「将来のことを考えると、今のうちから資産運用を始めたい」「退職金を運用すべきかどうか悩んでいる」。初めて投資を考える人の背景には、さまざまな事情があることでしょう。そのようなときは、お金の専門家に相談するのもひとつの手です。本記事では、代表的なお金の相談先と、そのメリット・デメリットについて紹介します。相談先選びの参考にしてください。

  • 銀行、証券会社、IFAそれぞれに一長一短がある
  • 相談先を最初からひとつに絞る必要はない。複数の専門家に相談してみる

大切なお金のこと、誰に相談すれば?

これから資産運用を始める人は、信頼できる相談相手が欲しいものですよね。特に今まで貯金しかしたことがないという人にとっては、はじめの一歩がとても高いハードルに感じられることでしょう。

お金の話はとても個人的な内容になるため、友人や知人に相談するのは抵抗があるという人も多いものです。そこで本記事では、「お金のプロ」に絞って相談相手の候補を探っていきたいと思います。メリット・デメリットをまとめましたので、相談相手選びにお役立てください。

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銀行

銀行のメリットは、預金と投資を一元管理できることです。また、投資を行うことでATMが無料になる場合や、定期預金の金利優遇がある場合などもあります。

預金口座を開設している銀行なら、資産状況を銀行が把握できるため相談もしやすくなります。もともと口座がある銀行は、家や職場から近いなど、利便性が高い場合も多いでしょう。こまめに相談したい、とりあえず相談できる場所をひとつ確保しておきたいといった人には、銀行の身近さがメリットに感じられるはずです。

一方、銀行のデメリットは、銀行が注力している商品や系列会社の商品をすすめる傾向があることです。また、証券会社と比べると、取扱商品が限定的で、手数料もやや高い傾向があります。銀行には、個別株や社債の取り扱いがない点に注意が必要です。

銀行で相談するメリットとデメリット
メリット ・預金と投資を一元管理できる
・投資を行うことでその他サービスが優遇される場合がある
デメリット ・注力商品や系列会社の商品をすすめる傾向がある
・証券会社と比べると、手数料がやや高い傾向がある
・個別株や社債の取り扱いがない

証券会社

証券会社のメリットは、なんといってもその豊富な品揃えです。国内外株式、債券、投資信託、保険など、主要な投資商品で買えないものはないと思ってよいでしょう。

また、大手証券会社にはアナリストやエコノミストが多数在籍しており、個人投資家向けのレポートをこまめに配信してくれます。情報提供の量だけをとっても、本格的に資産運用を始めたい人にはおすすめです。

デメリットとしては、銀行と同様に注力している商品や系列会社の商品をすすめる傾向があることが挙げられます。担当者の意向に流されないためにも、投資家本人にある程度の投資の知識が求められるでしょう。

証券会社で相談するメリットとデメリット
メリット ・豊富な品揃え
・個人投資家向けのレポートをこまめに配信
デメリット ・注力している商品や系列会社の商品をすすめる傾向がある

IFA

IFAとは「Independent Financial Advisor」の略語で、独立系のフィナンシャルアドバイザーのことです。銀行や証券会社、保険会社のような金融機関から独立した立場にあるため、中立的な立場でアドバイスしてくれる点がメリットです。

また、小規模な組織が多く担当者の転勤も基本的に少ないため、同じ担当者から長期的なサポートが受けられます。IFAは金融商品の販売資格まで持っており、具体的な商品まで踏み込んだアドバイスをしてくれるのも、初心者にとっては安心できるポイントです。

デメリットとしては、IFAが日本ではまだ一般的でないため、金融機関に比べ探しづらいことが挙げられます。また、継続的な資産運用サポートを受けるために、手数料が発生する点もIFAの特徴です。

ただし、サポート自体で手数料を取るモデルということは、商品販売手数料に依存していないことの表れともいえます。よって、中立性を求める人には、IFAのような独立系の組織がおすすめです。

IFAで相談するメリットとデメリット
メリット ・中立的な立場でアドバイスしてくれる
・同じ担当者から長期的なサポートが受けられる
デメリット ・金融機関に比べ探しづらい
・継続的な資産運用サポートを受けるために、手数料が発生する

最初からひとつに絞る必要はない

投資初心者は、お金のことをどこに相談したらよいのか迷うかもしれません。しかし、投資の相談先をひとつに絞る必要はありません。相談先によって、まったく違ったアドバイスが受けられるかもしれないため、担当者との相性や利便性なども含め、総合的に比較して判断しましょう。

大切なお金のことですから、焦らずいくつかの窓口に相談してみて、自分に合う相談相手を見つけたいですね。

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