まんが家のリコたんと一緒に暮らすビジョンフリーゼのハナちゃんは、飼い主のリコたんの人生に劇的な変化をもたらす怪獣犬。ツンデレ女王さまに翻弄されまくって、あわやギブアップ寸前になりながらも、なぜか憎めない。むしろ日に日に増していく愛情に、人間性を鍛えられたリコたん。生まれながらのセレブ犬と暮らすってことで、人生観も変わってきて、リコたんにもセレブな生活を目指す意識改革が芽生え……。しかし、セレブになるって、単にお金儲けをすることではないということも、ハナちゃんは教えてくれます。(あやせ理子=絵とお話 聞き手・文=だーま)
ワンコは一番の話し相手になる?
こんにちワン! ビションフリーゼのハナちゃんです。
ところで、みなさん、一日中、家に引きこもって誰とも話さないってことありませんか?
一人暮らしでなくても、ハナちゃんの飼い主のリコたんにも、そーゆー時がありました。
ありました……というのは過去形です。
ハナちゃんと暮らすようになって、それはなくなりました。
犬のようち園に行ってる時間以外は、ハナちゃんはとにかく「かまってちょうだい」のツンデレ女王さま。
いやいや、今、締め切りの修羅場だから、とハナちゃんのことを後回しにしようものなら、さあ、大変!
びりりりり!
がりがりがり!
きゃああ、やめてぇ!
壁紙、張り替えたばかりなのに!
破かないで、ハナちゃん!
……てなことになります。はい!
でも、リコたんは、もう怒りません。
怒らなくなったのです。
だって、ハナちゃんの目を見たら、愛らしくて、愛しくて、あいあいあい!
もう、たまらないですぅ!
ワンコは人間の言葉がわかります。
一緒に暮らしていると、言葉を覚えて、ときどき、ハナちゃんも、しゃべります。
「ごあああああん!」て。
お腹空いたときはね!
ハナちゃんと暮らすようになって、リコたんは、おしゃべりさんになったと思います。
職業柄、仕事場にこもって漫画を描く作業は、基本、無口でOK。
アシさんとの会話も必要最低限だし、下手におしゃべりが弾むと、仕事がすすまなくて、困ったことになるし……。
でも、ハナちゃんがいると、そうもいかない。
ハナちゃんの存在を無視するわけにはいかないので、時折仕事の手を休めて、話しかけるわけで。
それが当たり前になると、お散歩に出かけても、外で友だちと会ってるときも、家で旦那ちゃんとくつろぐときも、常にハナちゃんがいて、ハナちゃんと、会話してるのね。
そして、一人でいる時間も常にハナちゃんがいるから、気がつくと、黙っている時間はほとんど、なくなりました。
でも、これって、人間生活の営みにとっても、大事なことなんです!