本格導入の前に考えておきたい対応策とは

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銀行口座の維持にコストが発生するからといって、銀行口座を全て解約してタンス預金にしようというのはあまり現実的ではありません。まずは、全ての口座に対して手数料がかかるのか、一定の条件がおかれるのかによって考えられる対処方法も変わってくることでしょう。

再び海外の例にはなりますが、全ての口座に対して手数料が徴収されているわけではないようです。預金残高が一定金額を下回っている場合に徴収されるというシステムがほとんどであり、日本での導入にあたっても、同様の措置がとられる可能性が高いと考えられます。

ところが、「銀行口座=無料」と考えていた私たち日本人の場合は、銀行口座の利用の仕方が海外とは異なる部分があります。無料だったからこそ、利用目的ごとにいくつかの口座を保有している方も多いのではないでしょうか。

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例えば、私の場合は、

・貯蓄用の口座
・交際費などの引き出し用の口座
・固定費やクレジットカードの引き落とし、振込用の口座

というふうに口座を使い分けています。

口座を分けることで、金融機関ごとの特色(振込手数料がかかりにくい、金利が比較的高い、ATMが多いなど)を活用できるというメリットがあります。同じように口座を分けて運用されている方の中には、もしかすると通帳を家計簿代わりにされているご家庭もあるかもしれません。

しかし、口座維持手数料が導入されるとなれば、口座の分け方を再検討する必要が出てくるでしょう。全ての口座に大きな金額が預けているとは限りません。必要なときだけ入金するような口座もあるのではないでしょうか。

口座維持手数料が導入されれば、例えば、少額しかお金を入れていない口座については、手数料の請求の対象となる可能性が高く、今までのような維持費が無料であることを前提とした口座の運用ではコストが高まると言えます。

いくつ口座を持っているか把握できているか?

もちろん、まだ検討段階であり導入が決定されたものではありませんので、現状としては今まで通りに口座を分けて利用していても問題はありません。ただ、利用予定のない口座が複数あったり、自分の口座がどこにあるかよくわかっていないという方は、金銭管理の面でも一度ご自身の口座状況を整理しておいた方がよいでしょう。

いざ、口座維持手数料が導入された際、数万円の口座があることを忘れていて、そのまま手数料が毎年差し引かれていくうち、預金がゼロになってしまうということも考えられます。
そして、合算するならどの口座にするか検討しておくことも大切です。

全ての金融機関が同じタイミングで導入するとは限らない

日本の金融機関画像

日銀の黒田東彦総裁より「(導入については)金融機関ごとの判断とする」との発言があったことからも、全ての金融機関が横並びで導入する制度ではないと考えられるでしょう。

導入タイミングについてももちろんですが、振込手数料などと同じように、金融機関ごとに金額や適用条件も異なる可能性が伺えます。例えば、店舗を持たないことで徹底的なコスト削減を実現しているネット銀行などでは、導入されない、もしくは低料金での導入という判断をすることも考えられます。

ネット銀行には比較的金利が高いなどのメリットもありますので、今まで利用していなかった方も、利用環境が整っていれば開設を検討されてもよいでしょう。

すぐに開設する必要を感じなければ、口座維持手数料が導入されてから各社の制度や手数料額を比較して決めるというのも一つの手です。

今まで馴染みのなかった口座維持手数料、決して今から慌てる必要はありません。導入される可能性も視野に入れて、自分の口座状況を改めて確認する機会をもってはいかがでしょうか。

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