まんが家・リコたんと暮らす白い天使のようなビションフリーゼのハナちゃんは、金運をもたらすセレブ犬! ただし、このワンちゃん凶暴につき! 女の子なのに、スイッチが入ると怪獣と化す悪魔犬。相変わらずお部屋は荒らされ、髪の毛は引きちぎられ、散歩に出れば振り回され、飼い主としての面目丸つぶれ! 愛と信頼関係は成り立つのかと、ペット不信になりそうに落ち込んだけど、そのときに一筋の光が見えたのだワン! (あやせ理子=絵とお話 聞き手・文=だーま)
肉球から伝わる愛に、可愛さはプライスレスね!
こんにちワン! ビションフリーゼのハナちゃんです。
最近、リコたんは「おて」にはまっています。
「ハナちゃん、おてちょうだい」
で、リコたんの手のひらにポンと前足を乗っけると、
「きゃわいい」って抱きしめてくれるの。
だってぇ、ハナちゃんが「おて」を覚えるまでの道のりが長かったんだもの!
ハナちゃんは頭が良いので、リコたんがどうやったら遊んでくれるかを一緒に暮らし始めたときから、鋭い勘を働かせてマスターしたのですが、一方、困らせて翻弄することもすばやくマスターしていたのね。
締め切り間際の修羅場だろうが、ハナちゃんはお構いなく仕事場で大暴れ!
それでもって、アシさん(アシスタントさん)の足に噛みつくわ、壁紙をべりべり剝がすわ、畳をむしり取るわ、電源コードを引きちぎるわで、ほとほと参ったリコたんは、ハナちゃんを「犬のようち園」に通わせることに!
すると、ようち園でお友だちと遊んでは暴れまくって体力を発散させてくるので、お家に戻ってくると、疲れて爆睡するので、家が壊れることはなんとか寸止めできたのであります。
ほっとして一安心!
でも、しかし。何か物足りんのです。
そう、ハナちゃんは、「おて」ができなかったのです。
ワンコを飼ったら、自然に覚えると思ったのだけど!
うーん、何でだろう?
キャン!
それは、ワンコにも、ワンコの言い分がというのがあるのだワン!
リコたんに限らず、みんな「おて」期待するけど、そうは簡単に誰にでも、
「おて」なんかしないのだワン!
ワンコも、もとをたどれば野生のオオカミ!
大事な前足をそう、やすやすと誰にでも触れさせたりはしないのだワン!
前足を、誰かの手にのっけるという行為は、「信頼関係」の証なの。
ビションフリーゼは、ヨーロッパの王族に愛されたワンコだから、セレブの匂いのする御手手でないと、触る気にはなれないのだワン。
いえ、これ、ハナちゃんがタカビーだからじゃないのよ。
代々に受け継がれたDNAなんだワン!
先祖の先祖はオオカミにして、それでもって勇敢な狩猟犬にして、そしてセレブな生活をしてきた歴史があるから、仕方ないの。
いきなり、「おて」と言われても、前足が反射神経的に震えてイヤイヤしちゃう!
そんなこととは知らないリコたんは、悩んだ末に、犬のようち園の連絡帳にこう書きました。
「おてをどうやって教えるのでしょうか?」
すると、その日の夕方、ようち園から帰ってきたハナちゃんに、「おて」をしてみたら……!
なんと! いとも簡単に、前足をポンとリコたんの手に乗っけてくれました。
さすが、トレーナーさん! どうやってハナちゃんに一発で「おて」を教えたのでしょう?
それは、いまだ謎です!
でも、それはどーでもいいです。
「おて」ができたんだから!
あったかい!
気持ちいい!
なんだろう!
肉球のなんともいえない柔らかさと温かさが、リコたんのハートをわしづかみにした瞬間でした!
「おて」を覚えたことで、愛情と信頼関係が出来たって実感!
この感動は忘れられない出来事でした。
今までは、とことん翻弄されていただけにね。
もちろん!
ハナちゃんは、ちゃんと、リコたんの愛を受けとめてますってば!
でもね。そこで、また一個、リコたんに学んで欲しいのだワン!
マネー運を向上させるためにもね!