長期間資産運用を続けると、相場全体が下落する局面に出くわすことがあります。例えば、2008年に発生したリーマン・ショックでは、日本の主要株価指数である日経平均株価が50%以上下落するなど、大暴落を起こしました。相場全体が下落する局面では多くの人が損失を抱えますが、損失回避や利益をあげる方法もなくはありません。本記事では相場全体が下落する局面で利益をあげられる「信用取引」や「空売り」について解説します。

株式の個別銘柄を「空売り」できる信用取引

株式投資で利益を得るためには安いときに買い、高いときに売ることが基本です。例えば、一株1,000円の銘柄を1,000株(100万円)購入し、1株2,000円になったところですべてを売却すると、100万円の利益を上げられます。通常の株式投資では、株式が値上がりするときだけしか利益は得られません。

しかし、信用取引では「空売り」をおこなうことで、株の下落局面でも利益をあげることが可能です。信用取引では実際には保有していない株式を証券会社から借りて、売却することができます。

通常の株取引では「買いから入る」ことになりますが、信用取引では「売りから入る」ことができるのです。売りから入る取引のことを「空売り」や「信用売り」と呼びます。

信用取引では売りから入った株式をどこかで買い戻して返却する必要があります。例えば、1株2,000円の株式を100株空売りして、1株が1,000円になったところで買い戻し、返却することができれば100万円の利益を出すことが可能です。

一方で、予想に反し株式が2,000円から上昇した場合は、空売りをおこなった時点の価格よりも高い価格で買い戻すことになるため、損失を抱えることになります。

空売りを活用することで、通常の株式取引とは異なる値動きの運用ができます。空売りを活用することで、相場全体が下落する局面でも、大きく利益をあげられるチャンスが生まれます。

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株価指数の先物取引も「売り」から始められる

株式の信用取引と同じように、株価指数に連動する一部の金融商品も「売りから入る」ことが可能です。代表的な株価指数に連動する日経225先物日経225miniという商品は、先物取引を行うことで売りから入ることができます。

先物取引の基本的な考え方は信用取引と同じです。厳密に言うと、先物取引は信用取引のように株式を借りるわけではなく、決裁を先送りにする手法になるため取引の方法は異なりますが、どちらも売りから入れるということを理解しておけばよいでしょう。

先物取引では指数に連動する商品を売りから入ることで、相場全体が下落する局面で利益を上げることが可能です。リーマン・ショックのような経済危機や、コロナショックのような社会全体に不安が広がることが予想される際に、先物取引を活用することで利益をあげることができます。

恐慌
株価指数の先物取引を「売り」から入ることで、経済危機を収益の機会にできる

他にも「オプション取引」と呼ばれる取引もあります。オプション取引は売りから入り、一定期間経過後に買い戻すか、権利を放棄するかを選択できる取引です。選択権がある分、手数料も高くなってしまいます。オプション取引は上級者向けの取引手法になるため、必ずしも利用する必要はないでしょう。

取引には専用口座が必要。手数料にも注意

通常の株は証券会社で口座を開くことで取引が行えますが、信用取引や先物取引では専用の口座を開く必要があります。信用取引や先物取引は仕組みが複雑で、大きな損失を抱えることもあるため、口座開設時に取引の仕組みについてよく説明を受けるようにしましょう。

また、信用取引では株式を借りる際、「貸株料」と呼ばれる手数料が発生します。先物取引では売りから入った後に買い戻す期日が決まっているなど、通常の株式とは異なる独自ルールがあるため、よく理解しておかないと損失を抱えることにもなりかねません。

信用取引や先物取引は、ルールをよく理解して利用することが重要です。