資産運用に興味があっても、初心者にとって株式投資のハードルは高いもの。本連載では、現役の証券アナリストが株式投資の魅力や付き合い方をやさしく伝えます。

  • 欧米企業に比べて日本企業のデジタル化は遅れていたが、DXが加速しつつある
  • 4月にはデジタル改革関連法案が衆議院で可決し、今秋にはデジタル庁が発足
  • DX支援を手掛けるチェンジとオプティム、動画配信のJストリームに注目

今秋にはデジタル庁発足、日本でもDXが加速

今回は、DX(デジタル変革)をテーマにした銘柄選びのお話をしたいと思います。

DXとはデジタル・トランス・フォーメーションのことを指します。DXの定義は様々ですが、経済産業省が2019年に策定した「DX推進指標」では、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」とされています。

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これまでも日本の企業はデジタル化による業務効率の改善や攻めのIT利用がさかんに唱えられていましたが、欧米企業に比べて導入のスピードは遅さが見られました。しかしコロナ禍によるリモートワークやオンラインサービスの利用が増えていることにより、日本企業でもDXの動きが加速しつつあります。クラウドシステムの進化により、SaaSと呼ばれる必要な時に顧客満足度の高いITサービスを利用しやすくなっていることも背景となっています。

さらに2021年4月にはデジタル改革関連法案が衆議院で可決し、今秋にはデジタル庁が発足します。脱ハンコなどの規制改革や自治体のシステムのクラウド化など行政においてもDXの動きが広がりつつあります。

企業・自治体の業務のデジタル化だけでなくAI(人工知能)マーケティング・製薬支援、製造業の現場改革などDXというワードが示す範囲は今日では非常に広いものとなっています。

そこでDXに関連したおすすめの銘柄を紹介していきます。

おすすめ① チェンジ(3962)

まずはチェンジをご紹介します。チェンジは、自治体や企業のDX化の支援・コンサルティングやふるさと納税サイトの運営を手掛けています。

最近のサービスの一例では、ビックデータ解析を用いた企業の従業員の離職率低下のためのコンサルティングや飛行用ドローンの業務利用の導入支援など、最新の技術を企業や自治体と結びつけるための橋渡し役として業績が拡大しています。リモートワークの企業の導入支援やオンライン研修などの分野でも需要が伸びています。

4月9日の終値は3710円で最低投資単位は100株なので、およそ38万円から投資できます。

おすすめ② Jストリーム(4308)

次にJストリームをご紹介します。Jストリームはイベントのオンライン中継や動画コンテンツのオンデマンド放送などを手掛けています。

企業や自治体が手掛けるウェビナーやWEB講演会なども多数開催されるようになり、大企業や自治体との取引実績も多いことから受注案件が増えています。エンタメ関連でもライブのオンライン配信などを行うアーティストが増えていることも追い風となっています。金融や保険業界においてもDX化が進んでおり、株主総会のライブ配信の受注が伸びを見せており、国内のオンライン動画配信システムでは市場シェアトップとなっています。

4月9日の終値は5410円で最低投資単位は100株なので、およそ55万円程度から投資できます。

動画配信サービスコロナ禍でオンライン動画配信システムの需要が急拡大している

おすすめ③ オプティム(3694)

最後にオプティムをご紹介します。オプティムは「ネットを空気に変える」というコンセプトで業種を問わず、様々な企業や消費者が最新のIT技術をまさに空気のように使いこなせるようにサポートしていくことを企業ミッションとしています。

具体的な事業の一例では、企業・自治体のスマートフォンやタブレットの一元管理・運用支援・サポート代行、AI(人工知能)を使用した遠隔監視サービスや店舗の混雑状況配信、ドローン・センサーを使用した無人農業支援などが挙げられます。この他にも様々な産業・業界と提携したDX支援を手掛けています。

4月9日の終値は2945円で最低投資単位は100株なので、およそ30万円程度から投資できます。

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