投資を始めるのに必要な、金融機関の取引口座。銀行と証券会社のどちらで口座を開設するか、迷っている人も多いでしょう。そこで今回は、銀行と証券会社の違いを解説するとともに、口座の開設方法についても紹介します。

  • 証券会社の方が取扱い金融商品の種類が多い
  • 銀行・証券会社ともに、金融機関によって取扱い商品のラインアップが異なる
  • 口座開設にはマイナンバー書類などが必要

証券会社の方が取扱い金融商品が多い

証券会社と、銀行を含む証券会社以外の金融機関では、取り扱える金融商品に違いがあります。

証券会社の取扱商品は、株式と債券、投資信託です。一方、銀行など証券会社以外の金融機関では株式を取り扱えないほか、債券と投資信託の中にも一部、取り扱えないものがあります。

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証券会社以外の金融機関では、債券では社債や外国債券、投資信託ではETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)の取引ができません。ですから、株式や外国債券等への投資を考えている人は、証券会社に口座開設する必要があります。

証券会社 証券会社以外
(銀行など)
株式 ×
債券
投資信託

ただし、個別の外国債券やREITへの投資を考えないのであれば、外国債券やREITを組み入れた投資信託への投資でカバーすることもできます。この場合、証券会社以外の金融機関も口座開設の選択肢に入ってきます。

  • 社債……トヨタやソフトバンクなどの事業会社が発行する債券のこと
  • 外国債券……①発行体が海外、②通貨がドルやユーロなどの外貨、③発行場所が海外、のどれかに該当する債券のこと
  • ETF(上場投資信託)……証券市場に上場していて、株式と同じように取引でき(指値や成行注文など)、4桁の証券コードが付いている投資信託のこと
  • REIT(不動産投資信託)……ETFと同様に証券市場に上場していて、株式と同じような取引でき(指値や成行注文など)、こちらも4桁の証券コードが付いています

証券会社で口座開設する場合の注意点

手数料の高い安いといった違いはあれど、上場株式やETF、REITなど上場している金融商品は、どの証券会社でも取引できます。ただし、ネット取引が可能かどうかは証券会社により異なります。

社債や外国債券については、証券会社によって取扱いラインアップが異なります。口座開設時点で購入したい商品が決まっていれば、その債券を取り扱っている証券会社を選ぶと良いでしょう。

投資信託も証券会社によりラインアップが異なります。自分が購入したい商品を先に決めて、購入時手数料等を比較しながら証券会社を選ぶのがおすすめです。

銀行など、証券会社以外で口座開設する場合の注意点

個別株式などには投資せず、投資信託のみでの運用を考えている場合なら、銀行など証券会社以外の金融機関も選択肢になります。

金融機関によっては証券会社よりも支店が多いので、窓口等で対面相談をしたい人に向いているでしょう。ただし、証券会社に比べて取扱商品を絞っている金融機関もありますので、商品ラインアップの確認が大切です。

また、将来、個別株式や外国債券などに投資したくなった場合には、新たに証券口座を開く必要があります。銀行によっては、証券会社とIFA(金融商品仲介業)の契約を結んでいるところもあります。詳しくは銀行のコールセンター等にお問い合せ下さい。

口座開設にはマイナンバー書類などが必要

ここからは口座開設の流れについて、証券会社とそれ以外の金融機関に分けて解説します。

証券会社の口座開設の流れ

【口座開設に必要なもの】

  • 本人確認書類(運転免許証、健康保険証、パスポートなど)
  • 印鑑
  • 振込先の預金通帳など口座番号がわかるもの
  • マイナンバーの確認書類

※その証券会社で初めての口座を開設する場合

  1. 証券会社から口座開設申込書を取り寄せ(店頭、ネット、電話など)、必要な内容を記入し、捺印後上記の書類とともに証券会社に郵送します。
  2. 証券会社は送られてきた書類をもとに、口座開設の審査を行います。審査をパスできれば、証券総合口座が開設されます。
  3. 最後に証券総合口座へ資金を入金すれば、株式や投資信託などの買付をスタートすることができます。(証券総合口座とは、銀行の総合口座(普通預金口座)のようなものです。証券総合口座では、MRFという投資信託で資金を管理します)
MRFについては、こちらの記事で詳しく解説しています↓

証券口座のMRFとは? MMFとの違いも解説

銀行など、証券会社以外での口座開設の流れ

【口座開設に必要なもの】

  • 本人確認書類(運転免許証、健康保険証、パスポートなど)
  • マイナンバーの確認書類

※すでにその銀行で普通口座を開設している場合

  1. 銀行などで投資信託の取引を行う場合は、「投資信託口座」の開設が必要になります。利用する金融機関で、まだ普通預金口座など(ゆうちょ銀行は、ゆうちょ総合口座(通常貯金))を開設していない場合、その口座も併せて開設が必要です。すでに普通預金口座を開設している場合は、口座開設申込書とともに本人確認書類とマイナンバー確認書類を提出して投資信託口座を開設します。
  2. 債券投資をする場合は、「債券等振替口座」の開設が必要です。開設に必要な書類などは「投資信託口座」と同様です。また、金融機関により口座の名称は若干異なります。

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