宮崎県延岡市で保険業や資産運用のアドバイスに携わる小田初光さんが、地方で暮らす生活者のリアルな視点で、お金に関するさまざまな疑問に答えます。今回は、30歳前後の若い夫婦が、老後資金や教育資金など将来の出費にどう備えればいいかをアドバイスします。ポイントは「税金」です。

  • 会社員がお金を蓄える際に重要な着眼点は「税金」。いかに税金を減らすか
  • iDeCo、NISA、つみたてNISAのそれぞれの非課税投資制度を夫婦で活用する
  • 将来の年金に備えるならiDeCo、教育資金に備えるならつみたてNISA

お金を増やすには「税金」に着目すること

【質問】
会社で退職金の代わりにと、積立(企業型確定拠出年金)をしてもらっています。おかげ様で出世(笑)と同時に掛金も増えて、順調に蓄えが増えているみたいです。最近2人目の子どもにも恵まれ、妻ともいろいろとお金について話をするようになりました。妻もパートで働いているのですが、銀行でNISA(少額投資非課税制度)などを勧められているみたいです。妻も何かしら投資をした方がいいのでしょうか? 私たち夫婦の将来のお金についての問題を、どう考えればいいのでしょうか?

今回は、直近でiDeCo(個人型確定拠出年金)についての相談を受けたときのお話です。

相談者のように、共働き世帯が多くなっているのが日本の現状でしょう。先々の不安を払拭するために、夫婦がともに働きながら子育てをしていく。これからさまざまなお金がかかることを考えると、懸命な判断とも言えます。
それに、お金のことを夫婦間で話せるのは、なんてうらやましいのかと思います。家族を大切に思っている証ですね。

さて、相談者の夫婦は今30歳です。年金給付開始までの約35年間で、「教育、持ち家、天災、突発的災害(新型コロナなど)、病気、老後」など、これから起こりえる「お金がかかる問題」のことを忘れてはいけません。

お金と言うと、「金、金、金うるさいわ~! サラリーマンは地道に真面目に働くしかないから、小遣いでも削りながらやっていくしかしょうがないじゃろ?」と返ってくる家庭もあるのではないですか? 確かにその通りかもしれません。でも少し考えてみてください。同じサラリーマンでも、ある「着目点」を意識しながら働いている人もいて、そしてお金を増やすことに成功している人もいるのを忘れてはいけません。この着目点があるかないかが、35年後には大きな差となり、資産の広がりとなります。サラリーマンにとって重要なその着目点こそが、高騰していく「税金」です。

最近の人気TVドラマで、先生が受験生である生徒に語り掛ける言葉に注目しました。勉強するように促すため、先生が受験生に大声で言った言葉。
言葉は過激でしたが、この国の現状(少子高齢化社会による税収不足)について淡々と話し、「普通に税金を払う国民」についても言及しました。普通?に税金を払えと。そう、だから勉強しろと……。逆に「税金を払いたくなかったら勉強しろ」というようなことも言いました。この言葉でどれだけの方が、ピンときたことでしょうか?

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学園ドラマ
「だまされたくなかったら勉強しろ」と、教師が受験生に熱く語る人気ドラマのひとコマ(写真はイメージです)

ピンとくれば、少なくとも、あなたは「準備ができている」ということです。日本で働く労働者が納める「税金」に着目しての言葉。なかなか増えない給与(手取り)を求めるより、納めすぎている税金を取り戻すことが、お金を増やすひとつの手でもあることを言いたかった発言だったのです。
私は、サラリーマンの皆さんも率先して1年に1回の確定申告を自分でする努力は必要かと思います。

「税金を取り戻す」方法はいろいろと考えられますが、今回は、国も推し進めている、合法的に節税をしながらお金を増やせる代表的な投資制度「iDeCo」「NISA」「つみたてNISA」について、今回は相談者である夫婦の例を参考にしながら、投資の優先順位や、初めての投資に対する夫婦での心構えなどを考えていきたいと思います。

夫婦でiDeCoとつみたてNISAを使い分ける

さて、投資の優先順位をつける前提として、今回の相談者はご主人が企業型確定拠出年金加入者で、掛金は全額企業が拠出しています。一部でも自分の負担(マッチング拠出)があればiDeCoとの併用はできませんが、企業側の規約が認めているのであれば加入できますので、企業型確定拠出年金に加入している会社員の方は確認してみてください。

今回の相談者は、iDeCoもオッケーという前提で、2人目のお子さまが誕生したので持家も欲しいということでした。
この前提のもとでiDeCo、NISA、つみたてNISAの優先順位をつけるとすると、どうなるでしょうか。私は、次のようにしてみてはとアドバイスさせていただきました。

夫(会社員) 妻(パートタイマー)
①iDeCo ①つみたてNISA
②NISA ②iDeCo
③つみたてNISA ③NISA

根拠としては、ご主人の企業型確定拠出年金は退職金をメインとした積立なので、将来の年金の積立ではないことです。掛金も企業側負担で、自分の懐が痛んでいるわけではありません。ご主人にとって、老後に向けたお金の運用は初心者であり、まだまだ老後を考える余裕があります。

同じように奥様も老後の準備が必要ですが、お二人に共通している課題は、子どもの教育資金と持ち家です。お子さまが進学し、最も教育費がかかる年齢までは約15~20年、家の購入までは5年以内と考えると、老後の準備と並行して、教育資金と持ち家の運用に迫られます。現在でもある程度の預金がありますが、不足することは目に見えています。

そこで今後の運用としては、ご主人は「60歳まで解約できない長期運用のiDeCo」をメインにして将来の年金を貯めながら、毎年の節税分の一部を小遣いとして使わせてもらう。そして奥様は、「いつでも解約できる長期運用のつみたてNISA」をメインにして、教育資金のための15~20年の運用をしながら、あとはタイミングによりますが、時には多少でも解約して自分のために使うことも大事かと思います。

持ち家の購入には夫婦で「中期・長期運用のNISA」で運用すると良いと思います(この間はつみたてNISAとの併用ができないので、つみたてNISAは家の購入後になります)。そして奥様も、もし余裕ができれば「長期運用のiDeCo」もしてみてはいかがですか?

……というアドバイスをしました。
投資は夫婦で楽しまないと長続きしません。投資で儲かったら、時にはおたがいにごほうびを贈ったりしなながら、「増えてよかった」を実感してください。

最後に、持ち家は必ずしも新築ではなく、中古のマンションも含めて検討した方がいいですよ? と付け加えさせていただきました……。

子どもの進学をきっかけに始める現物不動産投資

このように、ご夫婦で投資の優先順位を考えながら、今すぐ実行できることをやっていくと、それが先の楽しみにつながり、お金を通じて夫婦の会話も増えて、理想的な家族となりえるでしょう。お金について考えることで未来は開けるはずです。

(次回は6月4日を予定しています)