「つみたてNISAを始めたいけど、どんな銘柄を選んだらいいか分からない……」そのようなときには、アクティブファンドとインデックスファンドの2つの軸から銘柄を絞っていくのがひとつの手です。本記事ではアクティブファンドとインデックスファンドのそれぞれのメリットやデメリット、有力銘柄を紹介します。銘柄選びの参考にしてください。

  • 2021年11月時点で、つみたてNISAの対象商品は201本
  • 市場平均より高いリターンを目指す積極運用なら「アクティブファンド」
  • コストを抑えた運用を志向するなら「インデックスファンド」

つみたてNISAの対象商品は201本に

つみたてNISAの投資対象商品には制限があると聞き、限定的な選択肢しかないイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。しかし、つみたてNISAはそれほど銘柄が少ないわけではありません。

2021年11月29日時点でつみたてNISAの対象商品は201本あり、どれも金融庁の厳しい基準をクリアしたものです。質の良いファンドが200以上あるということは、個人投資家にとって十分な選択肢といえるのではないでしょうか。

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【図表】つみたてNISA対象商品の分類
  国内 内外 海外
公募投信 株式型 41本 13本 47本
資産複合型 5本 86本 2本
ETF 3本 4本

参考:金融庁ホームページ つみたてNISA対象商品の分類(2021年10月25日時点)

積極的に運用するならアクティブファンド

ここからは、つみたてNISAで銘柄を選ぶポイントを紹介していきます。

市場平均より高いリターンを目指し、積極的に運用したい人は「アクティブファンド」を選びましょう。

アクティブファンドとは、株価指数などが示す市場平均よりも高い運用成果を目指す投資信託のことです。ファンドマネージャーが独自の調査に基づいて組入銘柄を選ぶため、ハイリターンが期待できる分、コストも高くつきやすいという特徴があります。

ここでは、代表的な3つのアクティブファンドを紹介します。
(ファンドの情報は2021年10月末時点の各社資料より作成。信託報酬は消費税込み)

ひふみプラス

  • 運用会社:レオス・キャピタルワークス
  • 投資対象:国内外の上場株式
  • 運用コンセプト:成長が見込まれる割安銘柄に、長期的な目線で投資する
  • パフォーマンス:+39.78%(3年)
  • 信託報酬:1.0780%(純資産総額500億円まで)

セゾン 資産形成の達人ファンド

  • 運用会社:セゾン投信
  • 投資対象:国内外の上場株式
  • 運用コンセプト:長期投資を哲学に運用している投資信託証券に投資し、長期的な資産形成を目指す
  • パフォーマンス:+61.90%(3年)
  • 信託報酬:1.35%

結い2101

  • 運用会社:鎌倉投信
  • 投資対象:国内の上場株式、未上場株式
  • 運用コンセプト:社会の持続的発展に貢献する企業の中でも、割安と思われる銘柄に投資する
  • パフォーマンス:+12.4%(3年)
  • 信託報酬:1.10%

紹介した3つの投資信託の中では「結い2101」のパフォーマンスがもっとも低くなっています。このファンドは組入銘柄の社会性を重視するとともに、ゆっくりと安定した運用成果を目指すスタンスで運用されていることがその理由かもしれません。アクティブファンドは人間の手で組入銘柄が選ばれているため、投資哲学に共感できるファンドをぜひ選んでみてください。

コストを抑えたいならインデックスファンド

運用にかかるコストを節約したいなら、インデックスファンドを選びましょう。

インデックスファンドは、株価指数などと連動した運用成果を目指す投資信託です。市場の動きにあわせ機械的に銘柄の入れ替えが行われるため、運用コストが低いというメリットがあります。ただし、市場平均以上の運用成績は期待しづらい点はデメリットといえるでしょう。

ここでは、つみたてNISAでよく選ばれているインデックスファンドを3つ紹介します。
(ファンドの情報は2021年10月末時点の各社資料より作成。信託報酬は消費税込み)

たわらノーロード 先進国株式(たわらノーロードシリーズ)

  • 運用会社:アセットマネジメントOne
  • 投資対象:海外株式
  • 運用コンセプト:MSCIコクサイ・インデックスに連動する投資成果を目指す
  • パフォーマンス:+71.57%(3年)
  • 信託報酬:0.10989%

iFreeNEXT NASDAQ100インデックス(iFreeシリーズ)

  • 運用会社:大和アセットマネジメント
  • 投資対象:海外株式
  • 運用コンセプト:米国NASDAQ100指数に連動する投資成果を目指す
  • パフォーマンス:+133.1%(3年)
  • 信託報酬:0.495%

野村インデックスファンド・日経225(野村インデックスファンドシリーズ)

  • 運用会社:野村アセットマネジメント
  • 投資対象:国内株式(日経平均採用銘柄)
  • 運用コンセプト:日経平均株価(日経225)と連動する投資成果を目指す
  • パフォーマンス:+37.6%(3年)
  • 信託報酬:0.44%

3種類のファンドを紹介しましたが、いずれも対象となる株価指数が異なるため、パフォーマンスの単純比較はできません。ファンドを決める際は、対象の指数が同じファンドの中でパフォーマンスと信託報酬を比較するといいでしょう。なお、インデックスファンドには特定資産に投資するタイプと、複数資産に投資するバランスタイプがあることも頭に入れておいてください。

証券会社によって取扱い商品は異なる

つみたてNISAで購入できる投資信託は、すべて金融庁の厳しい審査を通過した商品です。極端に質の悪い商品ということはありませんので、どの投資信託を選んでもある程度安心して投資を始められます。

ただし、金融機関によってつみたてNISAの取り扱いラインアップは異なります。人気商品の場合でも取り扱いがない金融機関もあるため、慎重に検討しましょう。これから口座開設する人は、投資したいファンドの取り扱いがあるか調べてから金融機関を選ぶことが大切です。

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