将来有望な日本企業が数多く上場している「東証マザーズ」という市場をご存知でしょうか。日本の代表的な企業が上場している東証一部とはまた違う魅力を有するのが東証マザーズ市場です。東証マザーズ市場の魅力や投資方法について解説します。

  • 東証マザーズ市場には高成長が期待できるベンチャー企業が数多く上場
  • 東証マザーズ市場への投資は『東証マザーズETF(2516)』などで可能
  • 応援したい企業を探して資金を投じ、中長期的な成長を見守るのも面白い

ベンチャー企業向けの東証マザーズ市場

東証マザーズ市場は「Market Of The High-growth And Emerging Stocks」 に由来する名称です。「High-growth」が示す通り、必ずしも成熟した企業だけではありません。東証マザーズ市場には高い成長力が期待できる企業が数多く上場しています。

2021年時点の基準では、東証一部に上場するためには株主数が800名以上、時価総額が250億円以上など厳しい基準が多くあります。そのため、東証一部に上場する企業はある程、成熟した大企業といえるでしょう。

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一方、東証マザーズ市場は株主数が150名以上、時価総額には審査基準がありません。東証一部に比べると東証マザーズ市場は審査基準が厳しくないため、比較的小規模のベンチャー企業でも上場することが可能です。

東証マザーズ市場に上場した多くの企業は、東証二部、東証一部へのステップアップを目指します。その過程で株価が上昇していくことが多いため、投資家も恩恵を受けられる可能性が高くなります。

東京証券取引所
日本を代表する企業であるZOZOやサイバーエージェントもマザーズ出身
Osugi / Shutterstock.com

東証一部にすでに上場している企業に比べると、収益の安定性に欠ける企業が多く、値動きが大きくなりやすいためリスクは高くなりますが、企業の成長にあわせて高いリターンが期待できます

市場全体に投資するにはETFなどを活用

東証マザーズ市場への投資は、『東証マザーズETF(2516)』を通じて実施できます。東証マザーズ指数に連動するETF(上場投資信託)に投資をすることで、市場全体に投資することが可能です。

東証マザーズ市場に上場する成長力の高い企業へ投資をしたいけれど個別企業へ投資をするのは少々リスクが高いと感じる人は多いでしょう。そのような場合はETFなどを活用して市場全体に投資をすることで、リスクを分散することが可能です。

ほかにも楽天日本新興市場株ダブル・ブル』という投資信託でマザーズ市場に投資をすることができます。『楽天日本新興市場株ダブル・ブル』の特徴は、先物取引の仕組みを使って東証マザーズ市場の値動きの2倍程度に変動をするよう設定されています。

マザーズ市場が上昇したときには2倍上昇し、マザーズ市場が下落した際は2倍下落するため、ハイリスク・ハイリターンの投資となります。少額で大きな利益を得たい人にオススメの投資手法といえるでしょう。

応援したい個別銘柄を探すのも面白い

東証マザーズ市場には、毎年多くのベンチャー企業が上場します。ベンチャー企業の中には今後の成長が見込める企業や、社会的な課題解決に期待がかかる企業も多くあります。

東証マザーズ市場に上場する銘柄の中から、自分が応援したいと思う企業に投資をするのもいいでしょう。短期間の売買で利益を狙うのではなく、応援したい企業を探して資金を投じ、中長期的な成長を見守るのは投資の醍醐味のひとつです。

もちろん、社会情勢の変化などさまざまな要因によって期待するほど成長できない可能性もあります。東証一部上場銘柄に比べると財政基盤が脆弱な企業も多いため、資金繰りが悪化し、倒産してしまう可能性もあります。

東証マザーズ市場の個別企業への投資は高いリターンが期待できる半面、リスクが高いことも認識しておきましょう。

2022年4月にマザーズは「グロース」市場へ再編

東証マザーズが誕生したのは1999年。これまで20年以上にわたって、たくさんの企業がここから東証一部へと羽ばたき、日本を代表する企業へと成長していきましたが、2022年をもってその歴史を閉じることになります。

東京証券取引所の市場再編に伴い、2022年4月1日に、東証マザーズおよびJASDAQ市場の一部を引き継ぐ形で「グロース」という新しい株式市場がつくられる予定です。これまでの東証マザーズと同じく、ベンチャー企業の資金調達の場として活発な取引が行われることが期待されます。

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