1979年4月から1980年1月にかけてTV放送された『機動戦士ガンダム』には、ETF(上場投資信託)を理解するヒントが満載です。
「ガンハラ」という言葉をご存知ですか? アラフィフ社員が若手に対し、「うっわー、ガンダム知らね~の?」と小馬鹿にする「ガンダムハラスメント」の略です。皆さんの職場に、こういう面倒な上司がいないことをお祈りします。
しかし同じアラフィフの珍念は、ガンハラ上司の心情だけは理解できます。それまでのロボットアニメは、頭や胴体などのパーツが合体 → 決めポーズ → 必殺技 → 敵ロボット大爆発でチャンチャン♪と、「お約束」の展開が主流でした。
一方、今年放送40周年を迎えたガンダム。その後シリーズ化されたため「ファースト」とも呼ばれるこの作品では、主人公のアムロ・レイが属する連邦軍と対立するジオン軍は、「モビルスーツ」というロボットに乗り、戦闘を繰り広げます。
パーツ合体なし、決めポーズなし、必殺技なしのリアル路線。加えて、敵味方問わず、あらゆる登場人物が自分の意見を主張し、ときに親子、友人間、恋人同士、上司・部下で衝突します。先の読めない人間ドラマもガンダムの魅力ですね。
珍念のイチオシキャラが、ジオン軍のゲリラ戦のスペシャリストのランバ・ラル。立派なヒゲ、部下からの信頼は抜群、愛人クラウレ・ハモンは超美人と、まさに男が憧れる男です。
ランバ・ラル大尉が乗るモビルスーツは、青のベースカラーのボディが特徴の「グフ」。一般兵士用の「ザク」の改良機です。
「ガンダム」に乗った主人公アムロにランバ・ラルは吠えます。「ザクとは違うのだよ、ザクとは!」。くぅ~、カッコイイ! この言葉どおり、グフはガンダムを大いに苦しめます。
実は、個人向けの金融商品として注目度が高まっているETFの特徴も、ランバ・ラルの名セリフを使えば一言で説明できます。
「株とは違うのだよ、株とは!」
ETF(上場投資信託。Exchange Traded Fund)
日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)など、特定の指数に連動する運用成果を目指す投資信託の一種。預金と異なり、元本割れのリスクあり。証券会社を通じて売買する(銀行では取り扱っていない)
株式投資とETF投資の違い
●株式投資
個別の企業(銘柄)を選んで投資する。その企業の業績が悪化して株価が下がれば売却損をこうむる。配当金も減る恐れ
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「株」が一本釣りなら、「ETF」は船を使った巻き網漁
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●ETF投資
指数はさまざまな企業(銘柄)で構成されているので、1つの企業の業績が悪化して株価が下がっても、ETF自体の価格が下がるとは限らない=投資家として売却損をこうむるとは限らない
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どの株を買えばよいかわからない人には、ETFがピッタリ!
注目のETF
●TOPIX連動型上場投資信託(証券コード:1306)
東京証券取引所に上場しているETFのなかで最も純資産残高が多い、日本を代表する人気商品。TOPIXの日々の上下に連動する運用成果をめざす
●純金上場信託(証券コード:1540)
その希少価値ゆえ、世の中が不景気になると価格が上がりやすい金に連動する運用成果をめざす。金の延べ棒を持つ必要がないので管理の手間いらず
●NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(証券コード:1357)
日経平均株価が100円下がると、ETF価格が200円上がる仕組み(ダブル=倍。インバース=反対に)。日経平均株価が今後下がると思われるときに活用。逆に、日経平均株価が100円上がると、ETF価格は200円下がるので投資上級者向き
ETFの運用が上手くいったら、ガンハラ上司を飲みに誘いましょう。日本酒をつぎながら「生とは違うのだよ、生とは!」、タコの唐揚げをつまみながら「ゲソとは違うのだよ、ゲソとは!」と吠えれば、あなたの出世間違いなし?