レポート提供:ニッセイアセットマネジメント(2019年4月16日)

  • 4月15日の日経平均株価が約4カ月ぶりに22,000円台を回復。米株高や円安等が支援材料に。
  • 主要国の中で日経平均株価の回復は遅れ気味。予想PER(株価収益率)は比較的低水準。これから本格化する2019年3月期の決算内容によっては23,000円台回復を目指す動きに。

(1) 約4カ月ぶりに22,000円台回復

4月15日の日経平均株価は前週末比298.55円(1.37%)上昇の22,169.11円で引け、2018年12月4日以来、約4カ月ぶりに22,000円台を回復しました。米金融機関の2019年1~3月期決算が市場予想を上回ったことや中国の3月貿易統計で輸出の伸び(前年同月比)が市場予想を超え、先週末の米国株価が上昇したことが支援材料となりました。

2019年3月期の日銀短観によれば、大企業・製造業の事業計画の前提となっている2019年度の想定為替レートは1米ドル=108.87円です。円/米ドル相場が一時1米ドル112円台と円安方向に進み、輸出関連企業の業績が上振れするとの期待感も要因になったものと思われます(図表1)。15日の東証1部では年初来高値を更新した銘柄数が250と、1年3カ月ぶりの高水準となりました。

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【図表1】日経平均株価と円/米ドルレート
【図表1】日経平均株価と円/米ドルレート
出所:ブルームバーグ、ニッセイ基礎研究所のデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

(2) 日経平均株価の回復は遅れ気味

4月12日時点でNYダウが昨年10月3日につけた史上最高値(26,828.39ドル)にあと約416ドル、率にして約1.6%に迫る中、日経平均株価の回復は遅れ気味です。4月12日の水準は昨年10月3日時点に比べて約2,240円、約9.3%下回っています。中国やインド、豪州の株価はすでに上回り、インドは史上最高値近くの水準にまで上昇しています(図表2)。

【図表2】主要国株価の回復度
【図表2】主要国株価の回復度
出所:ブルームバーグ、ニッセイ基礎研究所のデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

(3) 日経平均株価の予想PERは依然低水準

4月15日時点の日経平均株価の予想PER(株価収益率)は約13.1倍と、予想PERが20倍を下回って推移し始めた2013年5月9日以降では比較的低水準にあり、また過去(2013年5月9日~2019年4月15日)平均値15.1倍を下回っています(図表3)。

【図表3】日経平均株価の予想PER
【図表3】日経平均株価の予想PER
出所:ブルームバーグ、ニッセイ基礎研究所のデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

(4) 日米貿易協定交渉が波乱材料に

回復ペースや予想PER水準等から判断して、4月15日時点の日経平均株価は依然割安な状態にあるものと思われます。今後本格化する2019年3月期決算に関して、市場では中国の景気鈍化等を背景に慎重な見方が多いようです。

日本企業の業績の底堅さを示す内容となれば、日経平均株価は次の節目である23,000円台を目指す動きになるものと思われます。なお、4月15日から開始されている日米貿易協定交渉が円相場の波乱要因となり、日経平均株価の値動きが荒くなる可能性もありそうです。

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