今の時代、銀行に預金してもほとんど金利はつきません。預金のように元本保証で、なおかつ資産が増える方法がないかと思う方も多いことでしょう。本記事では、完全に元本保証ではないものの、ほとんど元本割れリスクがない資産運用の方法を紹介します。
- ほぼ元本保証の投資対象には個人向け国債、社債、貯蓄型保険などがある
- 個人向け国債の利率は年0.05~0.08%。社債や貯蓄型保険も利益は小さい
- 年1%以上のリターンを求めるなら、株式や投信などリスクを伴う投資対象を選ぶ
投資には値動きがつきもの。でも減るのは困る
投資にはリスクとリターンの関係があります。リターン(利益)を得たい場合は、それだけのリスク(値動き)も受け入れる必要があるということですが、投資が原因で大切なお金が減ってしまうのは困るという方もいらっしゃるでしょう。20年、30年後の老後基金を運用する場合は一時的にお金が減っても耐えられるかもしれませんが、急な出費に備えるお金であれば、できるだけリスクをとらずに運用したいものです。
投資に値動きがつきものとはいえ、できるだけリスクを避けて投資する方法もあります。まったくのノーリスクといはいかないものの、ほぼ元本保証といっても差しつかえない投資方法を紹介します。
ほぼ元本保証の投資対象3選
実質的に元本保証といえる低リスク商品を3つご紹介します。どうしてもリスクを避けたいという方は、以下の商品から検討するといいでしょう。
① 個人向け国債
個人向け国債とは、日本国政府が発行する個人向けの債券のことです。国が発行する債券なので、日本国政府が破たんしない限りは、必ず償還される(元本が戻ってくる)といってよいでしょう。ただし、低リスクである反面、利率も定期預金より少し高い程度です。
個人向け国債は最低でも年0.05%(税引前)の利率が保証されています。ただし、現状では「固定3年」が年0.05%、「変動10年」でも0.08%と最低水準に近い利率となっています。
発行後1年が経過すれば中途換金も可能なため、急な出費があっても現金化しやすいのは個人向け国債のメリットです。
② 地方債や日本企業の社債
国債よりも高い利率を期待するなら、地方債や日本企業の社債を検討しましょう。個人向け国債に比べると運用リスクはやや高くなりますが、利率はそれだけ高くなることが一般的です。債券によっては1%を超える高い利率も期待できます。
もちろん自治体や企業によっては破たんのリスクもゼロではありませんが、リスクをなるべく抑えるためには、信用格付けをしっかり確認して購入することが大切です。特に社債については、企業によって財務の健全性がまちまちなので、リスクを避けたい方には、高い確率で元本が戻ってくる大企業の社債がおすすめです。
③ 貯蓄型保険
貯蓄型保険とは、万が一のことがあった場合の保障と、貯蓄の2つの機能が合わさった保険商品です。貯蓄機能がある代わりに、掛け捨ての定期保険などと比べ、保険料は高めになっています。
貯蓄型保険は60歳や65歳までといった払込期間が設定されており、それを過ぎると解約返戻金(保険を途中で解約したときに戻ってくるお金)が払込保険料を上回る仕組みです。払込期間が終了してからの時間が長くなるほど解約返戻金と払込保険料の差が大きくなり、経済的メリットも大きくなります。
ただし、払込期間中に中途解約した場合は、解約返戻金が払込保険料を下回って損失が出ることもあるので注意が必要です。
リスクが低ければ、リターンも低くなる
ここまで紹介した投資対象は、元本割れする可能性はきわめて低いものの、近年の市場環境下ではわずかな利益しか期待できません。年間1%を上回るリターンを求めるなら、やはり株式や投資信託のようなリスクを伴う投資対象や、海外の資産にも目を向ける必要があるでしょう。
老後資金など先々のためのお金を運用する場合は、つみたてNISAなどの税制優遇がある制度を活用して、生活に影響がない小さな金額から、リスクを伴う投資に挑戦してみてはいかがでしょうか。