「老後は今ほどの年金受給額は期待できないかも」「もうすぐ退職だけど老後の資金が準備できてない」といった不安を抱える方も多いでしょう。老後に安心できる資金を準備するためには、どのような運用方法を選ぶのがベストなのでしょうか? 退職まで時間がある方と、もう退職金を受け取った方、それぞれのパターンで考えてみましょう。

  • 若い人はつみたてNISAやiDeCoなどの非課税制度を活用して投資で増やす
  • 積立投資では住宅ローンや、万一の事態に備える余裕資金との兼ね合いも大切
  • 退職金の運用は慎重に。ハイリスクな投資商品を避け、なるべく元手を減らさない

人生100年時代、2000万円問題……お金がかかる「老後」

「人生100年時代」という言葉があるように、日本人の平均寿命は年々伸び続けています。100歳まで生きることが普通という時代が来ることも、あながち冗談ではないかもしれません。そうなったときに気になるのが、老後資金の確保です。

寿命が伸びれば老後の期間が長くなり、生活に必要なお金も増えていきます。リタイアが65歳とすれば、100歳になるまで35年。公的年金だけでは不足する生活費を35年分、自分で用意しなければならないわけです。

老後にどれくらいのお金が不足するか試算した金融庁の報告書に端を発する「老後2000万円問題」も記憶に新しいところでしょう。日本は少子化が進み、公的年金の受給額が目減りしています。今後もこの傾向は変わらないことが予想されるため、老後資金を確保するための資産運用が、ますます重要になってくるのです。

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退職まで時間があるなら投資で増やそう

退職まで時間がある若い世代には、時間のメリットを生かせる積立投資がおすすめです。つみたてNISAやiDeCoといった資産形成方法を選べば、投資した利益が非課税になります。通常は運用益に対し20.315%の税金がかかるため(2021年4月時点)、これが非課税になるつみたてNISAなどの制度を活用することで、より効率的に資産を増やすことが可能になるのです。

老後資金の積み立ては分散投資でなるべくリスクを抑え、長期的に成長を狙える投資が理想的といえます。長期的な成長が期待できる株式や、株式を投資対象とする投資信託を中心にして、必要に応じて債券型や不動産型の投資信託などを組み合わせながら、コツコツ積み立てていきましょう。積み立てた期間が長くなるほど、複利効果で高い投資効果が期待できます。

ただし、老後資金の準備を心配しすぎるあまり、毎月の積み立て金を増やしすぎることも考えものです。手元に現金が残らないギリギリの金額で積み立てをしていると、急な出費に対応できなくなるといった可能性が想定されます。今の生活があっての老後なので、子どもの学費の準備や住宅ローンの返済、いざというときの余裕資金などとの兼ね合いを考えることも大切です。

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退職金などのまとまったお金は慎重に運用する

退職するまで資産運用を考えたこともなかった方が、退職金で資産運用デビューするケースもあります。しかし、このケースは特に注意が必要です。

営業のチャンスを狙う銀行などの金融機関の人が、退職金が口座に振り込まれたのを見て営業をかけてくることがあります。投資初心者は商品のよしあしや、手数料が高いか低いかを見極められないことが多く、金融機関の言うがままになりがちです。結果として、貴重な退職金の多くを、望ましくない商品購入にあててしまう方も少なくないといわれています。

金融機関との相談
金融機関がすすめる金融商品が本当に老後資金を運用するのにふさわしいか、自分自身で見極めることが大切(写真はイメージです)

退職金運用で重要なポイントは、なるべく元手を減らさないように運用することです。例えば、老後資金の中心となる大切な退職金を、ハイリスクな投資商品にまとめて投資して大きく目減りさせてしまう方もいます。そうならないためには、一時的な値下がりをどこまで許容できるかをよく考え、慎重な運用を心がけていきましょう。

退職金だけでは老後資金が足りないからといって、高リスクな運用を行って元本割れしてしまっては、さらに状況が悪化してしまいます。銀行などの金融機関がすすめる商品であっても、過去の値動きや手数料を確認するなど、慎重な見極めが必要なことを忘れないようにしましょう。