お正月になると、子どもにお年玉を渡す方は多いでしょう。両親だけでなく祖父母や親戚からもらって、多額のお年玉を手にする子どもも多いと思います。子どもがもらったお年玉は、ご家族でどのように管理しているのでしょうか。近年ではお年玉を投資に回す家庭も増えているそうです。そこで今回は、お年玉を活用した投資について考えてみます。

  • お年玉の使い道の大半は貯金だが、最近ではお年玉を投資に回す家庭も増えている
  • 株式の少額投資やつみたてNISAなら、お年玉の範囲内でも投資できる
  • お年玉の投資を通じて、子どもの金融リテラシーが高まる効果も期待できる

お年玉の金額と管理方法は?

学研総合教育研究所の調べ(※1)では、2021年に小学生がもらったお年玉の平均金額は20,823円だそうです。1年生は約18,000円、6年生は25,000円というように、学年が上がるにつれて、もらえるお年玉の額も増えているそうです。

お年玉の使い道についての質問では、約85%が「貯金」と回答しており、小学生の子どもを持つ親の多くが、将来の学費などに備えて貯金していることがわかりました。

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一方、住信SBIネット銀行の調査(※2)によると、子どものお年玉の管理方法として、投資信託が9.0%、株が6.4%と回答されており、いずれも2020年に比べ2021年の割合が増加しています。将来の学費に使うために投資を行い、もらったお年玉を増やしておきたいという方が増えているのでしょう。

※1 学研教育総合研究所「小学生の日常生活・学習に関する調査」 
※2 住信SBIネット銀行「2021年・お年玉に関する意識調査」

お正月の家族
子どもの将来のために、お年玉を投資に回して少しでも増やしたいという家族が増えている

お年玉を投資する方法

もらったお年玉を増やしたいのであれば、ほとんど利息がつかない預金より、利益が期待できる投資に回すのが有効です。とはいえ、子どもたちにとっては、お年玉は年に一度の楽しみ。遊ぶことが大好きな小学生の子どもに対して「お年玉を将来の学費のために投資する」と伝えても、なかなか理解は得られないでしょう。

お年玉を全額投資するのではなく、一部のみ投資することもひとつの方法です。例えば、2万円のお年玉であれば、半分の1万円をゲームやおもちゃなど、子どもが欲しいものを買い、残りの1万円を投資に回すなど、子どもや祖父母にも理解を得られる範囲で投資するとよいでしょう。もちろん、この1万円を貯金するのもよいですが、投資に回すことによって、さらにお金を増やせる可能性があります。

お年玉を投資するとしたら、具体的にどのような方法が考えられるのでしょうか。

株式投資

近年は、1株単位で株を買えるサービスがあるため、数千円ほどのお金でも株式投資ができます。証券会社の口座は未成年でも開設できます。通常、子どもの証券口座は親権者が管理することが一般的です。

株式投資の魅力は値上がりや配当益です。大きく成長できる会社を見つけられれば、お年玉の金額での投資でも、数年後には大きな利益が得られるかもしれません。そして、株式に投資をすることによって、子どもが企業や経済にも興味を持つことになり、社会とお金の仕組みを学ぶ機会にもなるでしょう。

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つみたてNISA

つみたてNISAは、年間で最大40万円まで、20年間非課税で積立投資ができる制度です(2024年からNISAの制度が変更される予定)。最近は少額で積立投資ができる証券会社もあり、月1,000円で積み立てをすれば、年間12,000円を投資できるため、お年玉の範囲でも十分に投資可能です。

つみたてNISAは売却益が非課税になるという、税制面でのメリットを得られるのがメリットです。ただし、つみたてNISAは未成年が口座を作れないため、親の名義で運用しなくてはいけません。つみたてNISAと同じ非課税投資制度であるジュニアNISAであれば未成年でも投資できますが、2023年に制度の廃止が決定しています。

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お年玉を家庭での投資教育に活用

お年玉を投資に回すのは、子どもの将来に備える資産形成のためでもありますが、子どもの投資教育にもつながります。自分のお年玉で投資信託や株を購入し、値動きを追うことで、自分ごととして投資に興味を持ち、投資について知ることが可能です。

お年玉の投資を通じて、小学生のうちから金融リテラシーを高めておくことによって、大人になったときに十分な経済感覚を身に付け、経済の仕組みを理解することにもつながります。子どもの頃の投資教育によって身に付けた金融リテラシーは、社会に出てからも、大いに役に立つ能力となるでしょう。

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