「好きな企業」に投資してはいけない?

投資をすることでいまの自分の仕事にもいい影響があるというのは、ポジティブでいい考え方ですね。そうすると、投資するならやはり「好きな企業」や「応援したい企業」を選ぶべきですか。

奥野 それだときっと失敗します。

どうして?

奥野 最初はそれでもいいと思いますよ。でも「好きな企業・応援したい企業」=「強い企業」というわけではないですよね。だから失敗するんです。そして二度と投資したくなくなる。

う~ん、投資に好き嫌いを反映してはダメなのか……。

奥野 投資は強い会社を選ばないと。例えば、スポーツシューズメーカーを例にとると、私の心情的には日本企業のアシックスを応援したい気持ちはあります。でも実際に投資するかというと、しません。スポーツシューズメーカーに投資するなら圧倒的な競争優位性を持っている米ナイキを選びます。

株式投資において一番大事なのは会社の利益です。その利益を守り増やしていくための参入障壁が高いことが企業を選ぶうえで重要です。

私が考える利益とは、「人々が抱えている課題を発見し、それを解決することで得られる対価」だと思っています。利益が上がり続けるのは、人々や社会の課題・問題を解決し続けているからです。

そして人々が抱えている課題・問題を解決するということは、社会全体が少しずつ良くなっていることでもあります。つまり株式投資は、社会全体を少しずつ良くすることに貢献していると考えることもできます。

バフェットがコカ・コーラ株を持ち続ける理由

奥野さんはご自身で運用するファンドの組入銘柄をどのように選んでいるのですか。

奥野 売らなくていい会社しか買いません。私が手本としている米国の著名投資家ウォーレン・バフェットは、コカ・コーラの株式を1988年から現在までずっと持ち続けています。その間にコカ・コーラの株価は20倍になりました。

20倍! 世界の人口はまだまだ増えていますし、経済的に豊かになる国が増えれば、その分、コーラを飲む人が増えますからね。絶対的なブランド力もありますし。

奥野 そう。長期的に株価は利益に連動しますから、人口増加によって利益が増え続けるとしたら、株価も長期的に上昇していくと考えられます。だからバフェットは、コカ・コーラの株式を持ち続けるのです。

どうすれば売らなくていい企業を見つけられるのでしょうか。

奥野 「構造的に強靭な企業®」に投資することです。具体的には、「高い付加価値」「高い参入障壁」「長期潮流」の要素を持っている企業は構造的に極めて強靭です。この3つの要素が弱まらない限り、その企業の株式を保有し続けていいと考えます。

構造的に強靭な企業の概念図上記3つの要素が弱まらない限り、その企業の株式は保有し続けるべき

確かにコカ・コーラもディズニーもナイキも、この3要素を持ち合わせています。ただ個人でこの3要素を見極めるのはちょっとハードルが高いかもしれません。

奥野 確かに「構造的に強靭な企業®」に投資するには、ある程度会計の知識なども必要です。会計の知識はないけれど、資産形成の必要を感じている人は、ひとまず投資信託(ファンド)を買うという手もあります。

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