メリットばかりが強調されがちな積立投資ですが、投資に万能な方法はありません。一括投資に比べると、安定的に資産を殖やせる可能性が高いと考えられる積立投資にも注意すべきポイントがあります。本記事では「積立投資のデメリット」に注目して、積立投資で成功するためのコツをまとめました。ぜひ最後まで読んで、積立投資への理解を深めてください。

  • 積立投資は、短期間で大きな利益を得ることができない
  • 積立投資は、上層相場が続くと効果が期待できない
  • 積立投資は、とにかくやめないことが一番重要

積立投資の基本をおさらい

積立投資とは、毎月(もしくは毎週、毎日など)定期的に決まった金額をコツコツ投資していく方法です。あらかじめ決めた金額分だけの口数を購入するため、価格が高いときには少なく、安いときにはたくさん購入できるという特徴があります。

積立投資は毎月数百円~1,000円程度の少額から投資を始められるため、まとまったお金がない人でも資産形成に踏み出せる点がメリットです。また、金額や買うタイミングの設定さえしておけば、いちいち購入の手続きをする必要なく、機械的に買い付けてくれます。投資に時間をかけられないという人にも向いています。

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このように個人の資産形成において積立投資は、有効な手段といえますが、もちろん誰にとっても万能な投資手法というわけではありません。あらかじめ知っておきたい積立投資ならではのデメリットもあるため、ここで確認しておきましょう。

積立投資のデメリット①~短期で大きな利益を上げることができない

積立投資は、少額からコツコツ時間をかけて投資し、10年~30年後に資産が大きく膨らんでいることを目指す投資方法です。買い付けるタイミングを分散させることで、積立投資の特徴である価格変動リスクの低減効果も得られます。

一括投資VS積立投資。有利なのはどっち?

まとまった資金を一気につぎ込んで、買値と売値の価格差で大きな利益を狙うようないわゆる短期投資とは正反対の方法といえるでしょう。大きなリスクを覚悟して、短期で一気に利益を獲得したいという人にとっては、積立投資の時間をかける仕組みがデメリットに感じられるかもしれません。

大きな利益のイメージ
短期で一気に利益を獲得したい人に積立投資は向かないかもしれない

積立投資のデメリット②~上昇相場では効果が期待しにくい

積立投資の効果が最も発揮されるのは、下落局面で安くたくさん買い付けておき、その後の上昇局面で資産価値が一気に膨れ上がるという状況です。安値で仕入れられれば、その銘柄の価格が高くなったときに含み益が増加します。積立投資のメリットを説明する際に「平均購入価格を下げる効果が期待できる」といわれますが、実際に起きているのはとてもシンプルなことで、安いときにたくさん買ったものの価値が後々高まって、含み益が増大する、ということです。

積立投資は、下落局面(商品を安く買える)で力を発揮するため、価格上昇が一方的に続く局面では平均購入価格が切り上がる一方となります。これは積立投資が得意とする「安くたくさん買い付ける」場面を経験できないからです。それだけでなく、高値で買い続けた商品は、いったん価格が下がると大きな含み損を抱える危険性もあります。

見せてもらおうか!積立投資の実力とやらを~その1

特にコロナショック後の2020年から投資をスタートした人は、株価が調整局面を迎えた現在は、大きな試練といえるかもしれません。

積立投資のデメリット③~一括投資ほど儲からないかもしれない

積立投資は、まとまったお金がなくても、少しずつお金を拠出して、時間をかけて育てるという方法です。当然ですが大金をつぎ込んで安い商品を買い、高値で売り抜けた方が短期間で大きな投資成果を出せます

ただし、投資の専門家でも株価の変動を完全には読み切れません。一括投資では、安値で買ったつもりがさらに値下がりしたり、もっと上がると思って売りときを逃したりする可能性があります。期待できる収益が大きい分、失敗した場合の損失も相応に大きくなることもあるでしょう。もし、このリスクを許容しつつ、短期的に大きく儲けたい、というのであれば、積立投資ではなく一括投資を選ぶ方が適切かもしれません。

積立投資は時間がかかるイメージ
積立投資は時間をかけてお金を育てるもの

積立投資のデメリット④~余分にコストがかかる恐れがある

積立投資で購入する銘柄によっては、購入時手数料が高くつく場合があります。一括投資の場合は買い付けが1回で済みますが、積立投資の場合は長期間、購入し続けるため、始める前に手数料についてきちんと把握しておくこと必要があるでしょう。

コストが安い商品選びのコツとしては、つみたてNISAの対象商品を選ぶのがいいでしょう。つみたてNISAの対象商品は、長期積立投資で利益が出やすいように、ノーロードと呼ばれる購入時手数料無料の投資信託が選ばれているからです。

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とにかく途中でやめないこと!

積立投資は難易度が低く初心者にもおすすめできる方法です。ただし、万能ではなく欠点もあることを知っておきましょう。最安値で購入し最高値で売り抜ければ一番効率が良いですが、そのタイミングは誰にも分かりません。だからこそ積立投資が力を発揮するのです。

積立投資は長期にわたって行うので、タイミングによっては運用成果が悪くなることもあります。とにかく途中でやめずに、辛抱強く積立を続けましょう。無理なく継続できる金額で気長に続けていれば、気付いた頃にはきっと、資産が大きく成長していることでしょう。

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