投資信託の募集形態は「単位型」と「追加型」が一般的ですが、「限定追加型」という募集期間に工夫を凝らした形態のファンドもあります。募集期間とは、投資家がそのファンドを購入できる期間のことです。
この記事では、限定追加型ファンドの概要やメリット・デメリット、円建て債券を投資対象にした限定追加型ファンドの債券種類別組入比率の傾向について解説します。
- 限定追加型ファンドは一般的な追加型ファンドと異なり、購入できる期間が限られる
- 多くの限定追加型ファンドは債券に投資。追加資金の流入がないため運用は安定的
- 劣後債を主な投資対象とするファンドが多く、利率は魅力だが運用期間は5年程度
限定追加型ファンドとは
限定追加型ファンドは、購入できる期間が限定されている投資信託です。
購入できる期間として「当初申込期間」と「継続申込期間」が設定されており、その期間が終了すると、そのファンドを購入することができなくなります。
例えば、2026年3月に新規設定されるSOMPOアセットマネジメントの『SOMPO円建て債券ファンド(限定追加型)2026-3』の交付目論見書の申し込みメモを見ると、
購入の申込期間
当初申込期間 2026年2月16日から2026年3月19日まで
継続申込期間 2026年3月23日から2026年3月31日まで
※2026年4月1日以降のお申込みは受付けません。
と記載されています。
追加型ファンド(一般的な投資信託)のように、運用期間中はいつでも購入はできません(申込受付中止日除く)。ただし、分配金再投資により上記期間外でも購入ができるファンドもあります。
また、単位型ファンドとの違いは「継続申込期間」がある点です。
| 単位型 | 申込期間のみ |
|---|---|
| 限定追加型 | 当初申込期間と継続申込期間 |
| 追加型 | 原則、運用期間中はいつでも(申込受付中止日除く) |
限定追加型ファンドは、信託期間(設定から償還までの期間)が5年前後のものが多く、投資対象は主に債券です。
限定追加型ファンドのメリット・デメリット
限定追加型ファンドのメリットとしては、
- 募集期間後の追加資金の流入がほとんどないため、安定した運用が期待できる
- 債券へ投資をする場合は原則持ち切り(債券が償還を迎えるまで保有)での運用をするため、価格変動リスクを抑えた運用が可能になる
といった点が挙げられます。
デメリットは、主な収益が債券の利子収入になるため大きな収益を期待できない点です。また、大半のファンドが運用期間を5年前後に設定しているため、NISA成長投資枠の対象商品外となる点もデメリットといえます。
ただし、ファンドの中には投資期間を5年1サイクルとして複数サイクルで運用し、信託期間を20年以上にすることで、NISA成長投資枠の対象商品になっているファンドもあります。
円建て債券で運用する限定追加型ファンドの傾向
円建て債券で運用する限定追加型ファンドの傾向として、劣後債の比率が高いことが挙げられます。
劣後債は、発行体(社債を発行した企業)が倒産や債務不履行になった場合、普通社債に比べ債務弁済順位が劣後される社債です。そのため、一般的に普通社債に比べ利率が高く設定されて発行されます。
また、劣後債は償還までの期間の長いものや、償還期限のない永久債として発行されますが、初回繰上償還可能日に償還することが慣例になっています。限定追加型ファンドでもその期間(初回繰上償還可能日)を参考に銘柄選定を行っています。
最近運用を開始した限定追加型ファンドの2026年2月のマンスリーレポートから、債券の種類別組み入れ比率を確認してみると、
- 円建グローバル公社債ファンド(限定追加型)2025-11(りそなアセットマネジメント、設定日2025年11月28日)では、劣後債84.5%、普通社債12.2%、国債1.5%、現金等1.7%
- しんきん円建て債券ファンド2025-12(限定追加型)(しんきんアセットマネジメント、設定日2025年12月26日)では、劣後債92.1%、普通社債5.1%、現金等2.8%
と、ほぼ劣後債で運用されています。
まとめ
劣後債への投資を検討するうえで、債券を投資対象にした限定追加型ファンドは選択肢の1つです。また、限定追加型ファンドは購入できる期間が限られるため、一般社団法人投資信託協会が公開している「新規設定ファンド等に関するデータ」などをこまめにチェックして購入機会を逃さないようにしておく必要があります。
以上、限定追加型ファンドの概要やメリット・デメリット、円建て債券を投資対象にした限定追加型ファンドの債券種類別組入比率の傾向などについて解説いたしました。


















