iDeCoの積立金の拠出方法には、月払いと年払いがあります。これらの拠出方法の違いは、単純に頻度が多いか少ないかという点だけではありません。それぞれにメリット・デメリットがあり、活用方法によっては最終的な積立金額にも影響が出てきます。自分の投資スタイルに合う方法を選び、効果的に資産形成していきましょう。

  • iDeCoの積立金の拠出方法には「月払い」と「年払い」の2種類がある
  • 月払いのメリットは時間分散、デメリットは手数料負担と余った拠出枠
  • 年払いのメリットは拠出枠を効果的に使える点。デメリットは時間分散できないこと

iDeCoのおさらい

まずはiDeCoの基礎知識を簡単に確認しておきましょう。

iDeCoは「個人型確定拠出年金」のことで、60歳までなら基本的に誰でも利用できる資産形成方法です。加入者自身の判断で投資信託などの金融商品を買って運用し、将来受け取る年金の原資を増やしていくという仕組み。拠出した積立金は所得控除の対象になるうえ、金融商品の運用で得た利益には税金がかからないので、効率的な運用ができます。

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年金という性質上、60歳になるまで原則引き出しできない点をデメリットに感じるかもしれませんが、それ以上に税制優遇のメリットが大きく、誰でもできる資産運用として広く利用されています。

公的年金だけでは老後資金に不安が残る時代です。ぜひ早いうちからiDeCoを活用して資産形成をはじめましょう。

iDeCoはどう始める? 手順を分かりやすく紹介

iDeCoの月払いとは? メリット・デメリット

iDeCoの積立金拠出には「月払い」と「年払い」の2種類があります。まずは月払いのメリット・デメリットを確認しましょう。

月払いの一番のメリットは、時間を分散して投資できる点です。毎月同じ金額ずつ積み立てるため、価格が高い時に一気に買い付けてしまうリスクを避けながら、安いときは多く、高いときには少なく買い付けられます。

iDeCoの引き落とし日は毎月1回、決まった日に固定されているので安いタイミングを狙って買い付けることはできません。毎月決められた日にコツコツ積み立てていく仕組みを作りたい人は、月払いが向いているでしょう。

毎月払いのイメージ
積立投資の仕組みを作りたい人は、月払いのほうが向いている

次に、月払いのデメリットを確認していきましょう。

月払いの場合、毎月の拠出額を月5,000円以上1,000円単位で設定します。一度決めた拠出額は年に1回しか変えられないため、年間拠出限度額まで余裕があり「ボーナス月や特定の月だけ多く拠出したい」と思っても、毎月設定した金額しか拠出できないということが発生します。よって、未使用の拠出枠が出たとしても、月払いの場合は使わなかった枠を繰越すことができない点がデメリットです(年払いは、未使用の拠出枠を年内に繰越が可能)。

また、iDeCoの拠出には手数料が発生します(国民年金基金連合会の手数料毎月103円×12カ月)。

元本保証型の商品はほとんど値上がりが期待できないため、毎月積み立てにすると手数料でマイナスになることも考えられます。元本保証型商品中心の人は、手数料負担の少ない年払いでの拠出がおすすめです。

iDeCoの年払いとは? メリット・デメリット

毎月拠出でなくても、年1回以上の拠出になるようにまとめて拠出ができます。例えば「半年分ずつまとめて払う」「ボーナス月に増額して支払う」など、利用者の都合にあわせてフレキシブルな拠出計画が組めることから、月払いよりも効率的に拠出枠を使い切れることがメリットだといえるでしょう。

年払いの場合は使わなかった拠出枠を年内に繰り越せるため、半年払いにして1回目の拠出後に余った枠があれば、その分を2回目の拠出枠として利用できます。ただし、余った枠があっても、翌年に繰り越すことはできないので注意してください。

また、年払いでは数カ月分の拠出を一気に行うため手数料が安く済みます。元本保証型商品中心の人は、なるべくコストを抑えるために年払いにするとよいでしょう。

年払いのイメージ
コストを抑えるのであれば、年払いを選ぼう

年払いのデメリットとして挙げられるのは、安いときに多く買い、高いときに少なく買える積立投資の効果、いわゆる「ドル・コスト平均法」の効果が月払いに比べて弱くなることです。

まとめ

月払いが向いている人は「積立投資の効果を期待する人」「毎月同じ金額で拠出できる人」です。逆に年払いが向いている人は「月によって拠出できる金額が変わる人」「コストを抑えたい人」というのが基本的な考え方です。

iDeCoは毎年利用できる拠出限度額が決まっているため、節税効果を有効に活用するためにも、自分に合った方法で限度額を有効に活用しましょう。

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