安定的な資産運用には分散投資が欠かせません。分散投資には資産や地域、時間などを分散させる手法がありますが、本記事では地域を分散させる方法について詳しく説明しています。投資において地域を分類する際に用いられる先進国、新興国、資源国の特徴を理解して、価格変動リスクに強い資産形成を実践しましょう。

  • 地域分散のポイントは、経済的性格やステージが異なる国に投資すること
  • 地域分散の際は、「先進国」「新興国」「資源国」という大きな分類を意識
  • 「先進国」「新興国」「資源国」のどれかひとつに偏るようなことがないように

なぜ地域分散が重要なのか

投資を検討あるいは実践している皆さんは、「安定的な資産形成には分散投資が重要」という話を聞いたことがあるのではないでしょうか。

「卵を1つのかごに盛るな」という格言にもある通り、同じ種類の資産ばかり持っていると、その価値が下がったとたん資産全体の価値を大きく下げることになってしまいます。しかし、資産の種類(株式、不動産など)や投資地域(先進国、新興国など)が分散していれば、資産全体の大きな値動きを避けられるのです。

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投資地域の分散は、資産の分散と並ぶ、分散投資の代表的な方法のひとつです。経済的性格や発展のステージが異なる複数の地域に分散して投資することで、災害や紛争、政治などのリスクの偏りを避けられます。このようにして、安定的な運用成果を得ることが可能になるのです。

分散投資の第一歩は「資産」の分散から

先進国、新興国、資源国……地域による特徴は?

地域の分散においてポイントとなるのは、経済的性格やステージが異なる国に投資することです。例えば、インドネシアとタイに分散投資しても、その性質が似通っているためにほとんど分散効果が得られないことが想像できるでしょう。

そこで地域を分散させる際に意識しておきたいのが、「先進国」「新興国」「資源国」という大きな分類です。それぞれ抱えるリスクの種類や値動きの傾向が異なるため、特徴を理解して取り入れることが大事です。投資対象国がこの3つのどれに含まれるのかを意識し、どれかひとつに偏るようなことがないようにしましょう。


アメリカのように「先進国」と「資源国」の特徴を併せ持つ国もある

先進国

先進国とは、主に経済が大きく発展している国を指します。明確な定義はありませんが、技術や生活水準が高く経済的に豊かな国と考えるとよいでしょう。先進国が参加する枠組みとして分かりやすい例がG7(フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ)です。

投資対象としての特徴を挙げると、政情が安定しているため紛争や政治のリスク(カントリーリスク)が比較的低く、大きな成長は期待できない代わりに安定的なリターンが得られやすいという特徴があります。先進国の中にも比較的成長率が高い国もありますので(アメリカなど)、うまく取り入れればリスクを抑えながら資産を成長させることが可能です。

新興国

新興国とは、先進国に比べると経済水準は低いものの、高い成長率で成長している国を指します。将来への高い成長可能性を秘めているため、経済成長が軌道に乗れば高いリターンが期待できるのが特徴です。新興国は「エマージングカントリー」と呼ばれることもあります。中南米、東南アジア、中東、東欧などが新興国に含まれます。

新興国は経済の仕組みや市場が未成熟で、国によってはハイパーインフレのような大きなリスクもあることを知っておく必要があります。ただし、その分急成長が期待できるのが先進国にない魅力です。

資源国

原油や天然ガスなどのエネルギー資源、金・銀・プラチナなどの貴金属、小麦などの食物資源を算出する国を資源国と呼びます。オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、アメリカなどの国が資源国として代表的です。

資源国は資源から収入が得られるため、特別な技術力がなくても財政が健全な国が多いといわれています。世界人口の増加や新興国の隆興により今後も資源需要の高まりが続くと考えられるため、資源国に投資するのは理にかなっているといえるでしょう。

資源国は商品市況の影響を受けやすく、資源国自体の経済と関係ない部分で価格が変動しやすいのが特徴です。現在はウクライナ情勢の影響で原油価格が高騰していますが、新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた2020年春には原油先物価格が一時マイナスになったこともありました。また、資源国通貨はインフレ時に買われやすい傾向があります。

地域分散を手軽に実践する方法

「先進国」「新興国」「資源国」のそれぞれの株式などに投資するには、投資信託やETFを活用すると便利です。先進国と新興国については、それぞれの株式や債券の市場平均への連動を目指すインデックスファンドやETFが、手軽かつ低コストで投資できる方法です。

資源国への投資は、オーストラリアや南アフリカなど個別の資源国の株式や債券に投資する投資信託や、資源国通貨の債券やFXを活用する方法があります。

先進国と新興国のみの地域分散であれば、幅広い地域の株式や債券などに1本の投資信託で投資できるバランス型ファンドを購入するのが最も簡単です。

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