投資信託は、販売する金融機関によって取り扱っている種類や本数に大きな違いがあります。そのため、購入したい投資信託がある場合、どこでその投資信託を買えるのかを事前にチェックすることが必要です。投資信託のラインナップにあわせて販売会社を選択することも、資産運用を始めるときの重要な判断になります。

  • 金融機関によって、取り扱う投資信託のラインナップは大きく異なる
  • 投資信託の品揃えが豊富な大手ネット証券。限られた金融機関のみで扱う商品もある
  • 欲しい投資信託を取り扱っているかどうかで、口座を作る販売会社を選ぶ手もある

気になったあの投資信託が売ってない!

ネットや雑誌などで、購入してみたい投資信託を見つけても、その投資信託は必ずしも、普段取引をしている金融機関で買えるとは限りません。事前にどの金融機関ならその投資信託を買えるのか、チェックする必要があります。

日本には全部で6000本近い投資信託がありますが、この6000本をすべて購入できる金融機関はありません。証券会社、銀行、信用金庫など、投資信託を取り扱う販売会社ごとに、商品のラインナップにはかなりの違いがあります。

水への投資 世界的に不可欠な資源への投資機会 BNPパリバ・アセットマネジメント

購入してみたいと思った投資信託が、100社以上の金融機関で買える場合もありますし、1社でしか販売していない場合もあります。1社でしか販売していない場合は、もちろんその金融機関で投資信託の口座を開設しなければ、目当ての投資信託を購入できません。

ブティック
投資信託の中には「このお店じゃないと買えない」というものもある

商品ラインナップが広いのは大手ネット証券

長期の資産形成のために、あらゆる投資信託に分散投資したいと考えている方は、品揃えの多い金融機関の口座を開設するとよいでしょう。

商品ラインナップが広いのは大手ネット証券です。中でも業界最大手であるSBI証券と楽天証券は、群を抜いて幅広いラインナップを有しています。

証券会社以外では、規模が大きい銀行ほど幅広いラインナップを展開している傾向があるといえるでしょう。また、メガバンクはグループ内に投資信託の運用会社を持っているため、その運用会社の商品をラインナップとして展開しているのも特徴です。

例えば、三菱UFJフィナンシャル・グループの三菱UFJ銀行や三菱UFJ信託銀行では、同グループの三菱UFJ国際投信の商品を数多く販売しています。三菱UFJ国際投信には、低コストで世界のさまざまな資産に投資できるインデックスファンドの『eMAXISシリーズ』など、多くの個人投資家に支持されている人気商品があります。

低コストのインデックスファンドでは、みずほフィナンシャルグループの『たわらノーロード』(アセットマネジメントOne)や、三井住友信託銀行グループの『SMTインデックスシリーズ』(三井住友トラスト・アセットマネジメント)などもあります。普段取引のある銀行で、シリーズ展開をしているインデックスファンドを購入していくというのも選択肢のひとつとなるでしょう。

特定の金融機関のみで扱う投資信託もある

投資信託の中には、特定の金融機関のみで扱われている投資信託もあります。

例えば、投資対象を限定しているテーマ型の投資信託や、新興国の株式や債券に投資する投資信託のなかでも、通常は投資対象に選ばれにくいような対象に投資をしている投資信託は、購入する層がそれほど広いわけではありません。そのため、ごく限られた販売会社でのみ販売している場合があるのです。

他にも「ロング・ショート戦略」のように特殊な投資戦略を採用している投資信託も多くの金融機関で扱われず、限られた金融機関で販売されていることが多いようですが、大手ネット証券のラインナップには含まれる場合もあるので、気になる投資信託がある場合は、確認してみるといいでしょう。

また、さわかみ投信の『さわかみファンド』のように、投資信託の運用会社から直販でのみ購入できる投資信託もあります。同様に直販のみの投資信託として、『結い2101』(鎌倉投信)などがあります。

欲しい投資信託に合わせて販売会社を選ぶ手もある

投資を始める際には、もともと口座を持っている金融機関で口座を開設して、その金融機関で取り扱っている投資信託を選ぶという方も多いでしょう。

しかし、どうしても欲しい投資信託が出てきた場合に、口座を開設した金融機関でその投資信託の取り扱いがなければ購入できません。そのため、欲しい投資信託があるのであれば、その投資信託を販売している販売会社であらためて口座を開設することを検討してみてもよいでしょう。特にNISAやつみたてNISAの口座は1つの金融機関でしか開設できないので、欲しい投資信託を買える金融機関を選ぶことが重要になります。

今の時点で特に購入したい投資信託があるわけではない場合は、品揃えが多いSBI証券や楽天証券などの大手ネット証券が手堅い選択肢になります。株式の個別銘柄に投資しないのであれば、メガバンクや普段利用している銀行で口座を開設して、そこで取り扱う商品の中から投資信託を選ぶのもいいでしょう。

投資初心者必見! 投資信託を選ぶ6つのポイント

メルマガ会員募集中

ESG特集