資産形成の近道は小型株にあり──。「小型株集中投資」を実践する気鋭の投資家・遠藤洋さんが、今から始められる小型株投資の極意をお伝えする連載。第1回は、そもそも株式投資とは何なのか、なぜ株式投資をするのかという、投資の原点に関するお話です。

  • 投資とは「自分の資産をより増えそうな場所に置いておくこと」
  • 株式投資が怖いのは、未来がわからないから。会社を知れば投資の怖さは低減できる
  • 働きながら投資することで、仕事で得た一次情報を投資に生かす

お金を「増えそうな場所に置く」ことが投資の本質

遠藤洋
遠藤 洋
投資家
投資コミュニティixi主宰

株式投資で資産を大きく増やすためには、会社員をやめて独立して「専業投資家」にならなければいけないというイメージを持つ人も多いと思いますが、僕は会社を辞める必要は全くないと思います。その理由はあとでお伝えしますが、普段の仕事と並行して投資をする方が、投資のパフォーマンスが高くなると考えています。

そもそも、僕は「投資の本質」が世の中にあまり理解されていないように感じています。
僕が考える投資の定義とは、自分の資産をより増えそうな場所に置いておくこと。その場所を選ぶことが投資だと思います。

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たとえば、お金を銀行に預けて現金のまま置いておくことも、投資のひとつの形です。でも、ご存知のように今は銀行預金ではほとんどお金は増えません。
一方で、お金を株式に置くと、価格が上がったり下がったりという振れ幅があります。株価が上がればいいのですが、下がって損をしてしまうこともあります。株式投資が怖いというイメージを持つ人は多いですが、その気持ちはわかります。

銀行か株式か

僕は世の中のお金がどんなふうに回っているか、その全体像を理解することで、投資の怖さは軽減されると考えています。
皆さんは、銀行口座に預けたお金がどういう仕組みで回っているか、知っていますか?

預金は「お金を増やすチャンス」を銀行に差し出す

たとえば、僕が銀行に100万円預けたとします。預金者がもらえる金利は、今だと1年で10円くらいです。
そして銀行は100万円を預かると、「信用創造」の仕組みによって、1000万円をお客さんに貸し出すことをするわけです。1000万円を企業に貸したりローンを組ませたりして、平均して年5%の利子を得られれば、銀行には毎年50万円が入ってきます。ということは、預金者に利息として支払う10円を引いた、49万9990円が銀行の利益になるのです。

このように、僕らが銀行にお金を預ければ預けるほど、預けた先の銀行がもうかるような仕組みが作られています。
実際には銀行は手持ちのお金をすべて誰かに貸すのではなく、一部を日本国債などに投資しています。僕らが預けたお金で銀行が国債を買うくらいなら、自分で国債を買った方がよほど利益になりますよね。

銀行にお金を預ければ、「減らない」「元本割れしない」というメリットは確かにありますが、預金は自分のお金を増やすチャンスを銀行に差し出してしまう、という見方もできます。

株式投資が怖いのは、未来がわからないから

そして、株式投資がなぜ怖いかといえば、将来株価が上がるか下がるかがわからないからです。投資に限らず、人は「わからないもの」に対して不安や恐怖を抱いてしまうものです。
たとえば今の僕らが、10年前のアマゾン・ドット・コムに投資するのは怖くありません。10年後にどうなるか、答えを知っているからです。もし未来の株価を見ることができれば、誰も株式投資を怖がることはないでしょう。

株式投資が怖い理由

現実には、未来の株価は誰にもわかりません。それでも、今の会社が何をしていて、将来どこへ向かおうとしているのか。社長がどんな人で、商品やサービスに対してどういう思いがあるのか。その会社のサービスを利用している人はどう感じているのか。会社の中身を詳しく知ることができれば、会社の未来をある程度予測でき、投資に対する怖さは低減できるはずです。

仕事を通じて、会社や業界のリアルな一次情報を得る

そこで、働きながら投資をするメリットが生きてきます。仕事をしている人はビジネスの最先端にいるから、その情報がリアルタイムで入ってきます。自分が関わっている業界の、財務情報だけではないリアルな一次情報をもとに、どの企業が伸びそうか、感覚的にわかるようになるのです。

僕も株式投資を始めた頃は「怖い」という気持ちがありましたが、一般企業で働きながら株式投資を学び、投資先の企業の中身を知ることで、怖さは消えていきました。

一代で資産を築いた世界の資産家のほとんどは、株式投資でお金を増やしたという事実があります。株式投資で大きな成果を出している実例はたくさんあります。怖さを克服し、将来的に伸びる会社を見つけることができれば、その向こうには大きな成功が待っているはずです。

次回は、なぜ僕が「小型株集中投資」を勧めるのか、小型株投資の魅力についてお伝えします。

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