宮崎県延岡市で保険業や資産運用のアドバイスに携わる小田初光さんが、地方で暮らす生活者のリアルな視点で、お金に関するさまざまな疑問に答えます。今回は、iDeCoなどの「説明会」をきっかけとした資産運用の始め方や、投資信託の見つけ方について考えます。

  • iDeCoなどの説明会が「売り込み」だとしても、運用を始めるきっかけになる
  • 投資信託なら少ないお金でもリスク分散ができて、長期的にお金を貯められる
  • 長期投資をしてくれる投資信託を見つけるときは「直接販売」に注目

iDeCoの説明会など、きっかけに触れることが重要

【質問】
この間、会社に金融機関が来て、確定拠出年金説明会がありました。将来の年金積立には少し興味がありましたし、特定の商品の売り込みでもなさそうなので、どちらかと言うとしぶしぶ聞いたのですが、仕組みの説明が中心で……。最後は「リスクがあるので、商品は元本が確保できるものを選べばいいですよ」と言われました。単純に大丈夫なの?と思っちゃいました。結局は売り込みなのかな……。どう考えればいいですか?

今回は、お金を増やすことに興味があっても「難しそう。どうしたらできるのか?」と迷っていて、資産運用を始めるのにきっかけと後押しが必要な方たちへのメッセージを考えてみます。

相談者は地方暮らしです。一週間の行動が仕事中心のサイクルで、空いた時間に自分のしたいことを当てはめながら、時間が過ぎ去っていくのが生活の流れでしょう。どうしても仕事中心で物事が進みがちになり、自分自身の考えは置き去りになるものです。ましてや、「お金を運用して貯める方法」など、仕事の延長という感覚だと、騙される?と疑問を持ちながら聞く姿勢になるのも必然です。

しかしながら、とっかかりはこれで良いのです。最近、企業でiDeCoの説明会があったとよく耳にするようになりました。やる?やらない?は本人の自由ですが、まずはこのようなきっかけを、企業も金融機関もドシドシ作っちゃえば良いのですよ。

ただ、iDeCoや資産運用の説明会では、どうしても「主催者側にとって都合が良いこと」をメインに話をすることが多いので、「信頼できない」など疑問符がついてしまうのも事実です。そこを逆手に取って、説明会で感じた疑問を自身で調べていく行動力が、お金を増やしていくために一番重要なことだと考えています。

少額でリスクを分散できるのが投資信託

最近はiDeCo、NISA、つみたてNISAと、非課税で投資できる方法がいろいろありますが、すべて「投資信託」の運用で成り立っています。

一昔前までは投資信託というと「うさんくさい」「儲からない」「信用できない」など、悪いイメージがついて回っていました。
そもそも投資信託は、富裕層ではない普通の労働者家庭が財産づくりをするための手段として19世紀の英国で生まれたのが始まりといわれており、そこから世界中に普及しました。ただ、日本では投資に対して、特に株式の短期売買に負のイメージが定着していて、その影響で投資信託も長らく信頼されていませんでしたが、実際には、普通のサラリーマン家庭や若い人たちにとって、投資信託ほど効率的で使い勝手のよい手段はないと思います。

たとえば、10万円か20万円くらいのお金でどんなに頑張っても、株式の個別銘柄だけでは満足のいく投資はできません。なにしろ資金が少ないから、自分で株式投資しようものなら、せいぜい2、3銘柄しか買えません。いくら安全重視で有名な銘柄を買ったつもりでも、銘柄の業種が偏ってしまえば、特に下落相場では価格が下がりやすくなり、長期的には安定した収益には結びつきません。
極端に言うと、少ないお金で個別銘柄に投資しても、宝くじと同じとなりますね。当たる確率が低く、利益につながりにくいわけです。

ルーレット
株式の個別銘柄を2~3個買って、それだけで安定した利益を狙うのは、ある意味でくじを当てるようなもの

投資信託は、不特定多数の投資家からお金を集めるので、1人の投資家が払うお金が少なくても、全体では大きなお金になります。多額のお金で、幅広い業種の70銘柄、100銘柄を組み入れれば、相場の流れにも乗れますし、リスク分散もできますので、最終的には投資収益が増えることにつながりやすくなります。

あとは、長期投資をしてくれる投資信託を見つけて、そこにお金を預けておけばいいだけです。ちゃんと長期運用してくれている投資信託なら、安心して10年、20年と付き合えます。まさに10年定期、20年定期の感覚。定期預金との違いは満期がないことで、自動延長される高利率の定期預金みたいなものとも言えます。気が付けば、いつの間に自分の資産がこんなに積み上がっているのかと驚くはずです。

長期投資を任せられる投資信託を見つけるには

経済の難しいことは知らなくても、信用できて安心して任せられる投資信託を探し出して、それを買っておくだけで財産づくりができてしまいます。
とはいっても、そんな投資信託に、どのような手段で出会えばいいのでしょうか?

それが、今回の相談にもあったような説明会の類になります。無理やり、しぶしぶなどの動機でも、投資について知るきっかけとしては十分。できれば、投資信託の運用会社の話なら生の声が聞けますし、疑問に思う内容にも応えてくれるので、参加するに値します。商品を買ってもらうことが目的となる金融機関とは区別して勉強できますので、お勧めです。
運用会社のホームページで案内しているケースもありますから、気になったらチェックしておきましょう。

投資信託を買う手段は、窓口販売と直接販売の2種類があります。窓口販売は主に金融機関(証券会社、銀行など。ネット証券を含む)で購入することで、現在は大半が窓口販売となります。
逆に、直接販売は、運用会社から直接購入する方法です。購入者は自分の意志で、運用会社に直接申し込みを取り付けて購入しなければならないので、入口が狭く、運用会社にとっては完全に受け身の販売です。

この2つの大きな違いとして、解約率が挙げられます。窓口販売で買われた投資信託は、直接販売より解約が多い傾向があります。上昇相場で金融機関が大量に追加販売して、下落相場で解約が殺到すると考えれば、この結果もうなずけます。これでは投資信託の運用会社も安定した運用が困難になりかねませんね。

その点、直接販売では「自身で探した投資信託なので安心して買える」という方が圧倒的に多いようです。しかも運用会社による直販なので「乗り換え営業」はなく、当然解約も少なくなり、それが運用成績にも反映されます。
直接販売は投資信託の買い方の違いだけでなく、運用を長く任せられる基準のひとつにもなることを、ぜひ知っておいてください。

私の経験からの話ですが、長期運用する投資信託を10年、20年単位で保有していると、定期預金よりずっと高い利益が積みあがることを実証できたことを報告いたします。
最後になりましたが、投資信託を使った資産運用は「難しいことは考えずに、ちょっとでもやったもん勝ち」だよと、投資初心者にお伝えしたいと思います。

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