
それと9月から、トラリピに新通貨ペアのNOKSEK(ノックセック・ノルウェークローネ/スウェーデンクローナ)が追加されます。
ゆかてぃんさん ちょっと調べてみたんですけど、スウェーデンはEU加盟国、ノルウェーは非加盟国です。ただ、ノルウェーは非加盟国とはいってもEU寄りで、国としての信頼度は高い印象を受けます。だから、新興国通貨のように変な値動きをすることは少ないイメージです。
テクニカルで見てもここ10年はレンジ傾向ですし、下値もちゃんとあります。ただ、長期で見ると下落基調にはあるので、その下落基調の中のレンジをトラリピで狙っていけるんじゃないかと感じました。広めのレンジ設定なら十分チャンスがありそうです。
それでは最後に、これから投資、トラリピを頑張ろうという方たちにメッセージをお願いします。
ゆかてぃんさん FXは、株取引と比較して実は値動きが安定していますし、かつそれをレンジ通貨ペアに絞ってトラリピで運用すれば、初心者でも安心して取引しやすいと思います。トラリピからFXを始めて、チャートに興味を持っていただくっていうのもありなんじゃないでしょうか。また、トラリピは公式の動画で戦略が多く解説されているので、すごく参考になると思います。
(協力:マネースクエア)