資産形成の近道は小型株にあり──。「小型株集中投資」を実践する気鋭の投資家・遠藤洋さんに、今からでも始められる小型株投資の極意を教えていただく連載。第2回は、数ある投資手法の中でなぜ「小型株集中投資」を推すのか、その理由と根拠を語ります。

  • 会社の本質は時価総額。株価だけを見ても、企業の本当の価値はわからない
  • 小型株は時価総額の伸びしろが大きい、投資家にとって「いい企業」
  • 小型株集中投資は銘柄選びなどの手間はかかるが、少ない元手でも大きく増やせる

会社の本質は株価ではなく時価総額で見る

遠藤洋
遠藤 洋
投資家
投資コミュニティixi主宰

「小型株」とは、ひとことで言うと「時価総額が小さい株」のことです。時価総額を簡単に説明するなら、株を発行している会社をまるごと買ったときの価格のことです。

どこまでが小型株で、どこから中型株・大型株と呼ぶかについてはいろいろな考え方がありますが、僕はひとつの目安として、日本市場においては時価総額が300億円以下の企業の株を「小型株」に分類しています。

株式投資をしている人の多くは、株価ばかりに目を向けがちです。実際に雑誌や新聞を読んでも株価の数字やチャートしか載っていないことが多いようです。僕は時価総額を見なければ、会社の本当の中身や価値を測ることはできないと考えています。

株価は、たとえるなら千切りされたキャベツのひとかけらで、時価総額はキャベツ1個のことです。ひとかけらの大きさは切り方によっていくらでも調節できますし、どれだけキャベツのかけらを眺めていても、元のキャベツが大きいか小さいか、キャベツそのものの価値はわかりません。それと同じで、会社の本質を知るためには、千切りにされた株価ではなく、刻まれる前の時価総額全体を見なければいけないのです。

キャベツの千切りと株価・時価総額

投資家にとっていい会社=時価総額の伸びしろがある

株式投資で成功するために必要なただひとつのこと。それは、「いい会社」を選んで投資することです。問題は、何をもって「いい会社」と判断すべきか。世間一般で言われる「いい会社」と、投資家にとっての「いい会社」は全く違います。

世の中的に「いい会社」といえば、名前を聞けば誰でも知っているような大企業のことです。
日本を代表するような大企業なら、確かに売り上げも利益も大きく、経営は安定しているかもしれません。しかし、そうした会社の株を買ったとして、投資家は本当に十分なメリットを得られるのでしょうか?

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投資家にとっての「いい会社」とは、今はまだ無名だけれど、これから大きく成長する会社のことです。時価総額の伸びしろが大きければ大きいほど、それが投資家にとってのメリットとなり、利益につながります。

たとえば、時価総額100億円のA社と、1000億円のB社という2つの会社があったとします。時価総額が2倍になるためには、A社はプラス100億円分の価値を世の中に提供すればいいのですが、B社は1000億円分の価値を生み出さなければ2倍になりません。

時価総額が2倍になれば、(発行済み株式数が同じなら)株価も2倍になります。A社とB社、どちらの株価が2倍になりやすいかといわれたら、圧倒的にA社ですよね。これが、僕が小型株を推す理由です。

小型株と中型株

年5%ずつ増えればいいか、数年で10倍を目指すか

投資信託のインデックスファンドやETFで、株式市場全体に投資するのも、ひとつの投資手法です。投資先を自動で選んでくれるロボアドバイザーを使う手もあるでしょう。小型株集中投資は、これらの投資手法とは「目的地」と「時間軸」が違うという認識です。

インデックスファンドは、たとえるなら自転車を使って、東京から北海道まで旅をするようなものです。目的地には確実に近づきますが、そのスピードはゆっくりです。これに対して、小型株集中投資は日本を飛び越えて、ニューヨークまで一気に飛行機で移動するイメージです。

今ある資産を投資で10倍にしようと考えたとき、インデックスファンドだけでは、おそらく生きている間に達成するのは難しいでしょう。ところが小型株集中投資なら、うまくいけば3年くらいで資産の桁が1つ上がりますし、10年後には2桁変わることもあり得ます。

ただし、小型株集中投資で成功するためには、銘柄の選び方や売買のタイミングなど、投資について学ぶ時間が必要になります。僕が一方的に「この銘柄がいいですよ」と教えて、そのとおり実践したとしてもなかなかうまくいきません。投資する人が自分で会社の中身や商品を調べて、経営者がどういう人かを調べたうえで、自己責任で判断しなければいけません。他人任せでは成功しないのが株式投資です。

勉強をする若い人
株式投資で成功するには、投資について学んだり、銘柄を選ぶために企業情報を調べたりする手間はどうしても必要

一方、インデックスファンドやロボアドバイザーなら、投資に関して学んだり考えたりする必要は、個別株への投資に比べれば圧倒的に少なくてすみます。その代わり、投資信託やサービスを仲介する金融機関に高い手数料を払う必要があります。資産が増えるスピードも緩やかです。

すでに潤沢な資産があって、それを元手に年間5%くらいの利益を目指すのであれば、インデックスファンドやロボアドは有効な選択肢だと思います。しかし、20代や30代の会社員は、そもそも投資する元手が少ない人がほとんどだと思うので、数年間で最低でも2~3倍、できれば10倍を超える「テンバガー」を目指したいところです。

次回からは、小型株集中投資の銘柄選択のポイントについて説明していきます。