ユーロ/円は動き小さいが、2023年には130円台へ

ユーロの見通しについては、どうお考えですか。

エミンさん ユーロについては、円に対して売られるものの、ドルほどではないと思います。

理由の一つは、円と同様にすでに安くなりすぎていることです。ユーロはロシア・ウクライナ戦争の影響で大きく売られてきましたが、今冬は前年のようなエネルギー危機には至らない見込みです。日本と同じように、コモディティ価格のピークアウトはユーロの追い風となりますので、これ以上売られる理由は乏しいでしょう。また、ECB(欧州中央銀行)は追加利上げの必要性を強調しており、金融政策もユーロを下支えする要因になりそうです。

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ロシア・ウクライナ戦争の動向には引き続き注意が必要

当面のユーロ/円は、それほど大きな動きはないと見ています。ただし、中期的には円の強さが勝り、2023年は140円を割れる展開がありそうです。135円くらいまで下値を想定しておいたほうが良いでしょう。

為替は金融政策だけで動くものではない

為替取引を行う読者にアドバイスをお願いします。

エミンさん 日米の金利差ばかりに注目し、ドル/円のロングポジションを持ち続けている人は多かったかもしれません。しかし、為替相場は金融政策だけで動くものではありません。トレンド転換に対応するためには、もっと大きな目で経済を見ることが大切だと思います。

常に頭に入れておきたいのは、景気の良い国の通貨が買われ、景気が悪い国の通貨が売られるという大原則です。そのうえで、景気動向を把握するためにマクロ経済指標を見るようにしましょう。

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