「米国株の積立投資が鉄板」という人もいるように、米国株はこれまで成長を続けてきたため、それだけ持っていれば安心だと考えている人が案外多くいます。しかし、米国株の値上がりが今後も続くかというと、必ずしもそうとは言い切れない事情があります。資産の持続的な成長に向けて、米国株以外の選択肢を考えていく必要があるかもしれません。

  • 米国株式の成長率が落ちてくる可能性に備えておきたい
  • 新興国は人口増加に後押しされたGDPの拡大が続き、経済成長が期待される
  • 新興国の株式や債券に投資する投資信託は多い。値動きの大きさに注意

王道といわれる「米国株の積立投資」

時間をかけて確実に資産を育てるなら「米国株の積立投資」が定番だといわれます。具体的には、米国の株価指数(S&P500、NYダウなど)に連動する投資信託やETFへ積立投資することを指し、安定して高い成長率を維持してきた米国株には実績にもとづいた信頼感すらあります。

しかし、米国株は今後もこれまで通りの成長を続けるかについては、はっきりしない部分もあります。先進国の中にはすでに人口減少局面に突入し、生産力の源になる人口の増加が期待できない国があります。アメリカの人口増加率も鈍っており、将来的には人口減少に転じることもあるかもしれません。

経済力をはかる基準のひとつであるGDPは、人口増加に支えられる部分も大きいため、アメリカを含む先進国はこれまで通りの成長を続けることが難しいという見方をする人もいます。

とりあえず王道だからといって安易に米国株だけの積み立てを続けていると、将来的に十分なパフォーマンスが得られなくなる可能性があることを認識しておく必要があるでしょう。米国株の成長率が落ちてくる可能性を考えれば、今のうちから米国株以外の選択肢を考えておきたいところです。

新興国の株式や債券にも注目

米国をはじめとした先進国の経済成長が鈍化する中で、今後も高い成長率が期待できるものが新興国株式や債券です。新興国株式は値動きが激しく近年は米国株よりパフォーマンスが低いこともありましたが、やはり潜在的な成長力はあなどれません。新興国の中には人口が増加局面にある国が多く、それが経済成長の原動力を下支えしています。

新興国株式はコロナショックで大きく落ち込んだものの、その後の回復力には目を見張るものがありました。新興国の中で、特に経済成長を先導しているのが中国です。中国政府の迅速なコロナ対策や経済支援によって、製造業はコロナショック以前の水準まで回復し、今後もさらなる成長が期待されています。

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新興国株式や債券の投資対象としては中国、インド、ブラジル、南アフリカなどが代表的で、いずれも人口増加に後押しされたGDPの拡大が続いている状況です。それぞれの国の株式や債券、新興国全般に幅広く投資する投資信託はたくさん設定されているため、個人投資家でも気軽に新興国銘柄へ投資が始められます。

近年では信託報酬が低いインデックス型の投資信託も登場しているため、これまで米国株だけ選んでいた人は、米国株以外に新興国銘柄もポートフォリオに組み入れてみてはいかがでしょう。

上海
中国は近年では人権問題や米中関係の悪化などの問題が指摘されるものの、コロナ禍からの立ち直りも早く、経済成長率は相対的に高い

新興国の資産は値下がりのリスクに注意

新興国株式は米国株より値動きが大きい傾向があり、いったん下落局面に突入すると再度水準を戻すまでに長い時間がかかることもあります。コロナショックで株価が下落した際も、実際に先進国株より長い時間を要して価格を戻しました。現時点でも、多くの新興国で新型コロナウイルスの感染者数が増加傾向にあります。そのため、新興国銘柄を購入するときには、他の株式や投資信託とのバランスを取ることが欠かせません。

高い成長率が期待できるからといって、すべて新興国銘柄にしてしまうと、いざというときに値下がりした状態で投資信託を手放すことになり、大きな損失になってしまいます。新興国の資産は、今後米国株の成長率が下がることも想定し、それを補えるくらいの比率にとどめておくべきでしょう。資産全体のバランスを見ながら、米国株以外の有望な投資先として、ほどよく新興国銘柄を取り入れていくことをおすすめします。