「長い人生のことを考えると、資産運用が必要なのかもしれないな」。この記事では、何となくそのように考えている人に向けて、資産運用が必要な理由をわかりやすく解説していきます。低金利、物価上昇、年金の減少などの問題も、賢く資産運用すれば乗り切ることは難しくありません。幸せな老後のために資産運用を始めましょう。

  • 預金も資産運用のひとつ。しかし低金利の現在は預金だけでお金は増えない
  • 低金利や物価上昇には株式・投資信託で備える。年金の減少にはiDeCoを活用
  • 株式や投資信託には値下がりのリスクがある。状況に応じた見直しが必要

「預金」と「資産運用」の違い

預金と資産運用にはどのような違いがあるのでしょうか。今まで給料を銀行に預けたことしかない人にとっては、資産運用は「よくわからない」というイメージが強いかもしれません。

資産運用とは、お金や株式、不動産など自分の資産を適切に管理して、価値を高めていく活動です。資産運用といえば株式や投資信託をイメージする人が多いかもしれませんが、預金も資産運用のひとつといえます。

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高度経済成長期には、預金金利が今よりずっと高く、銀行にお金を預けるだけでもお金が増えていきました。物価が上昇しても、それ以上に賃金の上昇や預金金利が大きかったために、株式などを使った積極的な資産運用を考える必要はなかったのです。

しかし、近年は預金金利がほとんどつかないため、預金だけでは資産運用として不十分になってしまいました。現代の資産運用といえば、もっぱら株式や投資信託などを使ってお金を増やすことを指すようになっています。

日本では急速に少子高齢化が進行し、年金だけを頼りにできるような情勢でもありません。平均寿命が伸びて引退後の期間が長くなっているのに対し、年金支給額は減少傾向にあります。幸せな老後を送るためには、早めに資産運用を始めて「自分の老後資金は自分で確保」することが重要です。

投資が必要
「老後2000万円問題」をきっかけに、資産運用を始めた人や、始めたいという人は確実に増えている

ここからは、「低金利」「物価上昇」「年金の減少」の3つの観点から、これからの資産運用について考えてみましょう。

金利が低い→株式や投資信託で利回りを上げる

今の日本は空前の低金利という経済環境ですので、銀行にお金を預けてもほとんどお金が増えません。普通預金金利でよく見かける0.002%という金利では、100万円を1年間預けても、利息はたったの20円で、税引き後に手元に残るのは15円です。仮に1億円預けたとしても1593円。これでは老後資金の形成など望めないでしょう。

金利が低くてお金が増えないのであれば、預金より高い利回り(元本に対する利益の割合)が期待できる株式や投資信託を購入し、配当金や分配金、値上がり益の利益を狙うのが現実的です。

物価が上がる→物価上昇に強い株式や投資信託を活用

日本の物価は全体では大きく変わっていませんが、ガソリンや一部の食料品など、10年前に比べると価格がおよそ1.2~1.8倍に上昇しているものもあります。一方で賃金は横ばいかやや減少の傾向があり、今後さらに物価上昇が進むことがあれば、私たちの生活はさらに厳しくなることが想像できます。

仮に物価が1.2倍になったとしても、預金金利が20%ついていれば資産価値の目減りが避けられますが、実際はほとんどゼロ金利が続いています。日本全体で物価が5%上がって、その間に収入が増えず預金金利もほぼゼロのままであれば、自分のお金が5%減ったのと同じことになります。

特に最近は物価上昇が著しく、このままインフレが続くとしたら、預金だけでは資産が目減りしてしまう可能性が高くなります。これを避けるためには、物価上昇とともに価格が上がりやすい資産に投資する必要があります。

スーパーマーケット
最近は食料品でも値上げや、価格はそのままで量が減ることが増えている

インフレに強い代表的な資産は株式です。ただし、個別銘柄には価格が暴落するリスクもあります。初めての投資なら、多数の銘柄に分散投資する投資信託を選ぶほうが、比較的リスクを抑えられるためおすすめです。

少子化で年金が減る→iDeCoや個人年金保険を活用

少子高齢化のトレンドは今後も長期的に続くでしょう。年金が減る可能性が高いなら、老後資金を自分で用意すれば対応できます。

老後資金の確保におすすめの方法は、つみたてNISAやiDeCoのような、非課税で長く続けられる積立投資です。つみたてNISAなら月1000円からでも積立を始められるため、投資初心者でも気軽に始められるのがメリットです。ただし、つみたてNISAの非課税投資期間は20年なので、若い方が老後資金を形成するなら、運用中の利益がずっと非課税になる個人年金制度のiDeCoはぜひ活用しましょう。

積立投資をしてもなお余裕があるなら、保険機能が付帯された個人年金保険を検討するのも有効です。

価格が下落するリスクに注意。投資先の見直しも必要

株式や投資信託は、預金より大きな利回りが期待できる反面、元本割れを起こすリスクもあります。例えば、世界的な不景気や恐慌の時に株式を持っていると損失が大きくなるため、状況に応じた投資先の見直しや資産の入れ替えも必要です。価格下落局面を活かす方法(インデックスファンドの積立投資など)もありますので、運用しながら自分のスタイルをつかんでいってください。うまく資産運用すれば、老後も資金的に余裕をもった生活が送れるはずです。

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