コロナショックによって株式市場は大きな調整局面を迎え、多くの投資信託が大幅な下落に見舞われました。そんな中、下落から一転、力強い回復基調を示す投信も増えてきました。本シリーズでは、逆境を力に変える実力派投信をMonJa編集部が紹介します。

足で稼ぐ企業調査で魅力的な銘柄を発掘

『MHAM新興成長株オープン(愛称:J-フロンティア)』の基準価額の推移
J-フロンティアのパフォーマンス

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騰落率
J-フロンティアの騰落率2020年3月31日時点
※『J-フロンティア』の騰落率は、税引き前の分配金を再投資したものとして算出しており、実際の投資家の利回りとは異なる。

国内トップクラスの規模を誇る資産運用会社のアセットマネジメントOneが運用する『MHAM新興成長株オープン(愛称:J-フロンティア)』(以下、J-フロンティア)は、2000年2月25日に設定された長い歴史を持つ日本株ファンドです。投資対象とするのは、国内の新興企業。目先の株価ではなく、10年後に株価が2倍、3倍になるような企業を、足で稼ぐ調査で発掘し、成長の初期段階で投資する「中期仕込み型」の投信とのことです。

特筆すべきはその運用成績。ITバブルの崩壊(2001年)、ライブドアショック(2006年)、リーマン・ショック(2009年)など数々の調整局面を乗り越えつつ、2018年10月には、基準価額が24,000円を超えました。

運用が好調の場合は決算日(原則2月24日)に分配金が支払われる設計のようで、これまでを振り返ると2004年~2006年の3年間と、2014年以降は毎年分配金が支払われています。特に2016年~2017年の分配金は、10,000口当たりなんと1,000円!

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100万口保有していれば10万円の分配金ですから、大きいですよね。仮にこれまでの分配金を受け取らずに再投資していたら、基準価額の最高値は、30,000円を優に超える水準になっているとのことです。

「コロナ後」の回復局面をとらえるための仕込み

とにかく圧倒的なパフォーマンスが魅力の『J-フロンティア』ですが、コロナショックの影響で、3月半ばには基準価額が12,000円台まで下落してしまいました。

しかし『J-フロンティア』の組入銘柄は、情報・通信やサービス、電気機器など、どちらかというと新型コロナウイルスの直接的な影響は小さそうな業種が多く、小売りや外食、宿泊施設といった相対的に影響が大きいと考えられる企業はすでに売却しているようです。

ちなみに3月末時点の組入上位10銘柄は次の通り。

組入上位10銘柄
J-フロンティアの組入上位10銘柄※2020年3月31日時点

株価を調べてみると、いずれもコロナショックの影響はあまりなさそうです。特にソフトウェアのテスト検証事業を手掛けるSHIFT(3697)、産業用小型ボイラーの国内トップ三浦工業(6005)、オンライン診療プラットフォームをOEM提供するオプティム(3694)の3銘柄は、上場来の高値圏にあるといっていいでしょう。

一方で介護・医療業界向け人材紹介などを手掛けるエス・エム・エス(2175)は年明けから株価が下落基調にあり、コロナショックでさらに下げました。現在株価は回復基調にありますが、直近の高値には及びません。

とはいえ、『J-フロンティア』の過去の運用報告書を確認すると、2年前には組入上位10銘柄にエス・エム・エスは名を連ねています。中長期の成長を確信して投資しているからこそ、目先の株価がさえなかったとしても、高い組入比率で持ち続けていられるのでしょう。

4月上旬のファンドのレポートを確認すると、足元で新型コロナウイルスの影響を受けている銘柄も今後の回復局面では再び成長軌道に戻ると想定し、買い増しのタイミングを計っている、とのコメントがあります。回復局面での値上がりをしっかり享受するため、いまは着々と仕込んでいる最中なのかもしれません。

組入比率上位10銘柄のうち、私が社名と事業内容をきちんと把握していたのは、アニコム ホールディングスだけでした。やっぱり個人が知らない優良銘柄や投資機会を提供してくれるのがアクティブファンドのいいところですよね。しかも目先の株価で右往左往するのではなく、中長期の成長を見越してどっしりとした運用を実践している『J-フロンティア』は、アクティブファンドに投資する醍醐味に溢れていそうです。

ちょっと心配なのは、パワーリフティングが趣味で、週末はジムでバーベルを持ち上げているというファンドマネージャーの岩本誠一郎さんの体調。コロナ禍でジムがクローズして、ストレスが溜まっていなければいいんですが……。早く通常の経済状態に戻って、ファンドのパフォーマンスもバーベルもガンガン上げてほしいですね。