資産運用に興味があっても、初心者にとって株式投資のハードルは高いもの。本連載では、現役の証券アナリストが株式投資の魅力や付き合い方をやさしく伝えます。

  • 「脱炭素」「再生可能エネルギーシフト」関連は今年も盛り上がりそう
  • エネルギーシフトに加え、5Gの広がりも半導体の需要増を加速
  • 新型コロナの影響で出遅れた非製造業やサービス業の反騰にも注目

脱炭素、再生可能エネルギーシフトに脚光

2021年初の日本株相場は強気筋が優勢の展開でスタートしました。今回は2021年に注目されそうな投資テーマについて考えてみたいと思います。

テーマの柱として、昨年から本格化した「脱炭素」「再生可能エネルギーシフト」関連は今年も盛り上がりそうです。

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米国では、再生可能エネルギーへのシフトを公約とする民主党のバイデン新政権が誕生しました。日本においても菅政権による「2050年までに地球温暖化ガスの排出量を実質的にゼロ」にする脱炭素宣言を受けて、にわかに脱炭素への期待が高まっています。欧州や中国においても同様に環境意識への高まりが続いており、関連銘柄の物色は続きそうです。

一口に脱炭素と言っても銘柄のすそ野は広く、例えば電気自動車(EV)や水素エネルギーで駆動する燃料電池自動車などの自動車のエネルギーシフト、太陽光発電や洋上風力発電、バイオマス発電などの脱原発、脱石炭火力の発電システム関連などが思い浮かびます。

EVや燃料電池車では、自動車メーカーの中でもトヨタ自動車の評価が急上昇しています。洋上風力発電や水素エネルギーでは、三菱重工業や川崎重工業が新たな収益源として投資や業務提携などに動いています。再生可能エネルギー関連では、建設業のウエストホールディングスや再生可能エネルギー発電事業を手掛けるレノバなども物色されています。

再生可能エネルギーシフトの中で、省エネ技術や限りある電力をうまく使うためのインフラ整備もポイントになりそうです。2020年末、トヨタ自動車の豊田章男社長が述べた「夏の電力使用のピーク時に国内の自動車が全て電気自動車だった場合は、原子力発電所10基分、火力発電所で20基分が不足する」旨の発言が話題となりました。

そのため、AI(人工知能)などを活用して電力の流れを需要側と供給側で制御し、最適化するスマートグリッド(次世代発電網)の整備、電流の制御や変圧を司るデバイスであるパワー半導体への注目も高まっています。パワー半導体は、国内では三菱電機や富士電機などが事業として手掛けています。

次世代の高速通信規格である5Gの広がりも半導体の需要増を加速させるでしょう。テレワークの普及やインターネットショッピングの利用増といった新型コロナウイルスによる新たな生活スタイルにより、クラウドやデータセンターの利用が加速し、半導体の需要の増加につながっています。

ジョー・バイデン米国新大統領は積極的な環境政策を打ち出す見込みジョー・バイデン米国新大統領は積極的な環境政策を打ち出す見込み
Stratos Brilakis / Shutterstock.com

オンライン医療や学習、eスポーツにも引き続き注目

「非接触」「非対面」へのニーズは、オンライン医療やオンライン学習、eスポーツなどの活性化の期待を高めています。

教育現場で1人1台の情報端末の普及を進める「GIGAスクール構想」では内田洋行やタブレットのワコムなど、eスポーツでは「ストリートファイター」などの有力タイトルの知的財産権(IP)を保有するカプコンなどが再注目されると見ています。

新型コロナワクチンによる経済活動の再開に期待

首都圏を中心に緊急事態宣言が発令され、現状は新型コロナウイルスの感染拡大に対する懸念が高まっています。一方で、世界的な株高の期待を支えている要素の一つに、新型コロナワクチンによる経済活動の再開への期待があります。

これまで製造業やテクノロジー関連銘柄を中心に紹介しましたが、新型コロナの影響で出遅れている非製造業やサービス業の株価の反騰にも注目したいところです。昨年の夏以降に感染者数の拡大が一服した場面では、鉄道株やレジャー、空運株、居酒屋や外食チェーンなどのサービス業も大きく買われました。

日本でワクチンの接種が広がるのはまだまだ先ですが、株価は期待を先行して動くもの。海外発のワクチンを巡る報道などでも買われる場面はあると見ています。

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