資産形成の近道は小型株にあり──。「小型株集中投資」を実践する気鋭の投資家・遠藤洋さんに、今からでも始められる小型株投資の極意を教えていただく連載。第10回は、遠藤さんが自身の著書や雑誌の連載でも紹介した、「日本最大級のスポットコンサル」を自認する「ビザスク」(4490)に注目した理由を語ります。

  • ビザスクを実際に利用した人の良好な反応と、プラットフォームビジネスの将来性
  • 上場当時のビザスクの時価総額は100億円程度の小型株。上場時点で黒字化
  • 似たモデルの弁護士ドットコムやレアジョブとの比較でも伸びしろを期待できる

実際に使った人が「すごくいい」という反応

遠藤洋
遠藤 洋
投資家
投資コミュニティixi主宰

ビザスク(4490)に注目した理由はいくつかありますが、ひとつはビジネスモデルです。

ビザスクは「コンサルティングをしてほしい人」と「コンサルティングをする人」をマッチングするプラットフォームを運営しています。コンサルタントや経営者、弁護士など特別な知識や経験を持つ人が、アドバイスがほしい個人や業者に対して、たとえば1時間だけアドバイスを行うといった「スポットコンサル」がビザスクのサービスです。

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このプラットフォームモデルというビジネスは、投資家から高く評価されやすいのが特徴で、代表例としてアマゾンや楽天、メルカリなどが挙げられるように、時価総額が何千億円という規模まで成長する可能性を秘めています。

僕がビザスクを初めて見たとき、「これは需要あるな」という印象を受けました。
それを確かめるために、投資コミュニティのメンバーに聞いて見たところ、実際にビザスクのサービスを使ったことがある人が何人かいて、話を聞いてみると「すごくいい」という感想でした。

通常なら、コンサルティング会社と契約すると月に何十万か何百万というお金がかかりますし、そこまで専門家の知見を必要としないという人も多いと思います。「必要なときだけ、専門家にスポットで相談したい」というニーズは確実にあるでしょうし、実際に使った人の好感触を見て、これは伸びるのではと思いました。

ビザスクが上場したのは2020年3月で、上場当初の株価は1500円前後、時価総額は100億円ちょっとでした。2020年2月期の売上が10億円弱、経常利益は上場前から順調に伸びて黒字化していましたが、当時は1億円に満たない規模で、まだ小さい会社だったことも、ビザスクに注目した理由です。

【図表1】ビザスクの株価(上場来、週足)
ビザスクの株価(上場来、週足)

ビジネスモデルが似た他社と比較して考える

ビザスクと似たマッチングサービスを運営する会社に「弁護士ドットコム」(6027)があります。こちらは2014年12月に上場して、時価総額は一時、上場当時の10倍を超える2000億円に達しました。ただ、今は少し落ちて1400億円くらいになっています。
弁護士に特化した弁護士ドットコムがこれだけ成長するのなら、より広いジャンルの専門家を集めたビザスクも同じ規模まで成長できて、株価が10倍、さらには20倍を超える可能性があると、当時の雑誌の連載でも話題に上がっていました。

【図表2】弁護士ドットコムの株価(上場来、月足)
弁護士ドットコムの株価(上場来、月足)

ほかにビザスクに似たビジネスモデルとして、英会話のマッチングサービスを営む「レアジョブ」(6096)が挙げられます。こちらも弁護士ドットコムと同じく、時価総額が10倍近くに成長したあと、今は株価が下がっています。
ビザスクと比較すると、レアジョブの利用者は多くが一般消費者で、ビザスクを利用するのはビジネスを営む事業者という違いがあります。極端に言うと、たとえば英会話に2時間100万円を払う個人はいませんが、ビジネスであれば、一度の助言で何千万円単位の利益が増えるのであれば、2時間100万円の取引も成り立ちます。そう考えると、ビザスクの伸びしろは非常に大きいと考えました。

【図表3】レアジョブの株価(上場来、月足)
レアジョブの株価(上場来、月足)

このように、似たビジネスモデルで成功した他社と比較して「他社の時価総額がこれだけ拡大したから、この会社もここまで成長できる」という考え方は、いろいろな銘柄に応用できます。

ビザスクの株価は今年9月に高値を更新して、その後は上がったり下がったりしていますが、売上予想は2022年2月期で16億円、来期は37億円と、2倍以上の売上増を見込んでいます。
今のビザスクの時価総額は500億円を割っていますが、市場規模や他社との比較から1000億円は超える可能性は十分あると考えています。もしビザスクの時価総額が1000億円規模まで成長するとなると、株価も現在(2021年12月)の水準から2倍の伸びしろがあるということになります。

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