本来評価されるべき企業価値と時価総額の差分に注目!

しらこ
しらこ
最近の動画で2018年の夏ごろから保有銘柄変わっていないとおっしゃっていましたが、いまも同じですか?
井村氏
井村氏
ええ。ただ2019年に1銘柄追加していまは3銘柄保有しています。

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しらこ
しらこ
どんな銘柄ですか?
井村氏
井村氏
業種でいうと3つとも情報通信です。いわゆるSaaS(※)系の。いまはそういう銘柄に絞ってウォッチしています。
ソフトウェア産業は、大きくソフトウェアを開発・販売する会社と、ソフトウェアを実装や管理するSI系の会社とに分かれます。中でも僕が好きなのは、開発したソフトウェアをクラウドの形で販売するSaaS系の企業です。
※Software as a Service=クラウド経由でサービスを提供するソフトウェアのこと
しらこ
しらこ
それはどうして?
井村氏
井村氏
理論的には、一度ソフトを作ってしまえば、あとは原価がかからずに売るだけなのでどんどん利益率が上がっていきます。しかも、SaaSですと、今はやりのサブスクリプション型のビジネスになりますので、一度導入すると、解約が発生しない限り継続的に課金されます。もちろんソフトウェアをより使いやすく磨いていく必要はありますけどね。
一方でソフトの販売や実装、管理などを行ういわゆるSIer(エスアイヤー)は、営業とかエンジニアとか人がたくさん必要です。業績が良ければ、その分、人が必要になりますし、業績が悪いからといって簡単に解雇もできません。そういう労働集約型のビジネスはどこかで限界が来るのかもと思ってしまいます。
しらこ
しらこ
景気悪化の影響はどうでしょうか?
井村氏
井村氏
例えばクラウドで一度導入した会計ソフトを、景気が悪いからと辞めるわけにはいきません。ほかのソフトやシステムに乗り換えるというニーズは残るとは思いますが、景気が悪くなればなるほど、余程のことがないとそういう動きは鈍くなるのではと予想しています。
一方、SIerのほうは、一度稼働させたシステムを止められないのは同じですが、景気が悪くなると、ユーザー企業が新たに予定していたシステムの導入を縮小するとか、見送るとか、そういう動きが強まるとみています。
そうなるとSIerの売り上げは減りますが、人件費などは同じようにかかります。それで利益が減少するという悪循環になりかねません。
しらこ
しらこ
なるほど。なんかSaaS系企業に興味が出てきました。
では、銘柄選択で心掛けている点はなんですか?
井村氏
井村氏
本来的な企業価値と比べて株価が安い企業を買うことに尽きます。
株価の割高・割安を測る指標にPER(株価収益率)がありますが、ご存知ですか?

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しらこ
しらこ
あぁ、PERとかPBR(株価純資産倍率)とか。あと何でしたっけ?いろいろありますよね。ROE(自己資本利益率)とか。いつもゴチャゴチャになります。
井村氏
井村氏
PERは機能する指標なので注目したほうがいいと思いますよ。本来はPER30倍で評価されてもいい銘柄がPER10倍でマーケットに落ちていたとしたら、理論的には3倍の利益が取れる可能性があります。ですが、簡単にそういう銘柄が見つかるわけではありません。PERを評価の尺度として使うのが一般化されすぎているからです。
僕がSaaS系の銘柄を好きなもう一つの理由は、企業価値の算定方法がまだ浸透していない点にあります。SaaS企業は、PERでみるとほぼすべて割高なようにみえます。ですが、売り上げはまだまだ伸びており、ユーザーのアカウント数も増えている。3年後以降の利益を考えると、むしろ割安なのでは?なんて判断できる銘柄もあります。
SaaS系企業のバリュエーションは、売上マルチプル(EV/売上高)で算定することが世界的にスタンダードになってきていますが、このように、銘柄ごとに最適な評価方法を見つけることも、株式投資で収益を上げるのに必要なことだと思います。

気になった銘柄は、社長はもちろん、社員のツイッターもフォロー

しらこ
しらこ
これだと思った銘柄は、社長はもちろん、社員のツイッターもフォローするって聞きました。
井村氏
井村氏
フォローしますよ。いい会社かどうか判断するための定性評価の一環です。
しらこ
しらこ
なかなの粘着具合ですよね(笑)。
井村氏
井村氏
よくいわれます、しつこいって(笑)。
僕、大学生のとき「なっとう」てあだ名だったんですよ。茨城県の水戸市出身だから「なっとう」なのかと思ったら、ある時友人から「違う!しつこくて、粘っこいからだよ」っていわれました(笑)。

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