「個人年金は若い頃に始めるから効果があるのであって、退職を目前にしてあわてて始めても意味がない」
そんなふうに思っている方もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
50代からiDeCo(個人型確定拠出年金)を始めても、年金の掛け金に応じた節税効果を得られるからです。

掛け金は所得控除の対象。年間で万単位の節税も可能

iDeCoで得られる節税効果は大きく分けて2つあります。ひとつは運用で得られた利益が非課税になること。もうひとつが、掛け金が所得控除の対象になることです。
確かに50代からiDeCoを始めた場合、運用期間は10年程度となるので、元本を大きく増やすことは難しいかもしれません。それでもiDeCoを利用すべき重要なメリットが、この所得控除なのです。

たとえば、企業年金がない企業に勤めている会社員の場合、掛け金は最大で年間27万6000円(月2万3000円)。所得税と住民税の合計税率が20%の方なら、満額の27万6000円を掛けると、年間で5万5200円の還付金が年末調整や確定申告で戻ってきます。これを10年続けるだけで、合わせて55万2000円を得られることになります。

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運用を始めた時期によって受給できる時期も変わる

ただし、55万円を得られるのは50歳から10年間掛け金を積み立てた場合。2018年12月時点において、iDeCoでは年金を掛けられるのは60歳までと決められています。55歳から運用を始めた場合は、所得控除を受けられるのは最大で5年間となります。

年金を受け取れる年齢も運用期間によって変わります。企業型確定拠出年金とiDeCoの運用期間の合計を「通算加入者等期間」と呼びますが、この通算加入者等期間が10年以上であれば、iDeCoで積み立てた年金を60歳から受給できます。55歳から運用を始めた場合は63歳以降。期間が2年に満たない場合は、受給開始年齢は65歳以降と決められています(図表)。

【図表】iDeCoの通算加入者等機関と受給開始年齢の関係

通算加入者等期間 受給開始年齢
10年以上 60歳から
8年以上10年未満 61歳から
6年以上8年未満 62歳から
4年以上6年未満 63歳から
2年以上4年未満 64歳から
1月以上2年未満 65歳から

この表を見ると、やはり「早く始めた方が有利」という結論になってしまいます。それでも節税効果の大きさを考えれば、たとえ退職を間近に控えていたとしても、iDeCoを活用して節税の恩恵にあずかりたいところでしょう。

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