長期積立投資の王道といえば、「ドルコスト平均法」。定期的に同じ金額を投資することで、平均購入価格と投資リスクを下げる投資方法です。今回はそんなドルコスト平均法が本当に有効なのかを検証するべく、様々な値動きを想定しながらシミュレーションしてみたいと思います。

  • 株価が下落し続ける相場では、ドルコスト平均法は効かない
  • ドルコスト平均法は、価格変動の大きい金融商品の方がより効果が期待できる
  • 投資中に価格が大幅下落をした時でも、冷静に対応しよう

価格があまり大きく変動しない場合のシミュレーション

まずは、価格があまり大きく変動しないケースについて見ていきましょう。下記の条件のもと、6つのパターンに分けてシミュレーションしてみます。

【シミュレーションの条件】
・投資金額は1回10,000円

・価格の上昇・下落ともに500円の幅で変動

・スタート時の価格は10,000円

・投資終了時点の投資元本は総額50,000円(10,000円×5回)

①価格が上昇し続けるパターン

投資開始~投資終了まで、価格が500円ずつ上昇していった場合、最終的に得られる金額は下記のとおりです。

〈価格の動き〉
①価格が上昇し続けるパターン
〈平均取得価格と合計株数〉
1回目 2回目↗ 3回目↗ 4回目↗ 5回目↗ 平均取得価格/
合計株数
価格 10,000 10,500 11,000 11,500 12,000 10,954
株数 1.00 0.95 0.91 0.87 0.83 4.56

投資終了時の資産額=54,720円(+9.4%)

購入株数は4.56株、平均購入価格は10,954円。投資終了時の資産額は54,720円(12,000円×4.56株)になり、投資元本を上回ります。

②価格が下落し続けたパターン

今度は反対に、投資開始~投信終了まで価格が500円ずつ下落していった場合をシミュレーションしてみましょう。

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〈価格の動き〉
②価格が下落し続けたパターン
〈平均取得価格と合計株数〉
1回目 2回目↘ 3回目↘ 4回目↘ 5回目↘ 平均取得価格/
合計株数
価格 10,000 9,500 9,000 8,500 8,000 8,944
株数 1.00 1.05 1.11 1.18 1.25 5.59

投資終了時の資産額=44,720円(-10.6%)

購入株数は5.59株、平均購入価格は8,944円。終了時の資産額は44,720円(8,000円×5.59株)となり投資金額を下回ってしまいました。

③はじめに価格が上昇した後、下落するパターン

次に、2、3回目の投資で価格が上昇したあと、4、5回目の投資では価格が下がった場合、つまり2回上昇し2回下落したときのシミュレーションです。

〈価格の動き〉
③はじめに価格が上昇した後、下落するパターン
〈平均取得価格と合計株数〉
1回目 2回目↗ 3回目↗ 4回目↘ 5回目↘ 平均取得価格/
合計株数
価格 10,000 10,500 11,000 10,500 10,000 10,387
株数 1.00 0.95 0.91 0.95 1.00 4.81

投資終了時の資産額=48,100円(-3.8%)

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購入株数は、4.81株、平均購入価格は10,387円。終了時の資産額は48,100円(10,000円×4.81株)となり投資元本を下回りました。

④はじめに価格が下落した後、上昇するパターン

今度は反対に、2、3回目の投資で価格が下落したあと、4、5回目の投資では価格が上がった場合、つまり2回下落して2回上昇したときのシミュレーションです。

〈価格の動き〉
④はじめに価格が下落した後、上昇するパターン
〈平均取得価格と合計株数〉
1回目 2回目↘ 3回目↘ 4回目↗ 5回目↗ 平均取得価格/
合計株数
価格 10,000 9,500 9,000 9,500 10,000 9,585
株数 1.00 1.05 1.11 1.05 1.00 5.22

投資終了時の資産額=52,200円(+4.4%)

購入株数は、5.22株、平均購入価格は9,585円。投資終了時の資産額は52,200円(10,000円×5.22株)となり投資元本を上回りました。

③の上昇→下落と、④の下落→上昇のパターンはともに、投資終了時(5回目)の価格は10,000円と同額になります。しかし、投資期間全体を通して購入できた株数の違い(③は4.81株、④は5.22株)により、終了時の資産額に差が出ていることがわかります。

⑤上昇・下落を交互に繰り返すパターン(下落スタート)

次に、価格が上昇と下落を繰り返すパターンを見ていきましょう。まずは「下落→上昇→下落→上昇」と、下落からスタートする場合です。

〈価格の動き〉
⑤上昇・下落を交互に繰り返すパターン(下落スタート)
〈平均取得価格と合計株数〉
1回目 2回目↘ 3回目↗ 4回目↘ 5回目↗ 平均取得価格/
合計株数
価格 10,000 9,500 10,000 9,500 10,000 9,794
株数 1.00 1.05 1.00 1.05 1.00 5.11

投資終了時の資産額=51,100円(+2.2%)

購入株数は5.11株、平均購入価格は9,794円。終了時の資産額は51,100円(10,000円×5.11株)となり、投資元本を上回ります。

⑥上昇・下落を交互に繰り返すパターン(上昇スタート)

今度は「上昇→下落→上昇→下落」と、価格の上昇からスタートする場合です。

〈価格の動き〉
⑥上昇・下落を交互に繰り返すパターン(上昇スタート)
〈平均取得価格と合計株数〉
1回目 2回目↗ 3回目↘ 4回目↗ 5回目↘ 平均取得価格/
合計株数
価格 10,000 10,500 10,000 10,500 10,000 10,194
株数 1.00 0.95 1.00 0.95 1.00 4.90

投資終了時の資産額=49,000円(-2.0%)

購入株数は4.90株、平均購入価格は10,194円。終了時の資産額は49,000円(10,000円×4.90株)となり投資元本を下回りました。

株価が下落し続ける相場では、ドルコスト平均法は効かない

平均購入価格 購入株数 資産価格 損益
① 上昇のみ 10,954 4.56 54,720 4,720
② 下落のみ 8,944 5.59 44,720 -5,280
③ 上昇後下落 10,387 4.81 48,100 -1,900
④ 下落後上昇 9,585 5.22 52,200 2,200
⑤ 下落上昇下落上昇 9,794 5.11 51,100 1,100
⑥ 上昇下落上昇下落 10,194 4.90 49,000 -1,000

以上6つのパターンで購入株数や平均購入価格、投資収益を見てわかることは下記の通りです。

  1. 「①上昇のみ」のケースでは、購入株数が少なくても損益はプラスになった。一方で、「②下落のみ」のケースでは購入株数が多くても収益はマイナスになり、ドルコスト平均法の効果が見られない
  2. 価格が上下する③~⑥のケースでは、「平均購入価格<5回目の価格」では損益がプラス、「平均購入単価>5回目の価格」では損益がマイナスになる

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