最近よく見かけるようになった「歩いた分だけ保険料が安くなる」「健康診断結果を出すだけで保険料が安くなる」といった保険。こうした健康状態や健康状況によって保険料の割引や還付金給付を受けられる保険のことを「健康増進型保険」といいます。今回は、その特徴などをご紹介いたします。

  • 「健康活動タイプ」「健康状態タイプ」「健康維持タイプ」の3つがある
  • 人によってはいつも通りの生活で割引や還付金を受けられる可能性も
  • 割引や還付金は魅力的だが、まずは保障内容があっているかどうかを確認

健康増進型保険3つのタイプを紹介

健康増進型保険を大きく分けると、以下の3つのタイプがあります。

【図表1】健康増進型保険3つのタイプ
健康活動タイプ ・1日あたりの平均歩数が一定以上の期間が継続している
・フィットネスジムでの運動やスポーツイベントの参加を一定回数行っている
・一定期間以上喫煙を行っていない など
健康状況タイプ ・BMI値(体重(kg)÷身長(m)の2乗)が一定範囲内である
・血圧・血糖値・肝機能などの数値が一定の基準値範囲内である など
健康維持タイプ ・一定期間以上、入院や手術をしていない など

※この分類は筆者が独自にまとめたものですので、一般的な用語とは異なります。
※こちらに記載の情報は、あくまで一例です。詳細は必ず保険会社のウェブサイトやパンフレットなどでご確認ください。

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健康活動タイプ

健康活動タイプは、契約者の運動などの活動を基準に、保険料の割引や還付金給付が行われるものです。1日の平均歩数や、保険会社規定のフィットネスジムでの運動・スポーツイベントへの参加を一定回数以上行っているなど、主に日常生活に運動を取り入れているかどうかを保険会社に申告することになります。活動の計測には、ウェアラブルデバイスやスマートフォンのアプリなどを利用する場合が多いようです。

【図表2】健康活動タイプの商品例
保険会社名 商品名 健康条件
住友生命 Vitality ・健康診断の受診やスポーツイベントの参加など、
1年ごとの健康増進活動が一定以上か

健康状況タイプ

健康状況タイプは、契約者の健康診断結果などを基準に、保険料の割引が行われるものです。「体重(kg)÷身長(m)の2乗」で求められるBMI値が一定範囲内であることや、血圧・血糖値・肝機能などの数値が一定の基準値範囲内であることなどを保険会社に申告することになります。申告方法は、約1年以内に受けた健康診断表の提出が必要な場合や自己申告のみの場合もあるようです。

【図表3】健康状況タイプの商品例
保険会社名 商品名 健康条件
東京海上日動
あんしん生命
あんしん治療
サポート保険
・過去1年以内に喫煙していないか
・過去14か月以内に受診した健康診断・
人間ドックでの血圧測定値が基準を
満たしているか
ネオファースト
生命
ネオdeいりょう ・過去1年以内に喫煙していないか
・BMIが規定値の範囲内か
ネオdeからだ
エール
・健康診断の検査項目(BMI、血圧、
尿検査、血液検査)から算定される
健康状況が保険会社の所定の範囲内か

健康維持タイプ

健康維持タイプは、契約者の入院歴・手術歴などを基準に保険料の割引や還付金給付が行われるものです。保険の加入前または加入後の一定期間に保険会社規定の病気やケガで入院・手術を受けていないかどうかを保険会社に申告することになります。申告方法は、加入時に自己申告を行う場合や、加入後に保険会社が入院・手術の給付金請求の有無を確認するなどのようです。

【図表4】健康維持タイプの商品例
保険会社名 商品名 健康条件
チューリッヒ
生命
終身医療保険
プレミアムZ
・3年または5年間、一定日数以上の入院を
していないか(特約)
楽天生命 スーパー医療保険
戻るんです
・契約年齢に応じて定められた年齢までに
支払った保険料>受け取った給付金額か

健康増進型保険のメリットとデメリット

気になるのが、健康増進型保険のメリットとデメリットです。

トラリピインタビュー

メリットとしては、日頃から運動習慣のある方や、喫煙をしていない、あるいはしなくなって一定期間以上が経っている方であれば、今まで通りの生活を続けるだけで保険料割引や還付金給付を受けられる可能性があります。

また、加入者向けのサービスが充実している保険も一部あります。フィットネスジムの利用料やスポーツ用品・ウェアラブルデバイスの割引など、より本格的に運動を行いたいと思っている方には魅力的かもしれませんね。

一方でデメリットもいくつか考えられます。健康状態というのは本人の努力だけで完璧にコントロールをするのは難しいものです。予想外の病気やケガで入院をした場合や運動が難しくなった場合、割引などのメリットが一定期間失われたり、商品によっては保険料が割増されたりする可能性もあります。

また、一般的な医療保険に多い日額タイプではなく、まとまった金額を受け取る一時金タイプのものも多いようなので、入院が長期間にわたった場合に保障が足りるかどうかも考えなくてはいけません。

保険選びは割引だけでなく保障内容もしっかり確認を

健康増進型保険とひとくちに言っても、商品やサービスの内容、割引・還付金給付の条件は各社で違いがあります。割引や還付金は確かに魅力的ですが、まずは保障内容が自分のニーズにあっているかどうか、確認することをおすすめします。

保障内容が自分の欲しいものであり、健康増進を継続する自信がある場合には、健康増進型保険を候補として考えてみるのも良いかもしれませんね。

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