もし、つみたてNISAの損切りを考えているとしたら、ちょっと待ってください。つみたてNISAで資産を増やすためには、短期売買とは違った心構えが必要になります。価格が下がったときにどのような行動をすべきか、対処法をまとめました。損切りを決断する前に確認しておきましょう。

  • 理由その1 積立投資はタイミングを計って売買する投資ではない
  • 理由その2 つみたてNISAの損失は損益通算や繰越控除ができない
  • 理由その3 非課税期間は20年あり、回復を待つ時間があるはず

理由その1 タイミングを計って売買する投資ではない

損切りとは、値下がりした株式や投資信託をそれ以上の損失を防ぐために、取得価格を下回った価格で売却することです。値下がりした資産をそのまま持ち続けるとさらに損失が膨らむ可能性があるため、いったん損切りすることでそれ以上の損失を防げます。

個別株の場合は安くなったらまた買い直すという方法もありますが、つみたてNISAで投資信託を損切りすることはあまり推奨されません。なぜなら、積立投資はタイミングを見て売買する投資ではなく、時間をかけて育てる投資だからです。積立投資をやめる時に最終的に価格が上がっていればよいため、短期の価格の浮き沈みを過度に気にする必要はありません。

つみたてNISAで購入できる金額は年間40万円までとなっています。非課税投資枠を使い切ってしまった場合、その年はもう購入できないことも一般口座とは異なります。こうした理由から、つみたてNISAを使って短期的な売買を繰り返すのは得策ではないのです。

理由その2 つみたてNISAの損失は損益通算や繰越控除ができない

損益通算や繰越控除は、株式投資では欠かせない節税テクニックといえるでしょう。

損益通算とは、株式等の売買で得た利益と損失を相殺することです。一般口座で株式を売買すると売却益に20.315%の税金がかかりますが、もしその年に売却損を出した取引が他にあれば、その金額を売却益から差し引けます。このように利益と損失で打ち消し合うことで納税額を減らせるのが損益通算です。

繰越控除は、損益通算しても控除しきれない損失があるときに、次の年に損失を繰り越せる制度です。翌年確定申告する場合、年は違いますが損益通算が可能になります。

つみたてNISAで損失が出たとしても、通常の投資で認められている損益通算や繰越控除はできません。そもそもつみたてNISAは、長期運用で資産形成するための仕組みなので、損失を出して売却することが想定されていない点がその理由といわれています。

一般口座で株式等を運用する場合、損切りは損益通算によって納税額を減らす効果があります。しかし、つみたてNISAの場合は損益通算も繰越控除もできないため、損切りしても税制上のメリットがないのです。

理由その3 回復を待つ時間があるはず

つみたてNISAの非課税期間は20年もあります。非課税期間の終わりが近づいてきても損失が出ていれば損切りを検討する余地もありますが、運用を初めて数年という段階ではまだまだ回復を待つ時間の余裕があるはずです。

20年は長い
0歳の赤ちゃんが成人するほど20年は長い。回復のチャンスがきっとあるはず

むしろ、値段が下がっているときは安くたくさん仕込めるチャンスと考えるべきです。長期の積立投資の醍醐味は、安いときにたくさん買い、高いときには少しだけ買うことで、結果的に平均取得価額を下げる「ドル・コスト平均法」の恩恵を受けることにあります。

短期的な値動きに振り回されず「下がったらたくさん買えてラッキー」程度に、気持ちの余裕を持って積立投資を実践したいものです。

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