テレビ、ラジオ、動画配信も含めて様々なコンテンツの台本や脚本を執筆する放送作家&脚本家が700人以上所属する日本放送作家協会がお送りする豪華リレーエッセイ。ヒット番組を担当する売れっ子作家から放送業界の裏を知り尽くす重鎮作家、目覚ましい活躍をみせる若手作家まで顔ぶれも多彩。この受難の時代に力強く生き抜く放送作家&脚本家たちのユニークかつリアルな処世術はきっと皆様の参考になるはず! 
連載第84回は、日本放送作家協会九州支部のライター、ONKOさんです。

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加齢なる……もとい華麗なる自分史

ONKOさんの写真
ONKO
放送作家
日本放送作家協会会員

東京在住中、公私共にお世話になったさらだたまこさん(日本放送作家協会の前理事長)から、リレーエッセイをお願いされた時、最初に頭に浮かんだのは「困ったなぁ~」でした!
なぜなら、あれも書きたいこれも書きたいと、次から次へと伝えたいことがあふれ出て、ひとつに絞れないと思ったからです。
どうしても書きたい!ことがありすぎるので、今回は自分のことを書いてみようと思います。

水への投資 世界的に不可欠な資源への投資機会 BNPパリバ・アセットマネジメント

小学生の頃、私は裁判長になりたいと思っていました。
体力ではどうしても勝てない意地悪な男子に勝つために、裁判長になってビシッと言葉(判決)で勝ちたいと本気で思っていました。

その後、「ペンは剣よりも強し」の言葉を知り、作家になるのが夢に。
大学は向田邦子さんと同じ女子大。向田さんは国文科ですが、私は家政学部。授業ではパリコレやミラノコレクション、オートクチュールといった見慣れないことを学びます。
そこで得た最大の学びは、「流行を作る人がいる」ということ。
仕掛け人がいるのですね。
来夏、どんな生地でどんなデザインでスカート丈の長さはどれくらいで、といったことが一年以上前に決められるのです。
そうしないと生地を作って裁断し縫製して、そうして出来上がったものを世界中の店舗に並べるのですから、ある程度の期間が必要なのです。自然発生的に何となく流行っているわけではないのですね。

流行を作る仕掛け人のイメージ
「流行を作る人」=「仕掛け人」がいる、ことを大学時代に学んだ

卒業後は、親戚が経営する医療機関で働き、その後、結婚して専業主婦としてセレブ?な日々を送っておりました。
郊外の戸建てに住み、外車に乗り、息子は私立の小学校、夫は世界各国を飛び回るエリート(夫は自分でそう言っていた)。絵にかいたようなしあわせな生活も、離婚して九州の実家に帰ることになり、一転して貧乏な生活に
その上、シングルというだけで不動産屋さんは部屋も貸してくれないどころか、ぞんざいに鼻であしらわれ相手にもしてもらえません。

賃貸に住むことは難しいと悟り、新築分譲マンションを現金一括で購入
この時、保険や預貯金全部解約して一銭も残らず購入資金につぎ込みました。
なんて無謀な!と思われたかもしれませんが、健康な体があればなんとかなると体験から学びました。

その後、いろいろあって10年間住んだマンションを、購入した時と同じ値段で売却することに成功。
次に隣町の新築マンションを現金購入したくとも、全く足りなかったのですが、心理学セミナーで学んだ引き寄せワークを試しにやってみたところ、思いもしないところから多額の金員が手に入り、無事購入。
必要なものは必要な時にちゃんと入るようになっていると実感しました。

仕事の方は、作家になりたい夢が実現し、ラジオドラマや構成台本を書かせていただいたり、市川森一先生ご健在の時は、諫早図書館シナリオ講座のお手伝いをさせていただいたりと楽しいライター生活を送っておりました。
一方で反抗期の息子たちに悩み、心理学の資格を取り、スクールカウンセラーやセラピストとしての経験も貴重な財産となりました。

今、政治が面白い!

子どもたちも自立し、これからは社会に恩返ししたいと思っていた時に、コロナ騒動が勃発
すぐに収まると思いきや緊急事態宣言まで出て、緊急の言葉と矛盾した計画的なやり方に、今の日本はなんかおかしいと気付きました。
放送作家、脚本家、「家」の付く仕事に携わってきましたが、還暦近くになって政治家という仕事に、今、興味津々。

先月は国会見学ツアーに某政党の代議士と秘書さんに連れて行っていただきました。
まさにここが、今、日本で繰り広げられている社会現象のシナリオが書かれている発信地。
私たち庶民は政治に無関心でいられても無関係ではいられません
テレビやラジオを通して表現する放送作家から、現実社会を舞台にしたシナリオを描く政治家に好奇心が沸々と湧き上がって参りました。

日本の国会議事堂のイメージ
政治「家」という仕事に興味がわき、国会議事堂の見学ツアーにも参加(筆者撮影)

政治家への道のりに必要なのは弁が立つこと。
街頭演説のネタが尽きて困っているという候補者の話を聞いて、代わりに私が話したいと真剣に思いました。
あれも話したい、これも話したい、伝えたいことがたくさんある!と思った時、私は政治家になりたいのではなく、街頭演説をしたいのだと悟りました。
政治家の皆さま、演説のネタに困ったときはお呼びください。
医療、教育、放送、様々な現場で体験して参りましたので、ネタはいくらでもご用意しております。

次回は放送作家の清水東さんへ、バトンタッチ!

是非聴いてください!

日本放送作家協会九州支部、南のシナリオ大賞授賞式が11月に福岡で開催され、大賞作品はラジオドラマに制作して公開されます。

日本放送作家協会九州支部のホームページはこちらから

一般社団法人 日本放送作家協会
放送作家の地位向上を目指し、昭和34年(1959)に創立された文化団体。初代会長は久保田万太郎、初代理事長は内村直也。毎年NHKと共催で新人コンクール「創作テレビドラマ大賞」「創作ラジオドラマ大賞」で未来を担う若手を発掘。作家養成スクール「市川森一・藤本義一記念 東京作家大学」、宮崎県美郷町主催の「西の正倉院 みさと文学賞」、国際会議「アジアドラマカンファレンス」、脚本の保存「日本脚本アーカイブズ」などさまざまな事業の運営を担う。

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