30代半ばの筆者、今年の健康診断で初めて便潜血で陽性が出て、大腸カメラ検査を受けました。大腸カメラ検査とはどういったものなのか、筆者の体験談をご紹介します。

  • 大腸がんの発見を目的とした便潜血検査と大腸カメラ検査
  • 大腸がんは自覚症状がないため、早期発見には検査が欠かせない
  • 今回の検査費用はおよそ5400円。40歳以上は怖がらずに検査してみる

※今回ご紹介するのは個人の体験談です。検査についての詳細や不明点は各医療機関、検査機関へご相談ください。

大腸がんの早期発見にも繋がる検査

そもそも、便潜血検査と大腸カメラ検査とは、どういったものなのでしょうか。改めて見ていきましょう。

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便潜血検査とは、その名の通り、便の中に血が混ざっていないかを調べる検査です。2日分の便を検査キットで採取して行い、2日分のいずれかまたは両方で陽性が出た場合には要精密検査を受けることになるようです。便潜血で陽性が出た後は内視鏡を肛門から入れて大腸内を確認する、大腸カメラ検査を受けるのが一般的です。

国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録) によると、日本人の罹患数が最も多いのは大腸がんとなっており、この2種類の検査はその発見を目的とした重要な検査です。しかし、オリンパス株式会社「胃・大腸がん検診と内視鏡検査に関する意識調査白書2021」によると、便潜血で陽性になった場合でも14.4%の人が「自覚症状がなかったから」などの理由で精密検査を受けずにいるとのことです。

大腸がんは早い段階では自覚症状がないため、早期発見には検査の受診が必要だそうです。筆者も特に自覚症状などはありませんでしたが、不安を取り除くためにも検査を受けることを決めました。

大腸カメラ検査を受ける前の準備の流れ

まず、健診結果で便潜血の陽性が分かった後、かかりつけ医を受診し、近隣の総合病院への紹介状を書いてもらいました。そして後日、総合病院で医師の問診と検査の予約をし、そして検査当日に飲む腸管洗浄剤を受け取って終了。この日は薬代など含めて1,500円程度の支払いとなりました。検査はこの日から1カ月後に決まり、それまでは通常どおり過ごし、検査前日から準備開始となりました。ちなみに、便秘気味の人は検査数日前から便秘薬を飲んで便通がある状態にしておくと、当日が楽になるようです。

トラリピインタビュー

検査前日は、消化の良いものを食べるように指示されます。例としては食パンや素うどん、雑炊などが良いようです。基本的には何も具のないものが勧められており、特に海藻やきのこ、葉物や根菜などは翌日に腸内に残ることもあるので、避けるのが良いとされています。筆者は楽をしたかったので、スーパーなどで販売しているパウチのおかゆを3食分購入しました。その他、お茶や水を多めに摂取するようにし、夜になったら錠剤の下剤を飲みます。

検査当日は、あらかじめ受け取っていた腸管洗浄剤を午前中に飲み終え、腸をきれいな状態にします。この腸管洗浄剤は最低1リットル、便が透明にならなければ最大で2リットル飲まなくてはいけません。癖のある味で飲むのに苦労したため、少し濃いめに入れた紅茶で口の中をリセットするようにしていました(検査当日も、水や砂糖の入っていない紅茶や緑茶は飲んで良いとのことでした)。腸管洗浄剤を飲み終え、便が透明になったのを確認したら、腸の中のガスを消すための錠剤を飲み、以降は水分だけ取ります。

濃い目の紅茶のイメージ
「検査当日は、腸をきれいにするため腸管洗浄剤を最低1リットル飲む必要があります。飲むのに苦労したため、濃い目の紅茶で口の中をリセットしていました」

大腸カメラ検査の流れと費用

検査直前は、まず検査専用の服に着替えることになりました。上は羽織るタイプでお尻辺りまですっぽり隠れる検査着を、下は下着を脱いだ状態で、使い捨ての不織布製ズボンを履きました。このズボンにはお尻の辺りに切れ目が入っており、検査をそのまま受けられるようになっておりました。ズボンを下ろしたりする必要がない分、検査時の露出も最小限だったので、恥ずかしさを感じずに済みました

着替えの後には痛みを抑えるための点滴を受けながら、検査台へ横向きに寝ます。内視鏡を入れる際には、力を抜いて呼吸を止めないようにするのが良いようです。点滴の効果もあってか、カメラを入れる時も痛みは感じませんでした。モニターで実際の大腸の様子を見せてもらいながら受け、異常が無ければその旨を伝えられて検査は終了。着替えなども含めた所要時間は、30分かからないくらいでした。

大腸がん検査のイメージ
「異常が無ければ検査は終了。所要時間は、30分かからないくらいでした」

点滴には痛みを抑える効果に加えて、うとうとしたような状態になる効果もあるため、効果が切れるまで1時間程休憩をしてから帰宅となります。その日は念のため、自転車や車などの運転はしないようにしなくてはいけません。検査当日は出来る限り、別の予定は入れない方が良いでしょう。

検査費用はおよそ5,400円でした。検査中に異常が見つかり、処置を受けた場合にはこれにさらに追加費用がかかると考えられます。

40歳以上の人は大腸がん検診の定期受診を!

準備や費用もある程度必要にはなりますが、検査に痛みはほぼありませんでした。大腸カメラと聞くと身構えてしまうかもしれませんが、がんの早期発見には検査を受けることが大切です。便潜血で陽性が出たけれどそのままにしてしまっているという人も、怖がらずに受診を検討してみてください。

また、大腸がん検診自体を受けたことないという人も、自治体の行う対策型検診であれば数百円で受けられます。40歳以上の人には定期受診が推奨されていますので、定期受診をすると安心できそうです。

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