自身の状況に合わせて選べる3種類のNISA

“人生100年時代“という言葉もすっかり定着したいま、個人の資産形成を後押しするために様々な税制優遇制度がつくられています。なかでも代表的なものといえば、「NISA(少額投資非課税制度)」でしょう。
2014年に制度がスタートした当初は1種類しかなかったNISAも、2019年2月現在では「一般NISA」「ジュニアNISA」「つみたてNISA」の3種類に増え、下記のように自身の状況に合わせた投資スタイルを選べるようになりました。

●一般NISA
年間120万円までの投資が非課税になる。株や投資信託などへの投資が可能。
非課税期間は5年間で、対象は成人。

●つみたてNISA
年間40万円までの投資が非課税になる。
金融庁が積み立て投資に適していると判断した一定の投資信託への投資が可能。
非課税期間は20年間で、対象は成人。
一般NISAとの併用はできない。

●ジュニアNISA
年間80万円までの投資が非課税になる。株や投資信託などへの投資が可能。
非課税期間は5年間で、対象は未成年。

とはいえ、実際にNISAを活用している人はそんなに多くなさそう……というのが世間の正直な実感ではないでしょうか。
筆者の周りでも、「何かお得な制度があるらしいけれど、よくわからないし、面倒くさいし、今すぐに困るわけでもないし……」と、とりあえず様子見のムードが漂っています。

そこで今回は、NISAが実際にどのくらい使われているのかを調べるとともに、年代によってNISAの活用方法が異なるのかについてもチェックしてみました。

若い人ほど“つみたて派”

金融庁が2018年12月に発表した「NISA口座の利用状況調査」によると、2018年9月末時点のNISA口座開設状況は以下のとおりです。

【図表1】2018年9月末時点のNISA口座開設状況
【図表1】2018年9月末時点のNISA口座開設状況
出所:金融庁・総務省統計局のデータより編集部作成

NISA口座の開設状況は、一般NISAで約10%、つみたてNISAで1%、ジュニアNISAで0.1%と、決して多くはないけれども、まあ想像通り……といったところでしょうか。
各制度の仕組みの違いのほかに、一般NISAは2014年、ジュニアNISAは2016年、つみたてNISAは2018年と、スタートした時期が異なる点も口座開設の割合に差が付く要因になっていそうです。

続いて、年代別にNISAの保有割合をチェックしてみましょう。

【図表2】2018年9月末時点の年代別 NISA口座開設状況
【図表2】2018年9月末時点の年代別 NISA口座開設状況
出所:金融庁・総務省統計局のデータより編集部作成

年齢とともにNISA口座開設率が上がり、30代になるとおよそ10人に1人が何らかのNISA口座を開設していることがわかります。
そもそも投資にまわすお金がなければNISA口座を開くことも考えにくいことから、まとまった額の貯蓄ができる30代ごろからNISAを始めよう、という人が多いのかもしれません。
反対に、60代からは口座保有率が減少傾向に。定年退職を迎え、資産形成の時代から資産取り崩しの時代へと突入し始めるのがその一因でしょう。

最後に、すでにNISA口座を保有している成人が、一般 or つみたてのどちらのNISA口座を活用しているのかを年代別に調べてみました。

【図表3】2018年9月末時点の年代別保有NISA口座の種類
【図表3】2018年9月末時点の年代別保有NISA口座の種類
出所:金融庁・総務省統計局のデータより編集部作成

ぱっと見て、若い人ほどつみたてNISAの使用率が高くなっていることが分かります。

「若い人=最近NISAを始めた人=NISA口座開設の時点で、つみたてNISAが存在していた」
――というだけでなく、
「若い人=資産形成に長い期間をかけられる人=つみたてNISA向き」
――という思惑もあるのかもしれません。

かくいう筆者も、NISAは“つみたて派”。投資する銘柄を選定したり、日々の相場をチェックしたりするのが面倒くさいし難しそう……というのが主な理由ですが、一度設定してしまえば、あとは放置するだけで資産形成ができるのはとても便利です。

こんなズボラな運用しかしていない筆者でも、同世代(20代)のなかではクラスに2人いるかいないか……というレベルの、そこそこレアなNISA活用者。最もNISA活用率が高い60代でも、口座保有者はおよそ6人に1人です。
まだNISAを始めていない方は、ぜひ今のうちに口座を開設し、同世代の先陣を切ってみてはいかがでしょうか。