投資を始めたものの、途中で止めてしまう方も少なくありません。しかし、投資は長期を前提とべきものであるため、安易に止めてしまうことはあまりおすすめできません。投資に挫折するパターンとその乗り越え方、続けやすい投資方法を紹介します。ぜひ長期的な資産運用を実現するためのヒントにしてください。
- 下落相場は積立投資のチャンス! やめてしまったら意味がない
- 値動きを気にしすぎるのは挫折への近道。投資したのを忘れるぐらいがちょうどいい
- 急に入用になることも。万一への備えは現金で確保しておくこと
投資の挫折パターンその①~価格が下落してやめてしまう
保有している銘柄の価格が下落したことで、投資をやめてしまう方がいます。急に自身の銘柄選びに自信を持てなくなり、大損をする前に投資を止めるほうが良いと結論付けてしまうのでしょう。
このパターンは、2020年3月のコロナショック後につみたてNISAで積立投資を始めた人が陥りやすいパターンといえるかもしれません。コロナショック後、世界的に株式市場は急激なV字回復を遂げたため、多くの銘柄で株価は上昇、投資初心者でも楽に含み益を得ることができました。
しかし、2021年後半ごろから雲行きが怪しくなり、2022年になってアメリカで利上げがスタートすると、株式市場全体が大きな調整局面を迎えます。含み益の状況から一転、含み損を抱えるようになった投資初心者も大勢いたことでしょう。金融市場の先行きに不安を感じて保有銘柄を売却、投資をやめてしまった人もいます。
とはいえ、下落相場でやめてしまったら積立投資の意味がありません。積立投資は最終的に価格が上がれば利益を確保することが可能なため、短期的な値下がりは気にする必要はないのです。それどころか、値下がりしているタイミングは、安値で多く買える絶好のチャンスなのです。下落相場で安値で仕込み、将来的に価格が上昇すれば、含み益が一気に膨らむことにもつながります。積立投資は、途中経過に一喜一憂せずに、長期的な視野でコツコツ投資を続けていくことが肝心なのです。
投資の挫折パターンその②~値動きが怖くてやめてしまう
とにかく値動きが気になって気になって仕方のない方は、含み益があっても、毎日の値動きが気になって疲れてしまい、「自分に投資は向いていない」と挫折してしまうことがあります。
このパターンの方は、自分を疲れさせないためにも、リスクが高い値動きの激しい商品を絶対に選ばないようにしましょう。比較的値動きが緩やかな債券ファンドなどを選び、積立投資の手続きが終わったら、途中経過はなるべく見ないことが大切です。できれば投資していることを忘れるぐらいに放置しておきましょう。
もしかしたら、投資を始める→怖くなって挫折する……のパターンを何回か繰り返しているうちに、値動きがあまり気にならなくなるかもしれません。いずれにしても値動きを気にしないことが、投資を長く続けるコツといえます。
投資の挫折パターンその③~お金が必要になってやめてしまう
急な入用で、投資をやめてしまうパターンもあります。これは仕方のないことですが、できれば投資資金と、いざという時の貯蓄、または目的別の貯蓄を別に管理することで、急な支出があっても投資を続けられるようにしておきましょう。
急にお金が必要になるタイミングで、保有銘柄の価格が上がっているとは限りません。価格が下がったタイミングでの売却を避けるためにも、やはりある程度の現金は必要といえるでしょう。
「一喜一憂する」は「挫折する努力」
投資を始めたときは、値動きが気になるものです。少し上がったからといって大騒ぎをしたり、少し下がったからといって「投資の才能がない」と落ち込んだりする方もいるかもしれません。
しかし、実際のところは、価格が変動したところで、売却しなければ損失も利益も生じていません。つまり、値動きに一喜一憂するのは、せっかく始めた投資をわざわざ挫折しようとするための努力、行為ともいえるのです。
積立投資は、とにかく長く続けてこそ効果が出る投資方法です。含み損が出ている下落局面は、むしろ購入できる口数が増えるチャンスとポジティブに考えてください。値動きを必要以上に気にせず、淡々とした気持ちで続けるようにしましょう。