アメリカの株価指数「NY(ニューヨーク)ダウ」。ニュースなどで名前はよく見るけれど、その中身について説明できる方は少ないのではないでしょうか。NYダウを構成する企業(銘柄)と、その銘柄がどう変遷してきたかを紹介します。

NYダウは「5000社から選りすぐられた30社」

アメリカを代表する株価指数である「NYダウ」(ダウ・ジョーンズ工業株価平均)が、史上最高値を更新し続けています。日頃あまり経済関連のニュースを見ない方でも、インターネットのニュースやSNSのタイムラインでNYダウのニュースを見たという方は多いのではないでしょうか。

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ところで、NYダウとはどんな株価指数なのでしょうか?
かいつまんで説明すると、NYダウとは「アメリカを代表する30社の株価の平均」を示す指数です。
アメリカを代表する株式市場には「ニューヨーク証券取引所」と「ナスダック」があり、これらの上場企業数を合わせると5000社を超えます。その中で上位30社、割合にして1%未満の超優良企業だけが、NYダウを構成する企業に選ばれるというわけです。

NYダウの歴史は古く、1896年に12銘柄で指数の算出が始まりました。現在のように30銘柄となったのは1928年のことです。

誰がどうやってNYダウの銘柄を選ぶのか

NYダウを構成する30社は、市場環境の変化に応じて入れ替えが行われます。2000年以降は、平均すると1~2年に1社ほどの頻度で入れ替えが行われました。

NYダウを構成する30種類の株式の銘柄は、指数を算出しているS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスの「株価平均委員会」が決めています。企業の名声や実績、将来性、投資家からの注目度などを加味して選んでいるとのことで、売上高や時価総額などの明確な基準が設けられているわけではありません。

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この仕組みは、日本における日経平均株価とよく似ています。それも当然で、もともと日経平均株価は、NYダウの仕組みを参考にして作られた指数だからです。両者の大きな違いは、NYダウを構成する銘柄が30種類なのに対し、日経平均株価は225種類(そのため日経平均株価は「日経225」とも呼ばれる)であることです。

NYダウに採用された銘柄の変遷

NYダウには、どのような企業が採用されているのでしょうか?
過去30年間の、NYダウを構成する企業の変遷をたどってみました。

まずは現在の構成銘柄と、10年前の2010年時点の構成銘柄を比較してみましょう。

エジソンが創立した会社がNYダウを外れる

【図表1】2020年と2010年のNYダウ構成銘柄

2020年 2010年
3M 3M
アメリカン・エキスプレス アメリカン・エキスプレス
アップル AT&T
ボーイング ボーイング
キャタピラー キャタピラー
シェブロン シェブロン
シスコシステムズ シスコシステムズ
コカ・コーラ コカ・コーラ
ダウ(※) デュポン
エクソンモービル エクソンモービル
ゴールドマン・サックス バンク・オブ・アメリカ
ザ・ホーム・デポ ザ・ホーム・デポ
インテル インテル
IBM IBM
ジョンソン・エンド・ジョンソン ジョンソン・エンド・ジョンソン
JPモルガン・チェース JPモルガン・チェース
マクドナルド マクドナルド
メルク・アンド・カンパニー メルク・アンド・カンパニー
マイクロソフト マイクロソフト
ナイキ アルコア
ファイザー ファイザー
プロクター・アンド・ギャンブル プロクター・アンド・ギャンブル
トラベラーズ トラベラーズ
ユナイテッドヘルス・グループ クラフトフーズ・グループ
ユナイテッド・テクノロジーズ ユナイテッド・テクノロジーズ
ベライゾン・コミュニケーションズ ベライゾン・コミュニケーションズ
ビザ ヒューレット・パッカード
ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス ゼネラル・エレクトリック
ウォルマート ウォルマート
ウォルト・ディズニー・カンパニー ウォルト・ディズニー・カンパニー

太字は入れ替わった銘柄。
※ダウはデュポンとダウ・ケミカルの統合により発足

さすがはアメリカを代表する大企業。私たち日本人にとってもなじみ深い企業名が並びます。
特徴的なのはIT系の企業が多いこと。アップル、シスコシステムズ、インテル、IBM、マイクロソフトが該当します。化学や薬品関連の企業が多いのもアメリカらしいですね。
一方で、アマゾンやグーグルの名前がないのは意外な感じもします。NYダウがインターネット関連企業ばかりになると、さすがに偏りが大きくなりすぎるから、という判断もあったのかもしれません。

過去10年で入れ替わったのは6社。実は、そのうちの1社であるゼネラル・エレクトリック(GE)は、NYダウの算出が始まった1896年から1世紀以上にわたって採用され続けていた唯一の企業でした。発明王トーマス・エジソンが設立した会社を起源に持つGEは、2018年6月、薬局チェーンを営むウォルグリーン・ブーツ・アライアンスに取って代わられました。